サンタさんからの手紙
サンタさんに手紙を書いたことはない。
私の家では誕生日プレゼント制度もなかったし、
「欲しいもの」という概念があまりなかったからだ。
でも、寒くて暗い中いろんな人の家に行ってプレゼントを渡すのだから、
それは大変だろうと労いの手紙を書いたことがある。
すると、次の日プレゼントの隣に英語の手紙が置いてあった。
嬉しいけどよくわからないから、父親に読んでもらった。
次の年、サンタさんにはお菓子を準備しておくといいと聞いて、
お菓子を買っていつもプレゼントを置いてくれるところに置いた。
でも、そのお菓子は回収されなくって、すごく悲しい思いをした。
今はもう無くしてしまったし、
プレゼントを置いてくれていたのは両親だとわかっているけれど、
私はサンタさんを信じている。
あの手紙は、英語が不得意なサンタさんが一生懸命描いてくれたものだった。
失くさずに大切にしておけばよかったな、と少し残念な気持ちになる。
でもあの手紙を見つけた時のワクワクは一生忘れられない宝物だ。
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