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サブスクリプションビジネスにおける重要指数の相関構造:超基本

サブスクリプション事業で最も重要な数字は、LTV(ライフタイムバリュー/顧客生涯価値)です。

LTV=月あたりの単価×継続月数
予測継続月数=1÷月間解約率(%)

つまり、LTV=単価×(1÷解約率)で算出できます。
そしてLTVから原価を引いたものが顧客生涯粗利になり、
そこから獲得コスト等の費用を引いたものが顧客生涯利益になります。

顧客生涯利益=単価×(1÷解約率)-原価-獲得コスト-その他の費用

また、ある時点での事業全体の売上は、保有顧客数×単価で算出できます。

保有顧客数=獲得顧客数-解約顧客数

つまり、売上=(獲得顧客数-解約顧客数)×単価となります。
※将来の顧客数と単価が予測できれば、非常に正確な将来の売上も算出でできます。

よって、サブスクリプション事業において、重要な指数は下記のようになります。

・単価
・月間解約率
・原価
・獲得コスト
・純増数(=獲得数-解約数)

ただし、この重要指数の優先順位の付け方には注意が必要で、リソースが限られる中で、単に全部を改善しようとすると中途半端な施策になりがちです。
各指数が変動したときのLTVに与えるインパクト(弾力性)を数値で把握し、弾力性の高いものに集中して取り組むことが大切です。

例えば、単価8,600円/月で月間解約率0.80%なら、そのサービスのLTVは

8,600円×(1÷0.80%)=8,600円×125ヶ月=107万5,000円

また、現在の保有顧客が1,000件、年間の新規獲得が500件、解約が0.80%とすると

1年後の保有顧客数は1,387件
その時点での月間売上は、1,387件×8,600円=1,192万円

上記の例で、

単価を5%改善すると、1,387件×9,030円=1,252万円(+60万)★
解約率を0.3%改善すると、1,428件×8,600円=1,228万円(+36万)
獲得数を5%改善すると、1,411件×8,600円=1,213万円(+21万)

3つの改善策の効果は絶対数としては大差ありませんが、その数値を達成させる難易度・労力・投資額には大きな差があることが多く、どの指数の改善が最も投資対効果が高いか(つまり楽か)を見極めてリソースを投下することが大切です。

また、上記は1年後のシミュレーションですが、3年後を試算すると、

単価を5%改善すると、2057件×9,030円=1,857万円(+665万)
解約率を0.3%改善する、2,211件×8,600円=1,901万円(+709万)★
獲得数を5%改善すると、2,122件×8,600円=1,825万円(+633万)

1年の試算では「単価改善」の60%しか効果のなかった「解約抑制」が、3年の試算になると+107%で逆転します。理由は複利です。
中長期では複利で効果が出る指数に注力するのが効果的です。


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