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プレナパテスは何者なのかについての考察

こんにちは。
 ブルーアーカイブ最終編「あまねく奇跡の始発点」3章「アトラ・ハシースの方舟占領戦」はもう読まれましたか? 4th PVで出たスチルがどんどん回収され、あるいは出ていなかったスチルが怒涛の奇襲を仕掛けてきていますね。
 もちろん私も、推し3人にジェットストリームアタックを仕掛けられ、頭が吹き飛びました。もし推しが3月にでも限定で実装されたらと思うと、怖すぎて辛いです。

さて、公式からの大量供給で身をやられないためにも、気になることを考察して熱量を発散する必要があります。
 今最も気になる存在といえば、やはり「色彩の嚮導者」プレナパテスでしょう。公式Twitterのヘッダーにもデカデカと写っているその姿には、並のキャラクターでは太刀打ちできないレベルのインパクトがあります。

2月24日現在のブルアカ公式Twitter


性質上、本考察にはブルーアーカイブのメインストーリーvol.1-4と最終編1章・2章、そして3章16話までのネタバレが多分に含まれています。メインストーリーを読まずにプレナパテスの考察を見にくる人はいないと思いますが、

3章16話


をまだ読んでいない人はいるかもしれません。まだ読んでいない方は、ここでのブラウザバックを強く推奨します。













先生について

ネタバレクッションも兼ねて、先にプレナパテスと強い関わりがあるであろう先生について、確認しておくことがあります。
それは先生の回想についてです。

プロローグ1-1および最終編3章11話において、先生は記憶の回想という形で、連邦生徒会長からの言葉を聞いています。
 プロローグ1-1と3章11話には、銃創があるシッテムの箱とシロコ*テラーのスチル(プロローグのみ)など、いくつかの差異が存在していますが、どちらも「この捻れて歪んだ先の終着点」など重要な箇所は一致していることから、同一の場面を回想していると見て間違いないでしょう。

この回想について、多くの人はたぶん連邦生徒会長がいた前の世界線の話だろうと感じていたと思います。最終編に入ってからは、その回想で知っていたことがどんどん現実になっていきます。私もこれで、この回想は前世界線の話で間違いないなとは思っていましたが、それが思わぬところで裏付けられました。

3章11話あらすじ


まって、そんなことストーリーに書いてなかった!


先生に予知能力はありませんから、訪れていたかもしれない未来の夢を見るということは、その未来を過去に体験した記憶があることに等しいです。
 つまり先生はかつて、連邦生徒会長がいた世界線で「捻れて歪んだ先の終着点」を経験し、シッテムの箱を銃で撃たれ、シロコ*テラーに撃ち殺されたことになります。

連邦生徒会長がいた世界の先生(前世界の先生と呼称)が、どうやって生き返って現在のシャーレの先生(今の先生と呼称)になったのでしょうか。何が起こったのかまったく分かりませんが、とにかく、そういう事象があったことは思い出しておいてください。

また、回想に関する補足として、連邦生徒会長の話を聞いているときの先生の状況についての考えに触れておきましょう。
 結論から言って、あの時点で前の世界の先生は死んでいたと思います。もしシッテムの箱が壊されていないなら、先生は血まみれの連邦生徒会長を前に何もしようとしないはずはありません。逆に既にシッテムの箱が壊されているなら、先生はシッテムの箱を壊した人物に殺されているでしょう。

大量出血中の生徒相手に何もしない
=何もできない状況?


ならどうやって話を聞いていたかですが、個人的には、あの時の先生は魂だけの状態になって話を聞いていたと解釈するのが、最も自然だと考えています。マエストロが黒服に応急修理されていたことや、デカルコマニーが不死身であることを踏まえると、ブルアカ世界の魂は肉体よりも破壊しにくいもののようです。魂だけの状態でも、なんらかの方法で生存(?)することはできるのかもしれません。

(あの状況で先生が元気なのはおかしいですが、魂だけで存在するのもおかしい。ただ、どちらかといえば魂だけで存在する方がまだありえるので、魂だけで存在してた説を採用しています。何かいい考察をお待ちしています)





本題:プレナパテスについて

さて、ずいぶん長い前振りでしたが、ついに本題に入ります。色彩の嚮導者、プレナパテスは何者なのでしょうか?

