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考え方ガイドライン【社内文書】

こんにちは、琉球オフィスサービス 藤本です。

弊社には創業(2010年です)からしばらくしたときに策定した「考え方ガイドライン」というドキュメントがあり、業務や経営の意志決定において指針としてきました。※随時加筆修正されています。

完全に社内文書なのですが、この度弊社が新卒採用をスタートするにあたって、ご応募を検討していただける学生さんにも事前にカルチャーを感じていただける方が双方より良い結果になるだろうということで、少し前に外部公開しました。

ご応募いただける方はこのnoteに目を通していただくこともありますので、こちらにも掲載させていただきます。

めっちゃ長いです笑

仕事とは

当社の考える「仕事」とは、目指す姿を現実にすることです。
実現すべき未来を現実に変えていくことが「仕事」であり、実際にそれが可能であることが仕事の醍醐味だと考えます。

現在の当社の「現実にすべき目指す姿」は、沖縄県内で最も良い会社をつくること。
分解すると
・最も良いサービスを提供すること
・最も良い待遇を準備すること
・最も強い収益を出すこと。

・サービスはユーザーのため
・待遇はスタッフのため
・収益力は会社の通信簿
これらすべてがNo.1になれば、この事業は成功だった、と振り返ることができると思います。

個人単位でも、受注件数や顧客満足度、制作の数や質などの目標達成が現実にすべき短期的な未来です。
作業、業務はあくまで過程や要素であり、それに対して報酬が支払われるわけではありません。
あくまで、何かが実現したり成し遂げられることが仕事であり、仕事に対して報酬は支払われます。
なので、すべての作業や業務には、数値的目標、期限、そして目的が設定される必要があります

最も良いサービスとは

お客様にとって、他社と比較して、
・圧倒的に利用しやすい価格体系であること
・圧倒的に手間がかからないこと(楽であること)
・圧倒的にリスクが低いこと

補足
・負担感に対し品質が良いこと
・面倒と感じさせないこと
・契約面・サービス面でお客様に優しいこと、リスクをできるかぎり当社側で負担すること

最も良い待遇とは

順番をいえば、誇り>時間>カネの順だが、最終的にはすべて必要です。
当社もその順番で積み上げてきました。

県内で最も良いサービスを提供しているという誇り
家族や友だち、恋人に尽くすことができ、仕事以外にやりたいことをやれる時間的な余裕
同じく、家族や友だち、恋人に尽くすことができ、仕事以外にやりたいことをやれる経済的な余裕

誇りがどうでもいいなら犯罪が手っ取り早いし、時間がどうでも良いならブラック企業で良い。
これら3つを同時に成立させるのは、どれか2つもしくは1つを取ることに比べると、難易度が飛躍的に上がります。
口で言うほど簡単でないことは痛感しています。
そして、難易度が高いからこそ希少価値があり、目指す意義があると考えています。

最も強い収益力とは

沖縄県内の独立系のウェブ企業で大きな営業利益がでている会社はないという事実がわかりやすいが、それだけではありません。

利益を分解すると、
・ストックなのかフローなのか
・小口分散なのか大口(または公共)依存なのか
・キャリア・メーカーなのか販売代理店なのか
・入金サイトは、回収率は、再現性は、継続性は、拡張性は・・・
など、同じ利益でもその価値は大きく違います。
お客さんに嫌われながら稼ぐのか、評価されながら稼ぐのかもとても大事です。

当社の財務体質は、継続収益・小口分散・現金商売で、バリューチェーンの上流から下流までほぼすべてを自社でカバーしており、同じ利益額でも継続性・再現性・保全性に優れていると言え、今後もそのような事業を手掛けていくべきだと考えています。

琉球オフィスサービスとは

当社は突き詰めれば、セールス(営業)とファイナンス(金融)の会社です。
ウェブ制作の会社とは思っていません。

営業のDNAを大事にし、磨く。
規模に価値を置かない。
大切なのは一人あたりの粗利。
大手や公共に依存しない。
時間軸を5年~10年単位で捉える。

仮に既存事業の寿命が来ても、そこにマーケットがあり、営業のDNAがあり、挑戦のマインドがあれば(さらにいうと金融のリテラシーがあれば)、利益は創出できると考えています。

