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ろぱ式8分ウォーミングアップ

血糖値を間接的に測定できるリブレと、毛細血管の酸素量を測定できるSmO2を利用して、ウォーミングアップを限界まで短くしたので紹介します。
2022年から1年以上行い、データだけでなく、フィーリングやレース結果に合わせて、微調整しています。

【前提】直前に行う。

糖を多く消費する運動強度の直前にやります。
例:Zwift等のバーチャルレースやミートアップ、ヒルクライム、TTT、ベーストレーニング等

時間が空きすぎる場合、効果が薄くなります。

短時間で行うため、短時間で元に戻ります。
人間は恒常性のある生き物なので、長い時間を過ごした環境に最適化するため。

ローラーは、固定負荷がやりやすいです。
コース連動でもシフト操作ができれば問題ないです。
ワット固定/ERGは使いません。

実走は、速度の出ない登り坂がオススメです。
安全第一で行いましょう。

どのスポーツにも有効かもしれませんが、
このウォーミングアップは自転車向けです。

【本題】ウォーミングアップ

日によりバラツキがでる設計ですが、
8〜12分でウォーミングアップが完了します。

  1. L1(3〜5分)

  2. 30秒ランプアップ(3〜4分)

  3. L1〜L2(1〜2分)

  4. 30秒最大パワー(1分)

それぞれ、実施する狙いと内容を説明します。

1. L1(3〜5分)

狙いは、「肺の換気量を増やす」こと。
安静時と運動時を比較すると、肺の換気量が「約5倍」も異なります。

身体が多くの酸素を必要としても、安静時の換気量のままだと、酸素不足で息苦しくなります。

しかし、身体を動かし続けると、脳が予測制御的な調節として、肺の換気量を増やします。
他にも、心拍数の上昇、筋の血流増加なども誘発するため、心拍計でも確認できます。(換気量≠心拍数)

鼻で呼吸しよう。

とりあえず、3分間を回します
時間に余裕があれば、5分間ほど回すと確実です。

落ち着いて鼻呼吸できていたら、次に進みましょう。
次のステップでも換気量は少し増えますが、このステップでほぼ上限近くになっています。
(余談ですが、ウォーキングが良いとされる理由の1つ)

もしも、ここで息苦しさを感じる場合、今日は休みましょ。

通勤等で歩いた直後の場合、スキップしてもオッケーです。

2. 30秒ランプアップ

狙いは、「肝臓の糖新生を活性化する」こと。
糖新生が活性化すると、アミノ酸や乳酸などをエネルギーとして使えるようになります。

「これ以上は限界だ…」と感じると、「低血糖」になり始めているため、血糖を上げようと糖新生が活性化します。

血糖値を下げるには、無酸素性代謝(ATP-PCr系と解糖系)を刺激するのが手っ取り早いです。
ウォーミングアップ前の身体だと、すぐに無酸素域となりますが、そこからどんどん上がっていき、本来の閾値付近まで上がるため、このステップでは追いかけ続けます。

糖新生は、肝臓くんのお仕事。
お酒は飲みませんよ!

まず、ATP-PCr系が10〜30秒弱ほど使われますが、
糖利用するためにも解糖系を使いたいので、
30秒でランプアップを行っていきます。

  • L2 30秒

  • L3 30秒

  • L4 30秒

  • L5 30秒

  • L6下限 30秒

  • L6上限 30秒

  • L7下限 30秒

  • L7 30秒

パワー目安です。ブレても問題ないです。
お好みでダンシングも取れ入れましょう。

パワーメーターが無いor見ない方は、
ギアを1つずつ上げていく形でもオッケーです。

「きついかも、、」だとしたら続けてみて下さい。
これ以上むりだ、、、」となったら、終了です。

注意点として、数秒しか耐えられないレベルのオールアウトはしないようにしておきましょう。
30秒で限界になるかどうか、です。

最後のL7まで実施する必要は無いため、
思っていたよりも早く限界を迎えても大丈夫です。
ポイントは、「今の限界値を刺激する」ことです。

Ramp testではないので、FTPやらに縛られないで下さい。関係ありません。

日によって差が大きいため、ワークアウトやERGは、オススメしません。
・ウォーミングアップ不足リスク
・オールアウトしてしまうリスク
・シフト操作のウォームアップができないリスク
があるため、その後に本来のパワーが発揮できません。

今、限界を感じるフィーリングが大事です!!

