なんなん 2
中村ぎん造「こんにちは。なんなんです」
中山きん藏「かれが中村で、ぼくが中山です。よろしくお願いします」
ぎん「最近のタレントはスター性が少ないよね」
きん「そう?」
ぎん「全然、大物感がない。ハゲでデブ、ケチで、口まで曲がってて」
きん「んな分けないだろう。綾瀬はるかちゃん、長澤まさみちゃん、北川景子ちゃん、柴咲コウちゃんとみんなスターだよ。キラキラじゃない」
ぎん「おまえの挙げるタレントは女ばっかだな。川合俊一、中畑清、松尾雄治、ラモス瑠偉とか挙げろよ」
きん「逆に! なんで全員、背の高いスポーツ選手ばかり上げるんだよ。しかも全員、古い! もう誰も覚えてないだろう」
ぎん「なんだよ。元スポーツ選手でテレビに出まくってたんだぞ。クイズ番組でボケた回答連発してたんだぞ。あれで、ブラジルから来たラモス以外は、全員東京の大学出てたんだぞ。俺たち10倍100倍賢いはずなんだぞ。スポーツ推薦という裏口入学して、全日本に選ばれたあとは卒業したか、全員怪しいけど」
きん「やめなさい。全員卒業してます」
ぎん「分からねーだろう。マリフ○ナ吸って捕まったかもしれないし、カラオケボックスでレ○プドラッグ仕込んで女子大生嵌○ちゃったかもしれないし、後ろからの頭へのタックルを禁止されているのにDパンしながらタックルして相手の選手を半年間出場不能しかかもしれないし、シャブ漬け牛丼を売る手伝いをしていたかもしれないだろう」
きん「長いな。シャブ漬け牛丼は、某大手牛丼チェーンの就職実地課題だから良いの」
ぎん「ハッピーターンのマジックパウダーならいいだろうけど、覚醒剤を牛煮込みに混ぜた丼は駄目だろう。食べたら美味いかもしれないけど。やめられない止まらない」
きん「本物の覚醒剤は入ってません。食べてもおいしくありません」
ぎん「吉○家の牛丼不味いの? おまえ嫌い?」
きん「吉○家の牛丼は大好き! ぼくの大好物。一日三食でも良い」
ぎん「一日三食! やっぱりシャブ食ってイカれてるだろう。牛丼、一日続けて三食は食べられないよー。しょっぱいし、苦いし、臭いし」
きん「吉○家の牛丼はしょっぱくありません、苦くもありません、変な臭いもしません。毎日食べられます。完全食です。あれだけ食べれば一日の栄養全てがとれます。野菜サラダも野菜ジュースも飲まなくて大丈夫です!」
ぎん「幻覚見えてる?」
きん「スターの話はどうなりました?」
ぎん「今年は女子サッカー、男子バスケット、男子ラグビーと、ワールドカップ、世界選手権と盛りだくさんで楽しみだね」
きん「タレントは?」
ぎん「タレントの宝庫ですよ。澤穂希、吉田沙保里、橋本聖子、阿武教子、伊達公子、松尾雄治、平尾誠二、田中史郎、五十嵐圭、長谷川誠、高橋マイケル、北卓也、佐古賢一て、豊作豊作」
きん「ラグビーとバスケットの人は良いとして、女子サッカーで名前が挙がった人変ですよ。吉田沙保里、阿武教子、伊達公子、橋本聖子て」
ぎん「舐めるなよ。吉田も阿武も伊達も橋本も、自身の専門種目で何十連勝もしてるレジェンドなんだぞ。専門以外のスポーツやったて上手いんだぞー」
きん「現役の女子サッカー選手を挙げなさい」
ぎん「うるさいな。安藤梢、大野忍、川澄奈穂美、永里優李、宮間あや、岩清水梓、鮫島彩、海堀あゆみでいいかー。あー、清水梨紗、熊谷紗希、長谷川唯、宮澤ひなた、藤野あおば、植木理子、田中美南だな。いまは」
きん「今回の女子ワールドカップは8位だったね。日本に負けたスペインが優勝したんだから、日本は優勝しててもおかしくないんだろうね」
ぎん「まあー、優勝しても日本じゃテレビ放送されないかもしれないし」
きん「放送するだろう。だってNHKで放送してたぞ。おれ見たぞ」
ぎん「それ、クラウドファンディングで集めたお金で放送したらしいぜ。NHKでは現地のニュージーランド、オーストラリアにも実況アナウンサー、解説の人間も送らなかったとさ」
きん「そうなの? 実況と解説は渋谷のNHKに居たの?」
ぎん「それだけじゃなく、カメラも国際放送センターの配信映像だけで日本から一台もカメラを持って行ってないんだって」
きん「現地からリポートしてた見た気がするけど」
ぎん「幻覚幻覚。シャブシャブ牛丼、毎日食べ過ぎ」