目標に対する考え方

目標をどう設定するかは非常に大切で、組織・人の成長速度は目標によって大きく増減します。

人は高い目標を達成する過程でのみ、十分な速度で成長します。
目標のない業務をこなして得られるのは慣れです。成長とは似ているけど違います。
達成するために、知恵や工夫、挑戦が必要な目標でなければ、達成したときに成長が得られません。
会社の目標自体、現時点より成長しなければ達成しない目標なのだから、会社を構成する組織・個人の目標も当然成長が必要な目標になります。

なお、未達が続いたときに安易に目標を下げたり中途半端な設定にすると、今までダメだった方法論で同じことを繰り返すことになります。
今のままやっても絶対に届かない目標を掲げ、過去の方法論をリセットし、ゼロから達成させるためのストーリーを考え抜く方が、確率が高いケースもあります。

低い目標・安易な目標は、時間を捨てるに等しいといえます。
特に責任者は、達成の先の成長を見据え、考え得る最高点の目標設定を心掛けなければいけません。

働くということ

当社は、新人でも役員でもアルバイトでも、所属する全員が報酬の発生しているプロだと考えます。
本来、当社に限らずすべての会社はそうであるはずです。
求められる責任範囲や業務レベルの差はあれど、スタッフは全員、負った責任を果たすために契約を交わし、取引をしているパートナーで、誰よりも利害関係の強いステークホルダーだというのが、望む望まないに関わらず、現実です。
負った責任とそれに対する対価の大小はあれ、責任を果たすために契約をし、取引をしているという点では、役員でも一般社員でも同列のプロです。
所属しているから給料が出ている・・・という認識は実質的にも間違っていますので、自分は「腕」と「成果」で食っているプロである、というプライドを持って欲しいと考えています。

業務に対する考え方

限定された業務時間での最大成果、という考え方が求められます。
(県内で最も良い待遇、の確立には短時間集中型が欠かせません)
80%の力を発揮する10時間と100%の力を発揮する8時間は、等しくありません。
休みは最大限に、勤務時間は必要最小限にする中で、限られた勤務時間中の集中力・生産力は、明確に沖縄No.1を目指さなくてはいけません。

人事に対する考え方

報酬は成果主義だが、成果よりもプロセスの方が尊いことは理解しておかないといけません。
成果のみですべてを判断すると、組織から道徳心が消え、究極的には犯罪者が最も活躍する環境になります。
報酬の計算式以外はすべてプロセス優先で考えなければいけません。

役職に対する考え方

すべての役職者はリーダーかつ責任者です。(管理職ではありません。当社に管理職は不要)
リーダーシップとは、目標を掲げ、それを現実に変えること。
責任者とは、その組織の結果に責任を持ち、その組織の結果の責任を取る人物のこと。

役員の役割
登る山を決める(目標設定)
必要な人を集める(チーム構築)
ルートを決める(戦略策定)

そして山を登り始めたら、社内で起こるすべての結果に対して責任を持つ
(管轄部署に限定された責任ではありません。原則全社に対しての責任になります)

Mgrの役割
51%の業績責任(中期KPI)
49%の構造的教育責任

構造的教育とは、成長する環境を構築し提供すること

Smgrの役割
51%の業績責任(短期KPI)
49%の実務的教育責任

実務的教育とは、基本的な考え方の落とし込みとオペレーションに必要な知識や技術の伝授

一般スタッフの役割
個人の短期KPI達成への責任

昇降格に対する考え方

シンプルに、その人が昇格した方が全体の業績が良くなるのなら昇格するべきで、降格しても何も変わらないのなら別の人に交代するべきです。
役職はご褒美ではなく責任であり、結果に責任を持てるだけの能力と、客観的な評価が求められます。

一般的に考えられるほど固定的・恒常的なものである必要はありません。
数値で継続的に大きな差がつくような個人能力がある場合、定着した方が良いです。
そうでない場合は、昇降格は半年に一度くらい流動的に行われる方が良い。
既得権益化、無競争化は組織全体に悪影響が出ることが多いからです。

資質のあるものは、役職を持ち難易度の高い業務を経験することで、一般職では成し得ない大きな成長を実現します。
そして役職に定着し、さらに大きな責任と権限に挑戦していくことができます。
役職を成長トリガーの一種と考えると、その機会は広く付与されるべきです。

