世界の美しい博物館

知的好奇心をくすぐる愉しい写真集〜『世界の美しい博物館』

◆パイ インターナショナル編著『世界の美しい博物館』
出版社:パイ インターナショナル
発売時期:2018年7月

ギリシャ神話の主神ゼウスの娘で芸術と学問の九つの分野を司る女神、ミューズ。ミュージアムとはいうまでもなくその女神の名を語源としています。文化的な生き物である人間は、世界各地にミュージアム=博物館を作りだしてきました。

コンセプトに見合ったアーティスティックな外観を誇るもの。岩山を削って建設された教会や修道院をそのまま博物館として公開しているもの。博物館とは、展示物のみならず立地条件や周囲の環境など諸々の要素すべてを含めて博物的な知的刺激をもたらしてくれる空間とでもいえばいいでしょうか。

本書は、パイインターナショナルの〈世界の写真〉シリーズの一冊。大英博物館のような定番スポットから福井県立恐竜博物館のようなマニアックなミュージアムまで、文字どおり世界中の美しい博物館106件を収録しています。

18世紀のヨーロッパ最大の厩舎をそのまま博物館にした「生きた馬の博物館」(フランス・シャンティ)。

初航海で氷山に衝突し沈没したタイタニック号にちなんだ「タイタニック・ベルファスト」(イギリス・ベルファスト)。

東経8度に位置するスイス、イタリア、サルデーニャ島、ニジェール、カメルーン、南極などの気候を体感できる「東経8度ブレーマーハーフェン気候館」(ドイツ・ブレーマーハーフェン)。

標高2275メートルのクロンブラッツの山頂に建つ「メスナー山岳博物館」(イタリア・マレッペ)。

地球の生物多様性に大きな影響をもたらすパナマの動植物などを展示している「生物多様性博物館」(パナマ・パナマ)。

奇岩地帯として知られるカッパドキアのギョレメ国立公園内にある「ギョレメ野外博物館」(トルコ・ギョレメ)。

……などなどユニークな博物館もたくさんピックアップされています。A5版変型の可愛らしいサイズで、愉しい写真集です。

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