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Krm Fest vol.1 〜ツユリ。〜

照明が落とされ、緊張感が漂う会場。
たくさんの照明をバックに登場したのは、記念すべきKrm fest vol.1トップバッターシルエット姿で雰囲気漂う、ツユリ。である。

YouTube やTikTok などSNS中心に活動しており顔出しをしていない、シンガーソングライター。
ツユリ。として人前にでるのは初めてだという。
そんなことを感じさせないほど堂々としており、一瞬にしてツユリ。の繊細で美しい音楽で会場の雰囲気をやさしくほぐした。


「ツユリ。といいます、よろしくお願いします」のあいさつから、やさしいギターの音色。息を呑むような歌声で会場を一気にツユリ。の世界に変えていった。大切な人を思う気持ちをとても温かく切ない声で歌っていく。

マイクが下がってしまうおちゃめなアクシデントも、「こういうところよね。じゃあ、サビから。」と動じることなく、グッとツユリ。の世界に引き戻す。
そんなお茶目な一面と美しさのギャップにさらに心を掴まれてしまう。

2曲目は、自分の思っていることと現実とのギャップをうたったオリジナルソング。
ちょうど金曜日の夜にぴったりな曲である。
誰しもが一度は感じたことがあるであろう、理想と現実の差にため息をつきたくなるそんな時にそっと包み込んでくれる、ツユリ。のあたたかくやさしい強さがつまっている。
心にスッと入ってきて、ちょっとだけ頑張ってみるかと背中を押されるような曲である。


シルエットということもあり、クールな印象を持ったが、MCになるとクールさの中に愛らしさがあり親近感をもてる。
アコースティックのLIVEだと思っていたが、バンド編成の人もいるしどういうこと⁉︎と思ったと笑いを誘う。
静かめな曲ばかりをチョイスしてきたため、「イスがあれば寝れたのにね」と場を和ませていた。

SNSを中心に活動しているため孤独を感じることもあるが、今回のLIVEで知らないアーティストさんにたくさん出会うことができ1人じゃないなと感じられたという。
「こういう活動をしていると辛いことがたくさんある。」
とアーティスト活動をしている中での苦悩を語った。
「思ってもみないようなことを言われたり、動画を投稿しても全然伸びなかったり。でも、やらなきゃ良かったと後悔したら、自分に失礼。だから、弱音なんて吐いていられない。やりたいことというよりは“やらなきゃいけないこと”だ。」
淡く美しい中に、どんな音にもかき消されない強さが隠れている彼の歌声には、そうした音楽に対する覚悟が詰まっているのだ。

最後の曲は、自分がこうありたいなという想いを込めたオリジナル曲。
大切な人がふと頭に浮かぶようなとてもあたたかい曲。
シルエット姿で表情までは見えないが、気持ちよさそうに歌っているツユリ。の声にいつとはなしに心を奪われてしまっていた。
音が止んだ後も、会場はあたたかくやさしい素敵な世界の空気に包まれていた。

photo by kohei oshima

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