教育に対する考え方

教育はいうまでもなく非常に重要です。
同時に、人が人に教えるということは非常に難しく、責任が伴うものでもあります。
当社が長らく教育が必要な新卒採用をしてこなかったのも、その難易度と責任の重さを軽視していないからです。
新卒の人生に大きな影響を与えてしまうことを考えると、中途半端にしかできないならやる資格はありません。
教育をするという覚悟を決めた場合、それは責任者の責任において「沖縄で最も良い教育を提供する」という覚悟で行わなければいけません。
本来、人が人を育てるというのは不可能ではないにしても非常に困難で、教育は誰にでもできるというのはおこがましい考え方でもあります。

現実的には、育つ資質と意欲を持った人間に、成長を妨げない環境、成長を促進する環境を提供する。というのが妥当かつ持続可能な教育制度といえます。
これが構造的教育です。
つまり責任者は、成長を邪魔せず促進する環境や仕組みを考え、実践し提供し、成果を検証し、提供する環境を常にブラッシュアップする、そのことによって自律的な成長をサポートするという考え方が大事です。

もうひとつの教育が実務的教育です。
オペレーションに必要な知識や技術などを伝達するもので、これには効率性も重要です。
方法には、研修、マニュアル・テキスト化、OJTなどがあり、出来る限り再利用が効いたり自動化されたり(つまり、レバレッジが効く設計)、属人性がないように設計することが大事です。

教育の原則として
・部下には明確に結果を求めること(ゴールを設定し到達を求めること)
・部下に自分を上手に使わせること(主体的な行動と判断をせざるを得ない環境を提供)
・聞く姿勢(手を止める、体を向ける、視線を向ける)
・達成者の数、ハイパフォーマーの数、昇格者の数は組織全体にとって重要なKPIになり得る

また人には、成長を志向しない自由、成長の限度があることも認識しておかなければいけません。
それを向上心がないと批判する権利はありませんが、責任者は違います。
責任者は部下に適切なマネジメント・教育を提供するために、自らの成長を追求する明確な義務と責任があります。

議論に対する考え方

担当部署、責任範囲に関わらず、参加者全員が当事者としての意識を持って意見を述べなければいけません。
評論家にならないように自ら注意し、「自分ならどうするか、どうしたいか」という当事者意識の伴った反対意見や提案こそが最も貴重な意見であり、それを出すことが価値であると認識して議論に参加することが大事です。

ビジネス上の判断に明確な正誤はなく、ほとんどのケースが80:20だったり51:49、場合によっては50:50のメリットとデメリットをもっており、そのどちらを取るかという意志決定になります。
完璧な選択肢は、通常存在しません。
どちらかを取れば反対側がもつメリットを捨てるというトレードオフになることが多く、つまり意志決定とは常に、何を失うかを決める作業でもあります。
それを全員が理解できていないと、容易に事後に難癖をつける組織になってしまいます。

反対意見は率直に活発に、得るものの裏にある失うものを理解し、意志決定がされた後は、反対の立場だったとしても100%の姿勢でその決定に全員がコミットする。
これが守られるべき議論のルールです。

また、事前の根回しや、その場で発言できなかったことを議論後に触れ回るのは避けなければいけませんし、それを受ける側も拒絶する姿勢をもたなければいけません。
社内政治は非常に強力で、意見の正しさや能力に関わらず、それをする人としない人という差がアンフェアな結果をもたらすからです。(社外であればどんどんやりましょう)
意見はその場で言いましょう。

期間に対する考え方

目標や予算を設定するときは、その数値と同様に期間の設定も非常に大事です。

同じ1億という目標でも、
①瞬間風速的に1億を達成すればそれ以降はどうなるかわからないという達成方法も存在します
②ゼロ→1000万→2000万→3000万→4000万と積み重ねても、累積1億です
③マイナス1億→マイナス5000万→ゼロ→5000万→1億でも、1億達成といえます

これらのどれが正解なのかは、「なんのための1億なのか」に因ります。
何かに投資するために1億が必要なら①が正解になるでしょう。
1億という額をリスクを抑えて獲得するなら②です。
③は期間の累積ではゼロですが、それ以降のキャッシュフローは最大化されるでしょう。

何かを目標に掲げるとき「なぜその達成が必要なのか」もセットで考慮する必要があり、それにより適切な期間や達成ルートも変わります。

報酬に対する考え方

■ 固定給
負った責任の大きさに応じて(成果に関わらず)前払いされるもの。
一般職には一般職としての責任、リーダーにはリーダーとしての責任があります。

■ インセンティブ
損益分岐点を超えた利益部分の還元。
損益分岐しない人には支払われません。

■ 賞与
会社全体が利益を出した場合、貢献程度に応じて還元される報酬。
会社が然るべき利益を出せない場合支払われません。

成果は報酬をもってその都度清算し、人事(昇降格)と混同しないように注意しなければいけません。
また、年齢に対して払いすぎ、入社時期、男女差、国籍など、意味不明な判断基準は意識的に排除しなければいけません。

