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九九が覚えられない子のために ~「ごはち よんじゅう式」九九の覚え方~

九九の読み方は、実は独特…

普通の人は違和感を感じるこの読み方。

普通なら「ごは しじゅう」だ。
それをあえて「ごはち よんじゅう」にしている。

これは私が考えた方法ではなく、以下の紀要の実験の中で使用された教材の内容であり、それを私がその内容通り忠実にPowerPointで再現したものだ。

「算数障害を有する児童に対する九九の自動化のための学習支援 ー認知特性と九九のつまずきの分析からー 佐囲東 彰、中山 勘次郎」(PDF)

一番の特徴は「いち」「に」「さん」「よん」「ご」「ろく」「なな」「はち」「きゅう」という読み方に統一していること。
「ごは しじゅう」ではなく「ごはち よんじゅう」と覚えてしまうのだ。

一部の特性のある子は、「ごは しじゅう」と言われて、「5×8=40」であると想起すること自体が困難だからである。
普段8を「は」と言うことはないし、「しじゅう」という単語を子どもが使うことは少ない。
「ごはち よんじゅう」であれば、どんな子どもでも迷わない。

娘のために九九教材を手作り

娘は小学3年生であるが、小学2年生の10月より不登校になったため学校で九九を習っていない。
ASD、LDの診断を受けている娘に、家で九九を覚えさせようとしたが、なかなか苦戦していた。

上記の紀要PDFを見て、聴覚よりも視覚優位、かつワーキングメモリが低めの娘にぴったりの指導方法と確信し、その通りの教材を再現して娘に九九を教えなおすことにした。
結果どうなったかは後日また報告したい。

このような特性をもった子ども用の特別支援教材はなかなか手に入らない。
手に入らないから自分で作成することにしたが、同じような悩みを抱えている親子は他にも必ずいるはずだ。
極めてニッチ過ぎて教材が供給されていないだけで、ニーズは間違いなくある。

【無料公開】九九の特別支援教材として

ただの人まねのPowerPointに過ぎないけれど、せっかく作成したので特別支援教材として利用したいという方がいれば、ぜひ使っていただきたい。

PowerPointでは、

図(ドッツ)

式(5×8=)

式の読み方(ごはち)

答え(40)

答えの読み方(よんじゅう)

の順でアニメーションで表示されるようになっているので、スライドショー形式で見ていただきたい。
ExcelおよびPDFは、読み方付きの九九表である。

全てOneDrive上に置いてある。
PowerPoint等を持っていない人でも閲覧できるので、ぜひ気軽にのぞいてみて欲しい(スマホの場合は、PowerPointのスライドショーが使えるアプリ推奨)。

従来の覚え方である程度覚えてしまっている子の場合、新しい覚え方を導入すると逆に混乱することもあるかもしれない。
様子を見ながら、臨機応変に活用するのがポイントとなる。

また、無料で利用できる九九の特別支援教材としては、スマイル式九九プリントというものもある。
こちらは読み方は従来通りの覚え方であるが、有効な場合もあると思う。
学習障害と言っても、タイプも程度も人それぞれ。
その子に合ったものを見つけてうまく活用していければ良いと思う。


子ども用練習ページ(2021/06/21追記)

子ども用練習ページを追加したので、ご活用ください。



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