きん「覚醒剤は入ってません! しかし日本人はスポーツに興味ないんだねー」
ぎん「野球は別なんだよ! ワールド・ベースボール・クラシックの放送、今年前半だけで、何度テレビでみたよ」
きん「(指を折って)10回以上…」
ぎん「10回も擦ったら、相当飽きたよな。きっと年末の特番でも全テレビ局何度も擦るぜ」
きん「優勝したから。エンゼルスの大谷翔平くんも居たし」
ぎん「夏は、甲子園優勝校の話題で、また朝から盛り上がって、慶応高校と仙台育英の話し何度も見せられたぜ」
きん「慶應義塾高校の107年ぶりに優勝たんだよ。そりゃあーめでたい」
ぎん「慶応に縁もゆかりもないのに見せられて、各民放に居る慶応出身のアナウンサーが涙して喜んでる姿と、涙ながらに話すはなしを聞いて。もうこりごり」
きん「卒業生でなくても、アナウンサーさんの姿見てるだけで、こっちまで幸せになってくるじゃない」
ぎん「去年の夏だって、仙台育英が東北の高校で初めての優勝って、白河の関を越えたって、朝から何度も見せられたぞ」
きん「だから東北で初めての優勝だから、すごくめでたいんだよ。去年は去年で、こっちまで嬉しくなったでしょ?」
ぎん「なんねーよ。去年の、高校バスケットの優勝校知ってるか? 高校バレーの優勝校知ってるか? 高校ラグビーの優勝校知ってるか?」
きん「いやー、知らない。ごめん」
ぎん「どこも優勝したらめでたいよな。おまえ、優勝した学生の姿見たら嬉しくなるんだよな。野球部のヤツも、バスケット部のヤツも、バレー部のヤツも、ラグビー部のヤツも、同じ高校生だよな。なんで彼らの優勝は朝からテレビで何度も放送して祝ってやんないんだ」
きん「高校野球部は特別なんだよ。たぶん」
ぎん「まあいいや。野球部のヤツは他の運動部のヤツと違って特別でいいや。でもよ国を代表して出場した女子サッカーワールドカップは、高校生の大会の、それも毎年春と夏の二回やっている大会より特別に扱うべきだろう。四年に一回で、しかも予選大会を勝ち抜いて行かなければ出られないんだぞ。その世界大会でベスト8だぞ。宮澤ひなた選手は今大会の得点王になったんだぞ。テレビで流したか? 放送しなかっただろう。ネットニュースで、宮澤選手の得点王知ったぞ」
きん「まあまあ、高校生と代表を比べても。宮澤ひなた選手はおめでとうだけど」
ぎん「慶応高校の優勝と共に話題になっているは、補欠の清原君だというのも信じられない。あの元PL学園で、元プロ野球選手の清原和博の息子だっていわれても。レギュラーの控えじゃなく、ただの補欠。代打で出てきたら、フォアボールで歩いたまでは良いけどすぐに代走出されるレベルだぞ。大概、代打で出たらそのまま塁に残って、その裏の守りの回で野手として守りに入るだろ」
きん「いやー、代打だけの子もいるし。足速くないんじゃない。守りも不安があるんじゃない」
ぎん「そんな選手、父親が有名人だからってニュースで何度も代打の打席を放送して、優勝した感想を聞いて流すか⁉ 得点王になった宮澤ひなた選手のインタビュウーはあったか!」
きん「まあまあ。バスケットもワールドカップがあるし。ラグビーもワールドカップがあるから、そっちは違うんじゃない。一週間くらい我慢すれば、バスケットとラグビーのワールドカップの話題一色になるから」
ぎん「バスケットもラグビーも男子だからな。女子・ワールドカップだからな。NHKをはじめ民放放送局が軽んじるのは、ジェンダー差別を含んでるってことだよな」
きん「話しを大きくしない。今時、ジェンダーとかハラスメントとか、服装の自由とか、難しいことになるんだから。落ち着いて」
ぎん「DJソーダのこと?」
きん「あ!、あ!、何も言ってませんよ、おれ」
ぎん「ソーダと言えば、この間全身水色のメイクした子、テレビで紹介されてた。宇宙人メイクのMiyako。凄いなー。彼女、90年代頃渋谷で流行ったギャルの進化バージョンてことで、あーいった格好してるんだって。頭に角までくっ付いてた」
きん「なに、なに。ガングロギャル? ブリテリ、サバテリとか言ってた子たちの後輩?」
ぎん「シノラーの後輩が、こないだ『マツコの知らない世界』に出てた。デコラファッションって呼んで、NICO、江崎びす子って、デコトラ界隈に有名人まで居るんだとさ」
