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あたしたちはこの広い世界を泳がなくちゃならない

町田そのこさんの『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を読んだ。

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実は、ジャケ買いしたんだよね。表紙のイラストがかわいい&タイトルにそそられて手に取った。

本て読んでても、よくわからんとこがある。腑に落ちないというか「、、ん?どうゆうこと?」てなるから全部を理解できないんだよね。。

だけど、推しの音楽や雑誌を読んでいて感じたのが、学生のころはわからなかったけど、働き出してから「あ〜これはこうゆうことを言っていたのか」てわかることがある。

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』もまさにそうで、今のわたしにはわからないところが、数年後読んだら理解できるかもしれないと思ったらおもしろい。

マーカーつけたところ↓

①「自分の取り巻く環境に息苦しさを覚えていながら、それでもその中で適応しようとしていた」

②「永遠だと思ってたけど、びっくりするくらいあっさりと、なくなっちゃたよ」

③「あえて居心地の悪い場所に置く必要なんてない」

④「教わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。ひとから叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ」

⑤「世の中って、どんどん難しくなっていってる気がする。でもそれが、世界に出るってことなんだろうな。」

⑥「自分が水槽の中で揺蕩う魚になった錯覚に陥る。ビー玉や水草の間で揺らぎながら、生まれては消える水泡を眺めている、そんな感じ」

⑦「あたしたちはこの広い世界を泳がなきゃいけない」

⑧「力を尽くして得たものだけが、新しい力をくれるんだよ。誰かから貰おうとしちゃダメだったんだ。」

⑨「やってみなきゃわかんないって。想像ばかり膨らませても仕方ないわよ」

⑩「わたしのことを好きだって言ってくれるひとがいるだけで、頑張れる」

11「誰にどんな目で見られようがへっちゃらで、いつだって真っ直ぐ立っていた。」

12「死ぬまでここにいることを決断するのが、怖いの。〜略〜この白い水槽の中で、それよりもう少し大きな、町という水槽の中で死ぬまで生活していく。それは悪いことじゃない。社会の中で生きるという当たり前のことだ。これまでだってそうしてきて、それがこれからも少し形を変えて続く。それだけのことだ。怖いことなんて何もない。でも、だけど。」

印象的だったのは⑥。世界を水槽で例えてるのが、なんかよかったんだよね。

⑥を読んでるときめちゃめちゃ良い日で、「あ〜わたしはこの水槽の中を、小説に守ってもらって泳いでるのかもしれん」と思ったらnoteに書いちゃた。
https://note.com/ros_2321/n/n147dff4ec4da

前後の⑤と⑦も含めて好きなんだけど。学生からいわゆる社会人になって、なんていうんかな、その差っていうの?

学生のときには微塵も感じなかった生きづらさ。「働くってこんな辛いんだ」てのをとっても感じてた。

それをちょうど代弁してくれていたのがよくて、だけど「こんな生きづらい世界を、泳いでいかないといけないのか」と改めて思った。

わたしは覚悟を決められなかったことを、小説の中の中学生たちは泳いで行く覚悟を決めていて「すごいな」と思ったな。

というか、新しい水槽を目指して泳いでいるんだったわ。

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