プレナパテスとA.R.O.N.A

プレナパテスという名前は、おそらく古代ギリシア語から来ています。具体的には、
φρήν (プレーン、心や精神、感情の意味)
ἀπάτη (アパテー、欺瞞や錯覚、詐称の意味)
ης (エス、男性名詞化)
を結合したφρήνἀπάτης (phrenapates/プレナパテス)だと思われます。
意味は「心を欺くもの」あたりでしょうか。

初め、私はこの名前が生徒を変質させる色彩の力を表しているものだと考えていました。ただ、よく考えると、プレナパテスは色彩そのものではなく「色彩の嚮導者」です。

嚮導とは

嚮 導(きょうどう)
先に立って案内すること。また、そのような人。

Wiktionary日本語版より

だそうですから、つまり、「色彩の嚮導者」とは色彩を案内する人のことになります。
 いわば色彩専属のガイドさんであり、そんなプレナパテスの名前の意味が、色彩の力の本質を表す名前、というのは少々不自然です。

となると、「心を欺くもの」とは、色彩の影響を受けて悪い大人になった先生の本質を表しているのでしょうか?
 私はこれも違うと感じました。プレナパテスはシロコを誘拐したりシッテムの箱を起動したりしましたが、別に誰かを騙したりはしていません。誘拐されたシロコでさえ、アトラ・ハシースの方舟に監禁されただけで、欺くどころか会話すらしていませんでした。

そうなるとプレナパテスという名前の意味は何なのでしょう。わざわざ古代ギリシア語を使っている以上、何かクリティカルな寓意があると思いますが、いまいちピンと来ません。


よく分からなくなってきたので、3章16話でプレナパテスが銃創が残るシッテムの箱を取り出して、A.R.O.N.A.を呼び出したシーンを見返してみました。

強そう


(地味に詠唱の内容が反転してる)


絶対に強い


やはりどう見ても、悪堕ちした世界線の先生がやって来て世界を滅亡させようとしているように見えます。

しかし、ここで唐突に登場人物を増やし、「並行世界の先生」が出てくるとは考えられません。というのも、同じく唐突な登場のアロナ*テラー(仮)でさえ、ブルアカ3rd PVにて登場が示唆されていたからです。

3rd PV冒頭
1年越しの伏線回収

ブルアカはいつも、ちゃんと必要なだけ伏線を張り、そしてその伏線を必ず回収してきました。アリウス分校を牛耳るベアトリーチェも、ビッグシスター・調月リオも、ちゃんとじわじわ示唆されてから、満を持して登場しています。
 それなのに、最終編に限ってなんの示唆も無く並行世界の先生が出てくるというのはあまりにもナンセンスです。私の個人的な感情ですが、そうであってほしくありません。 

では、今までのブルアカを信じて、プレナパテスの正体はすでに登場または示唆されている人物だと考えた場合、それは一体なんなのか。
 今の先生はもちろん、前世界の先生も死んで今の先生になったはずですから、プレナパテスにはなれません。ところが、先生でなければシッテムの箱を使うことができません。

先生と同一存在でありながら、前世界の先生でも今の先生でもなく、既に物語中で登場しているもの。
それは……。





仮説

プレナパテスはシロコ*テラーに操られた
前世界の先生の死体である。

そう、前世界の先生の死体です。先生の死体であれば、先生と同一存在であることと先生ではないことを、同時に満たすことができます。
 上記で示した通り、私は前世界の先生は死んだと考えています。先生が死んだ後、魂だけで連邦生徒会長の話を聞いたとしましたが、それなら死体は別に残るはずです。

余すところなく使われる先生


シロコ*テラーは、死の神にしてミイラ造りの神であるアヌビスの力を持っています。先生の死体を回収し、ミイラ作りの権能を使って操り人形にするというのは、十分自然な流れではないでしょうか?
 もちろん、シロコ*テラーがどんな能力を持っているかは、未だ不明な点が多いです。それでもアヌビスには、殺害されたオシリスの死体を集めてミイラにし、復活させた逸話があります。先生を逸話のオシリスに見立て、魂のない人形として復活させられる可能性は大いにあると思います。


さらに、プレナパテスのセリフに“ ”(引用符)が付いていたことも重要になります。ブルーアーカイブにおいて引用符が出てくるタイミングは、我々プレイヤーに提示される選択肢だけです。

最終編1章10話より、先生のパスワード
プレナパテスのパスワード(再掲)

シッテムの箱起動時に「現在の接続者情報は」と表示される以上、シッテムの箱を起動できる人物は先生以外にも存在する可能性があります。しかし、セリフに引用符が付く人物は先生以外に存在しません。

プロローグの起動画面

よって、この引用符はプレナパテスが先生であることを強く示唆していると解釈できます。

今の先生はプレナパテスと対峙していますし、前世界の先生は今の先生になりましたから、プレナパテスが先生であるなら、前世界の先生でも今の先生でもない先生が存在するはずです。
 しかし、前述の通り、この考察では唐突に並行世界の先生が出てくることは無いと考えています。その上でプレナパテスが先生である理由を説明するためには、やはり「先生でありながら、前世界の先生でも今の先生でもなく、既に物語中で登場しているもの」が必要になるのです。
 そして、そんなややこしい存在は前世界の先生の死体しかありません。