挑戦に対する考え方

新しいことを考えチャレンジすることは最も優れた仕事です。
経営レベルなら新規事業など
Mgrレベルなら業務フローや営業手法・制作方法の抜本的変革、新しい教育の仕組み
個人レベルでも営業・制作・顧客フォローや更新など、あらゆる業務に変革の余地があります。

新しいことの成功確率は、非常に低いことを覚悟しておかなければいけません。
10個何かを思いついても、数日頭を冷やして再考したら、7つはゴミだとわかります。
残った3つを実行しても、満足できる結果に結びつくのは通常ゼロです。
それが普通で、正常です。

だが、ごくまれに、成果に結びつく何かが生まれるときがあります。
そういう新しい挑戦が、その後数年にわたり、大きな成果を残し続ける最も影響力の高い変革となります。

その裏に、何十個失敗があっても、それは問題ではありません。
失敗は、そう認識した時点で元に戻せばリスクはありません。
むしろ、それに効果がないという知見を得られるだけでも十分な成果であり、それは組織内に経験として蓄積していくのです。
挑戦は確率ではなく数であり、失敗も含め、成否に関わらず成果です。

考えることについて

常に「どうすればもっと」「何をすればさらに」と考えていれば、何かは頭に浮かびます。
思考のセンスではなく、思考時間や思考量の問題であり、その思考時間や思考量こそが、ビジネスパーソンとしての成長に最も重要な資質です。
頭が良い悪いの問題ではなく、時間と量の問題であり、必ず誰にでもできるものです。

ビジネスにおける思考は、スポーツでいうランニングや筋トレ、受験でいう勉強、つまり努力そのものです。
営業や制作といった業務は努力というよりは、どちらかというと試合やテスト本番です。
それを頑張るのは当たり前で、みんな同じ。
その試合に向けてどれだけ水面下でものを考えたかが、決定的な差になります。
思考なしで業務にあたるということは、練習なしで試合にでる、勉強なしで受験にのぞむようなものです。

時間こそ最も重要な資源であり、その時間を何に投資するかが、自分を形成していきます。
優秀な人ほど自らの時間を投資して、大量の本を読み、ノートやExcelにまとめて思考を整理し、勉強会に行き交流会で意見交換をし、「明日からはアレを試してみよう」と課題を掲げて翌日を迎えるものですが、そうやって日々蓄積して1年、5年、10年を過ごすことが決定的な能力の差になっていきます。

ビジネス面に限れば、自分を育ててくれるのは思考した時間量です。
鍛えれば筋肉がつくこと、走れば心肺機能が上がるのと全く同じ。
頭脳は、思考することで、鍛えられます。
意識して、思考の時間を増やしましょう。

心構え

・フェアであれ
・お客様・スタッフ・会社がフェアな関係性の中でのみ、成果に価値が出る
・すべての個人は未来のお客様、未来のスタッフ、もしくはその関係者である
・説明できない判断・行動はしてはならない

業務

・数値化し、数値で考えよ
・期間の総和で考えよ
・すべては変えられる前提で考えよ
・足し算ではなく逆算で成せ
・ほとんどの場合、最適なタイミングは今すぐである
・LTVにフォーカスせよ。LTVの最も大きな変数はCSである
・CSとは事実以上に感情である。感情にフォーカスせよ
・お金に価値があるのではなく、その使途に価値がある
・クレームはすべてに優先して役職者が即時対応

働き方

・自分のための努力をせよ
・作業が仕事ではない。実現が仕事である
・リーダーシップとはゴールを掲げ、それを現実にすることである
・人は目標を達成する過程で最も育つ
・すべてのスタッフとはプロとしての契約を交わしている
・昇格はご褒美ではない。目標を達成させるための権限拡張である
・すべての役職は責任範囲、権限を定めた役割にすぎない
・失敗と降格は挑戦の証明であり、明確な評価対象である
・固定給は負った責任の前払い、インセンティブは個人利益の分配、賞与は全体利益の分配。意図・原資のない報酬はない

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