ウォーミングアップは、トレーニングでなく、準備体操なので、パワー値は目安なので見なくても問題ないです。

3. L1〜L2(1〜2分)

狙いは、「糖代謝システムを整える」こと。

前のステップで糖新生は活性化しましたが、
まだ供給と利用がうまく循環していないため、
ここで整えます。

糖代謝の循環イメージ
太陽が筋肉、雨がアミノ酸/乳酸、海が肝臓

L1〜L2あたりでクルクル回して、
ランプアップの疲労を抜いていきます。

前のステップで血糖値が下がっていますが、クルクル回すことで糖新生が追いつき、血糖値が上がっていきます。

ここで、お水やVAAM等を補給しておきましょう。
前のステップでかなり消費しているため。

このステップを長くやりすぎて心拍が下がりすぎないように注意しましょう。
心拍が下がりすぎると、クールダウンになってしまい、糖新生がオフになります。

1分、長くても2分です。

さて、最後の締めにいきましょう。

4. 30秒最大パワー(1分)

狙いは、「糖代謝システムを試運転する」こと。
筋肉はアミノ酸や乳酸を出し、肝臓は糖新生でグルコースを作り、筋肉にグルコースを届ける。そして、筋肉は乳酸を…(繰り返し)

1分 有酸素運動の上限パワー🔥

ランプアップで限界を感じた「30秒最大パワー」
有酸素運動能力の上限パワーで、「1分」を回そう。

FTP計測しているなら、L6ゾーンになりやすいかな。
Zwiftをやりこんでいる人なら、zMAPあたりも近いですね。

ランプアップでは30秒さえキツかったのに、だいぶラクになっていると思います。

キツイのには変わりないけどw
※仕組みはクールダウン記事を参照。

ランプアップ時より「ラクになったな」と感じたら、
ウォーミングアップは、大成功!!

では、本番を、全力で頑張りましょう!!

【具体例1】Zwiftパワーグラフ

2023/10/2のウォーミングアップ

この日のランプアップは、L6上限が限界でした。
1分走は、L6上限を狙って回しました。

レース開始の15分前から始め、9分で終わりました。
レースも今の全力を出し切ることができました。

【具体例2】2023 フジヒル

2023/6/4 富士ヒルのウォーミングアップ

富士ヒルでは、スタートまで1時間と時間が空くため、少し長めにランプアップした。
また、スタートまでは緊張感を維持しつつ、スクワットして心身ともに落ち着かせないように心がけた。

完全にリラックスしてしまうと、ウォーミングアップはリセットされるため、気をつけたい点ですね。

レースでは、ウォーミングアップ不足を感じることなく、今の実力全てを出しきれました。

【具体例3】ベーストレーニング

ろぱ式アップしてから、トレーニング

糖代謝システムが回った状態からのベーストレーニングとなるため、最初から狙った効果が得られる。
心拍数も最初から狙った値にできる。

【疑問】スロースターターなので長い時間やっているけど、短くできるの?

できます。

ろぱもスロースターターになりました。
昔はノーアップでもイケたんですけどねぇ。。

練習を重ねると、スロースターター化していく印象があります。
1時間くらいやって、やっと調子でてくる感じ。

トレーニングに脳や身体が慣れて、適応力が上がりすぎているんだと想像します。
そのため、しっかりと刺激を入れないと、なかなかスイッチが入りにくくなります。
ウォーミングアップで疲れちゃいますよね。。

本題の方法で一番キツイのは、30秒ランプアップなのですが、ほんの数分しかないので、ツライ時間は一瞬で終わります。頑張りましょう。

短すぎて気になる人は、ランプアップの上げ幅を抑えて、時間を伸ばすのも効果あります。

ろぱも富士ヒルでは、上げ幅を半分にして、2倍の時間にしています。

【結論】8分でウォーミングアップ可。

ポイントは、30秒ランプアップで「限界だ、もう無理だ、、」と感じること。
そして、その限界値で1分だけ回すだけ。

ウォーミングアップはサクッと終わらせて、
やりたいことにすぐ取り掛かっちゃいましょ!!

1分の代わりに、開幕アタックをしかける方法もあります。
ただし、これはTPOをわきまえて行いましょう。

【おまけ】ウォームアップ前の補給

糖質とアミノ酸を消費するため、ウォーミングアップの前後に、しっかり摂っておきましょう。

ウォーミングアップ前後なら過剰なインスリン分泌もされないため、ラムネやブドウ糖の単糖類がオススメです。

必要なアミノ酸 全部盛りの商品もオススメです。
クソ不味いけどw

時間がなくても自転車トレーニングできるよう、ウォーミングアップは、サクッと終わらせちゃいましょう。

【おまけ】みなさんのウォーミングアップ方法

ウォーミングアップは色々な方法があります。
コーヤマさんがみなさんの方法を紹介していたため、気になる方は読んでみると面白いと思います。

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