少々間接的ではありますが、セリフについた引用符からも、プレナパテスが前世界の先生の死体である必要性が読み取れました。


また、ヒントはイラストにもあります。

プレナパテスの右手

プレナパテスの絵をよく見ると、手に布が巻かれていることに気づくと思います。これは明らかにエジプトのミイラがモチーフでしょう。
 ご存じエジプトのミイラは、遺体から内臓を取り出し、乾燥させた上、さらに樹脂で浸したリネンの布でぐるぐる巻きにすることで作られます。布で巻くのは死体の破損を食い止めるためで、これによりミイラはより頑丈で固いものになります。

 プレナパテスの手がずっと同じような形でひょろひょろと伸ばされているのは、樹脂と布で固められて動かせないことの証左なのです。


さらに、プレナパテスは顔に金属製らしき仮面をつけています。

プレナパテスの立ち絵

ミイラに限らず、葬祭で遺体の顔に仮面をつける文化は世界各国にあります。例えば、ツタンカーメンの黄金のマスクや、アガメムノンのマスクなどがそうです。

アガメムノンのマスク

これらの仮面は故人の理想の顔をモチーフにすることが多く、うっすらと微笑んでいる(ように見える)プレナパテスもそのモチーフを満たしています。
 このマスクをつけたのであろうシロコ*テラーにその意識があったかは分かりませんが、キャラクターデザインとして死人を強く意識していることは、間違いありません。


心を欺くもの」という名前の理由も、これで分かりました。
 プレナパテスは先生の死体で心なんて無いのに、シロコ*テラーの欺きによって、あるように見せかけられているのです。
 あるいは、シッテムの箱がシロコ*テラーに騙されて、先生の死体の命令を聞いていることを表しているのかもしれません。

どちらにせよ、プレナパテスの名前における欺瞞(アパテー)とは、シロコ*テラーの嘘のことだと考えられます。

プレナパテスの正体は、私たちの心を欺くためにシロコ*テラーが作り出した、先生のようなものだったのです。

結論

プレナパテスは前世界の先生の死体である。
死体をシロコ*テラーがアヌビスの力でミイラ化し、
生きているかのように動かしている。

あとがき

ご覧いただきありがとうございました。もしこの記事を読んで、ブルアカへの認識をより深いものにできたなら幸いです。
 1番大事な、どうやってシロコ*テラーが先生の死体を動かしているのかという点が、アヌビスの力としか説明できないのがとても残念です。それでも、プレナパテスの正体としては、最も妥当なものに至れたと自負しているので、よければ頭の片隅にでも置いておいてください。

急転直下の最終編、最後まで楽しんでいきましょう。

2023年2月24日 5時ごろ
電気毛布に包まりながら


追記

コメントでのご指摘で、仮説の根拠の一つとして書いていたシロコ*テラーの引用の件が間違いであったことが判明しました。先生の選択肢に引用符がついていることを忘れるなんて、とんでもない大恥です。やってしまいました。
 現在はより正しいと思われるものに置き換えましたが、そちらの考察にも趣きがあり、正解である可能性も無いわけではありません。せっかくなので、自分への戒めを込めて、ここに残しておこうと思います。どうでもいい方は、スルーして参考文献だけ確認してください。



さらに、プレナパテスが唱えたシッテムの箱のパスワードに“ ”(引用符)が付いていたことも非常に重要です。
 ただ芝居がかった言い方を強調したいだけなら「  」を使えばいいですから、引用符がついたこのパスワードのセリフは何かからの引用だと考えるべきです。


シッテムの箱のシステム接続パスワードは詩的で、確かに何かの引用でもおかしくないかもしれません。しかし、今の先生がプロローグでパスワードの詩を知ったときも、初めてシッテムの箱にログインした時も、引用符はついていませんでした。つまり、パスワードの内容が理由で引用になったわけではありません。引用符が付いた原因は他の何かにあるはずです。
 
通常、内容に理由がないかぎり、言葉は引用になりません。しかし、もしプレナパテスがシロコ*テラーに操られる先生のミイラであるなら、どうでしょうか?
 シロコ*テラーからすると、シッテムの箱のパスワードを唱えるなら先生の言葉を引用するしかありません。すると、シロコ*テラーに操られているプレナパテスも先生の言葉を引用して発言することになります。プレナパテスの言葉は、内容に理由がないにも関わらず、発言が引用になってしまいました。このことから、プレナパテスはシロコ*テラーに操られていることがわかります。

それにも関わらず、プレナパテスは先生としてシッテムの箱に認証されました。前世界の先生は死んでいて、今の先生はプレナパテスと対峙していますから、やはりその正体は1つしかありえません。
 プレナパテスはシロコ*テラーに操られた、前世界の先生の死体であり、セリフについた引用符はその証拠なのです。 



追記終わり


参考文献

およびWiktionaryの記事いくつか

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