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真夜中の焙煎機-34 35gの珈琲 

今日3月14日は昨年亡くなった義父の誕生日。
病に倒れる直前まで、毎朝仕事に出掛けていた。
出かける前に私が淹れた珈琲を飲んでいたのが懐かしい。
毎朝35gの焙煎した豆を挽いて500mlの珈琲を淹れる。
珈琲はほとんどが中深煎り。
珈琲を測り、ミルで挽いてお湯を沸かし、そしておもむろにお湯を注ぐ。
最初は少しのお湯を注ぎ、蒸らす。
蒸らし終えたら、中心に向かって一心不乱に注ぐ、注ぐ。
抽出された珈琲は黒い液体となり、珈琲の香りが立ち込める。
大きめのマグカップに珈琲を注ぎ、差し出す。
義父はゆっくりと飲み干してから出掛ける。
特に会話をするでもなく、ご馳走様と。
そのやり取りが数年続いていた。
何気ない朝の風景。
久しぶりに35gの豆を挽いて珈琲を淹れてみた。
懐かしい想いが湧き上がってくる。
今は1人になって随分時間が経ったように思うけど、
そんな前のことではなかったようだ。
好きだったオスカーピーターソンをかけながら
珈琲を献杯する。
今日は暖かくなりそうだ。
コーヒーは東ティモールのエルダウトゥバ集落産。中深煎り。

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