きん「デコトラは、荷台や運転席にピカピカ光る電球が付いた派手なトラック。『トラック野郎』。菅原文太さん演じる一番星桃次郎! 違うでしょ、デコラファッションでしょ!」
ぎん「あっそう。しかし、どれもこれも男女の性別を超えた格好だよな。宇宙人メイクなんて人間ですらないよ。LGBTQ+でいえば、クイアってことなんだろうけど。アメリカじゃ全身ラバーを被ったヤツがいたり、頭から着ぐるみを着ているヤツがいたりよ。今度は日本発信で宇宙人メイクだって。世の中狂ってるよ。分からないなー」
きん「良いじゃない。着たい物を着る。着ちゃいけない場所もない。その両方を駄目と指摘されるも理由はないんだよ」
ぎん「DJソーダ?」
きん「あれは触っちゃいけない案件です」
ぎん「でもよ、日本人は昔っからペタペタ身体触るのが好きな国民だよ。お相撲さんの身体花道でペタペタ触ったり、プロレスラーの身体入場時にペタペタ触ったり、お笑い芸人のこと、ラジオの生放送後の出待ちでペタペタ触ったりさ」
きん「あの、ペタペタ触られるのは嫌だね」
ぎん「大阪のおばちゃんなんて、誰でも彼でもペタペタ触るんだ。大阪の芸人なんて触られ馴れすぎて、ペタペタ触られないと勃起しなくなっちゃったって話し。しかも、お母さんくらいのババアに」
きん「やめなさい、て」
ぎん「ババア、触るの好きな。女って年取るとスケベになるんだろうね」
きん「男だって同じでしょ」
ぎん「男は子供の頃から触るの大好き。五歳からスケベ。男の子がよく通りすがりの女の人のおっぱい触ってるよ。ガッシって感じで」
きん「お姉さん痛い! 痛い! て言ってのに離さない子供見かけるよね。あーいったのが大人になって銀座とか六本木のクラブで、ホステスに了解とらずに“お触り”して、手を叩かれるんだろうな」
ぎん「しッかしよ。国連の誰かは知らないけどよ「性的暴力のサバイバーが襲われた時、何を着ていたかは関係ありません」とSNSで挙げたらしいけど。でも…、何を着ようと自由さ。町なかで下着姿でも、電車のなか水着でも、プールや海で真っ裸でも。襲うヤツは悪いよ。犯罪だよ」
きん「なになに。怖い怖い。余計なことは言っちゃだめですよ」
ぎん「でもよ。TPOはあるだろう? Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面)て英語の頭文字を使った三文字頭字語らしいんだけど。時間と場所、場面をわきまえた服装をしなきゃダメだろう。恥ずかしくない行動をしましょうて。服装のルールは、今の世界にはないのか?」
きん「で?」
ぎん「じゃあさ、自分が着たい服装を制限されないということは、国際連合本部ビルで働く職員も好きな格好で良いことになるのか? 例えマナーとして書かれた決まりがあっても、自分が着たい服装を規制されたり注意されたりしないのか。採用されるときも入社面接の時に、ニューヨークのメット・ガラでレディガガようなスケスケのドレスで面接に臨んでも、その格好で国連職員の面接を落とされることはないんだろうな。それで落とされたら、パワーハラスメントじゃないか。え! セクシャルハラスメントでも訴えられるんじゃないか。あらゆる場面、好きな場所で、好きな格好をしても自由ですみたいなメッセージを送って、大丈夫か?」
きん「おまえ、極端だよ。そこまでは言ってない。SNSでも巧みに言葉を選んでる。場面と場所まで自由とは言ってないし、自身が好きな格好をしても性暴力を受ける理由にならないって言ってるだけ」
ぎん「まー、ぼくも、痴漢、レイプ、のぞき、いたずら、盗撮、盗聴、透視、幻視、幻聴、監視、談志、文枝、小朝、志の輔、昇太、宮治、一之輔、嫌いだね。許せないね」
きん「おいおい、最後の方は落語家じゃないか。許せないって。嫌いって。性犯罪と一緒にするなよ」
ぎん「落語家なんて全員、スケベでヘンタイで、クズでインポで、ハゲでデブで、デッ歯で金壺眼で、頬骨が出て、首が短くて、口が曲がってて、息が臭いヤツっばかし。嫌いだー」
きん「もう、いいから」
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