初めての裁判傍聴

20240619
初めての裁判傍聴の記録です。

駅から2分くらい歩いたところにある地方裁判所。建物の入口を入ると空港の保安検査のように荷物と金属類を出してX線にかけ、私の体も金属探知機ゲートをくぐる。エレベータの横に本日の裁判の内容と日程が張ってあり、希望の部屋を確認して各階に移動する。エレベータは片開きで駆動が速かった。1フロアに6部屋ほど法廷がある。中に入ると既に満席に近く2、3席しか空いていなかった。椅子は長時間座っても疲れにくそうな座面、見やすい角度に固定されていた。室内の天井は高く面照明が均等に並んでいた。快適な光、明るさで感動する。携帯の電波があるとノイズが入る様子。入廷の際の起立挨拶をする。

今回は殺人未遂事件、本日で3日目の様子、検察官の質問から始まる。
事件当時の心理状態について事細かく聞かれており、それに丁寧に回答されていた。自分の心理状態を言語化しているのがすごかった。ナイフの購入、開封、持ち方、刺す場所、視野、心臓や血管の位置の認識、動作の回数、選択しなかった行動、心情の変化、などなど冷たい声色で聞かれていた。また、徐々に被告人の生い立ちや当時服用されていた薬量、自傷、刺したのは初めてではない事などが明かされる。その後、弁護人からの質問に変わる。弁護人は甘いイケおじの風貌で落ち着いた声のトーンと仕草、とにかく色っぽい声だった。内容についてはあまり覚えていない。この人の横顔を見ているだけで十分に来た甲斐があったと実感する。

1時間半程過ぎており、裁判長の方が被告人の集中力を心配して休廷となった。満足したため退室して建物も出た。日差しが眩しい。

ナイフで刺されるという状況についてどのような形が良かったのか考える。昔見た映画かアニメか小説である男が少年のような人間にナイフを向けられ、お腹に刺される瞬間にその腕を止め、ナイフを持っている少年の腕を抑えたまま自分の腹にゆっくり刺し込んでいく、「これが人を刺す感触だ」のようなことを発言して、少年がびびって崩れるか逃げるかする、この形。
マドンソクの悪人伝かと思って見返したが違った。何の作品だったか思い出せそうで思い出せないもやもや。
とにかく自分の心情について言語化することについてすごく凄みを感じ実感した。

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