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夢日記録♯023 吸血鬼は湖を渡れない

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d.
主人公:なし。様々な人の動きをカメラが追いかけるかんじ。

・シーン1
湖の中に古城が立っている。西洋風の、直線の多い縦長のデザイン。城といっても装飾は控えめで、教会といったほうがイメージが近いかもしれない。大きな両開きの扉のすぐ内側が講堂であり食堂だ。細長いテーブルに白いクロスがかかっている。
その食堂部分では食事が始まるところで、10代の少年たちと20代前半くらいが何人か、スープ皿を前に広間の席についていた。

・シーン2
湖の外を走る列車に少女が乗っている。紺色のブラウスだかワンピースだか、襟と長袖のある服装。ボックス席だか個室だか4人席の窓際で、ほかの人影はない。
少女は"何か"、異形のものと対話(発語ともわからない意思疎通)をして、"何か"を匿う決心をする。車両の連結部へと身を翻す。
そこに、"何か"を追っている青年が席へとたどり着く。砂色の長髪を後ろに結わえて、暗い色の外套をまとっている。青年は"何か"のことも少女の素性も把握しているようだ。
「"それ"を引き渡して頂こう」
「いいえ、守ると決めたの」
「しかし、どの道そのまま帰るわけにもいくまい」
列車がカーブに差し掛かり、速度を落とす。
少女が手すりを乗り越え飛び降りる。画像1

それは単なる無謀ではなく、能力に裏打ちされた行動だった。(それが少女自身の能力なのか、"何か"によるものなのかは伺えない)
青年もすぐさま後を追った。
窓の外には湖。
少女は城に向かって湖を渡ろうと試みるが、水はさやかに流れを生み出している。膝まで浸かるとがくんと関節の自由を失った。どうやら"何か"は吸血鬼に類するもののようで、流れる水を渡ることができないようだ。少女の独力では渡れないどころか、力が奪われてしまう。仰向けにたゆたうスカート。視界の外から青年が近づいてくる。
恐怖。

・シーン3
城内と少女のシーンをカメラが行き来する。"何か"を宿した少女の恐怖に共鳴するように、城内で少年たちが怯えたような挙動を起こす。スープを飲もうとしていた男たちは怪訝な顔をする。男たちもまた、この城の出身なのだ。成長と共に"何か"の庇護を離れつつあっても、やがて共鳴の影響を感じとっていく。
少女に青年の手が伸び、右耳に指がかすめると、ごろり、と白い珠が青年の手のひらにこぼれ落ちた。"何か"が少女から分離されてしまったのだ。途端に少女は体の自由を取り戻し、珠を奪おうと起き上がる。水にもつれる足。青年が珠をつまみあげると、"何か"の恐怖値はピークに達し、城内では少年たちが金切り声をあげた。窓から飛び退る少年たちの姿に、窓の外を見やる青年たち。
湖の端、遠く線路が掠めた水面に、青年と少女の姿があった。

というあたりで目が覚めた。

*
・城は"何か"の帰る場所であり、少女にとっては最後の砦である
・"何か"を宿した少女、眷属である城の少年は乗り物でなければ流水を渡れない
・"何か"の影響は少女→少年→青年の順に伝播する

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