夕暮れ

 やるべきだったこと、やりたかったこと。
 やりきれないまま、今日も一日が終わる。
 オレンジから深い青にグラデーションしている空は、朝焼けと似たようなはずなのに。
 その違いを明確にするは寂しさ。
 どこか切ない気持ちになるのは、「終わり」を連想してしまうからか。
 迎えを急ぐ車。宿題をしながら、託児所で宿題をしている、子ども。
 仲の良いあの女の子は、延長保育が決まったらしい。
 夕方5時の教育テレビ。原因不明の虚しさを和ませてくれる。
 定時とは黄昏の幻想。残業戦士たちが、事務所近くのコンビニで、夜食を買っている。
 まばらに車道を照らすヘッドライト。
 知らぬ間に暗くなった下校道。
 話し相手もいないまま、自分にしかわからないフィクションを思い描いて、歩き続けた。
 部活動、少年団。
 彼らの一日は、まだこれかららしい。
 横目に見ながら、歩を進める。
 僕の一日は、どうだろうか。
 こんな言葉を連ねる今は、間違いなく今日の一部で。
 そして、とても自分らしい時間を過ごせているように感じる。
 明日はもっと、誰かに感動を与えるような言葉を。
 明日はもっと、自分が満足できるような文章を。
 そんな願望を抱きながら、今日も書き連ねている。

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