ハマり過ぎ

「くっ、まだまだ……」
 課題としているダンスのステップが、どうしても踏めない。
「こんなんじゃ駄目だ」
 昼休みの空き時間で練習をしている。
 寸暇を惜しんで頑張らなければ。

「あれ、先輩なにしてるんですか?」
 通りがかりの後輩から声を掛けられた。
「ダンスの練習だ。見れば分かるだろ」
「え、なんで? なんでダンス?」
「今度のライブのために! 俺は! この振り付けを覚える!」
 それを聞いた後輩は「はあ……」とため息をついた。

「いや、ライブってアンタ、ゲームの中の話でしょ。しかもプレイヤーのポジション、プロデューサーだし」

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