天、太陽、月
天地の神と皇
二宮尊德一日一言
天地の神(かみ)と
皇(きみ)とのめぐみにて
世をやすくふる徳に報えや
(二宮翁道歌)
【略解】
天地宇宙の根元神と
万世一系の皇統が
連綿としてましませばこそ、
こうして世の中は
安泰に保たれているのです
その恩徳に報いる
報徳の精神を
忘れてはなりません
宇宙のしくみ
佐藤一斎一日一言
能(よ)く変ず、故に変無し。
常に定まる、故に定無し。
天地問、
都て是れ
活道理(かつどうり)なり。
(耄69)
【訳】
万物は常に変化をしている。
それゆえに、我々は
その変化に気づかないでいる。
一方、月は
天上から常に
我々を同じように照らしている。
それゆえに、
わざわざ一定という必要もない。
天地の間にあるものは
すべてこのような具合で、
それが活きた道理というものである
誠に始まり誠に終わる
佐藤一斎一日一言
人心の霊なるは
太陽の如(ごと)し。
然(しか)るに
但(た)だ
克伐怨欲(こくばつえんよく)、
雲霧(うんむ)のごとく
四塞(しそく)すれば、
此(こ)の霊烏(いず)くにか
在(あ)る。
(霊烏とは神妙不可思議な鳥
ヤタガラス、太陽神)
故(ゆえ)に
誠意の工夫は、
雲霧を掃(はら)いて
白日を仰ぐより
先(せん)なるは莫(な)し。
凡(およ)そ
学を為すの要は、
此(こ)れよりして
基(もとい)を起(おこ)す。
故に曰(いわ)く、
「誠(まこと)は物の終始なり」と。
(耄66)
【訳】
人の心の霊妙なる働きは、
あたかも太陽のようである。
しかし、
克(勝ちを好む)、伐(自らを誇る)、
怨(怨恨)、欲(貧欲)が
雲や霧がかかるように
全体を覆い塞ぐと、
この霊性はどこにあるか
わからなくなってしまう。
ゆえに、
誠意をもって工夫して、
雲霧を掃いのけて照り輝く太陽、
すなわち
心の霊妙な働きを
仰ぎ見ることが何よりも大切である。
およそ学問をなす要点は、
これによって
基礎を築き上げるものである。
だから
『中庸』には、
何事も、誠に始まり、誠に終わる
誠がなければ
何も成り立たないことあるのである。
克伐怨欲 とは
この我欲で
物事が見えなくなる
常に誠のこころがあるか
振り返って
正しておかねばなりません
変化に気づくも気づかぬも
すべては、大自然の動き
それに感応するこころが大事です
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