IAEA(国際原子力機関)は中立なのか

前記事の続きです。

 今回の福島第一原発からの処理汚染水海洋放出を巡ってはIAEAが「お墨付き」を出した上での放出となると7月8日の東京新聞「こちら特報部」が報じています。

 この記事の中において、原子力規制委員会や東電記者会見などに参加されてインパクトの強い質問を続けておられるジャーナリストの政野淳子(まさのあつこ)さんが応じておられ、『「トリチウムの処分法として海洋放出は安く上がる。IAEAはそれを認めた形」と指摘する。原子炉建屋に地下水などが入り込む状況に触れた上で「いまのままでは、汚染水は増え続ける。IAEAが第三者の中立機関として科学的に評価するなら、汚染水の恒久的な止水策を提言しているはずだ」と語気を強める。』と、記事が書かれ、さらに、『「お墨付きとして捉えるべきではない」』と念を押されてもいる。
 これは、中立の立場をとるべきIAEA止水対策も論ぜず政府や東電の意のままの海洋放出を決めたということだ。
 
 さて、ここで拠出金次第で事の重大性を左右させる疑いもあるIAEAとは一体どのような組織であるかということも考えなければならない。
 IAEAというのは国際連合の保護下にある自治組織で、何故か東京にも地域事務所が置かれている。そして、この組織の目的は原子力と放射線医学を含む平和利用の目的で軍事利用(核開発)の防止を謳っている。
 そして、IAEAの成り立ちというのは1952年に米国がエニウェトク環礁(中部太平洋)でおこなった核実験で核による放射能被害も当然あった後の1953年12月8日のアイゼンハワー大統領の国際連合での演説「平和のための核」と題した演説で『「アメリカ合衆国が追求するのは、単なる、軍事目的での核の削減や廃絶にとどまらない。この兵器を兵士の手から取り上げるだけでは十分でない。軍事の覆いをはぎとり、平和の技術に適合させるための方法を知る人々の手に渡されなければならない。」と主張した。この中で同盟・友好国に対する100キログラムの濃縮ウラン供与と、機関創設を提唱。』しかし、本来の目的は『ソビエト連邦やイギリスに先行された「核体制」の奪還』であり、その後も核実験が行われ福竜丸事件も起きている。
このような機関が中立と考えられるのでしょうか。機関というのはIAEAのことです。
 ですから、今回の福島第一からの処理汚染水放出は核汚染水とされても批判はできないと私は思います。ご意見があればコメントでもどうぞ。

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