見出し画像

ぼくはまだ、なにになるのかしらない

ぼくは

なにになるのか

しらない

そこいらの

くうきという

あるんだかないんだか

わからない

ふわふわとした

なにかをまとって

うとうとしているのも

きもちがよかった


あるひぼくは

まわりつづける

えんばんを

みつめていた


おおきな

おおきな

まあるいそらのした

もぐもぐと

いつまででも

たべつづけられそうな

ひつじたち


くさのにおい

おひさまのにおい

ぼくには

そんなきおくが

あるらしかった

いまかんじる

ぬくもりは

ひつじのからだではなく


だれかのやさしい

ゆびさきのようだった

ぼくは

しずかに

まわりつづける

えんばんを

みつめながら

ふーっと

いきをはく


まるいえんばんと

ゆびのあいだで

しゅるしゅると

どこまででも

のびていけそうなきがした


ぼくは

てんとちの

とおりみちになった


ぼくを

とおりぬけていくくうきが

きもちがよかった


ぼくは

だんだん

ねむたくなってきた

ぼくは

また

ひつじたちを

おもいだしている


ぼくは

まだ

なにになるのか

しらない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?