近代日本を体現した二人の同窓生〜『夏目漱石と西田幾太郎』
◆小林敏明著『夏目漱石と西田幾太郎──共鳴する明治の精神』
出版社:岩波書店
発売時期:2017年6月
1901年7月22日、ロンドンに留学していた夏目漱石のもとに、金沢に住んでいた西田幾多郎から手紙がとどきます。その手紙にどのようなことが書かれていたかはわかりません。しかしこのやりとりを糸口に、著者は二人の間に多くの共通点があったことを明らかにし、彼らを包みこんでいた時代環境やネットワークを検証していきます。これは近代日本を体現していたともいえる二人の知的巨人の精神史的評