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希哲学者流心の治療法

過去投稿:2018/2/17

そろそろ精神科が賑わう季節の変わり目だから、こんな話。

題名通り、『心の治療法』について書きます。

そもそも治療が必要な状態とは、どんなものなんでしょうか?

今回は心を「柱」に比喩して、話を展開しましょう。心を柱として考えれば、、、治療が必要な状態とは

・柱にヒビが入った状態

・柱の一部が欠損した状態

・柱が折れた状態

に大別できると思います。なんとなく察しがつくとは思いますが、下へ行くほど重篤です。ちなみにスポーツや医療にかかわりがある人にわかるように例えるなら、亀裂骨折・剥離骨折・閉鎖骨折といった感じです。また、悪化するとより下の状態になる場合が多分にあります。

1、ヒビの直し方

他の二つとは異なり、柱の構成要素は何も失っていない状態です。心の整理が付いていないだけの場合が多いです。例としては、未知の環境に入った時・緊張状態などが上げられます。フレッシュマン・マリッジブルーの心が病む原因がこれのような気がします。

→治療法は至って簡単。心の整理をつけることです

何も失っていないのだから、そのヒビを接着剤のようなもので接着すればよい。その接着剤が心を整理することです。

具体的には誰かに対して現状を話す・文章化やチャート化によって具現化。それらによって、今の状況を明確化してあげる。明確化されると、現状に変化がなく焦りを感じる必要がないことが分かり、心が整理され、ヒビは直ります。

ちなみに、急性期(急ぎの場合)は心の整理が付いている部分や自分が理解している現状のみに目を向けて、疑似的に現状のすべてを理解している状態を作ることで、ヒビを補修できます。

2、欠損の直し方

心の一部が欠損して、正常な状態ではない状況のことをさします。何かを失ったときによく置きます。例としては、恋人や友人、家族の消失・変化などが上げられます。恋人との別れや両親との死別で起こりやすいと思います。

→治療法は大別して三つあります。

欠損部を元に戻す・補完する・心を停止させる

・元に戻す……失った部分をもう一度手に入れる方法。

例を挙げるなら、恋人と別れたのならその恋人ともう一度付き合いなおす、です。

特徴として、短期では満たされますが、長期的には満たされにくい傾向があります。つまりは、元に戻した直後は欠損部が戻ってきた安心感を感じますが、時間が経つとその欠損した部分が一般には欠損する理由があって欠損したがゆえに欠損したわけで、また欠損が起きやすい。この方法ができない場合もある。

例に戻るなら、恋人と付き合いなおしたが、同じ理由でまた関係が悪くなり別れたり苦労したりする。

・補完する……失った部分と似た要素で埋める

例を挙げるなら、恋人と別れたので違う恋人と付き合う、です。

特徴として、「元に戻す」とは違い短期では満たされにくいが、長期的には満たされることがある。つまりは、補完した直後は元との違いに戸惑い苦労しますが、時間が経てば馴染み始めて安定する。まあ欠損部をうまく補完できずすぐに欠損状態に戻る可能性はありますが。

例に戻るなら、異なる恋人と付き合い始めて、昔の恋人の苦労を忘れていく。

・心を停止する……失った部分の時をとめてしまう。厳密に言うと治療法ではない。

例を挙げるなら、恋人と別れたので恋愛のことを忘れて他の趣味に目を向ける、です。

特徴として、先述通りに現状は変わりません。欠損部に目を向けないようにすることで状況を悪化させない。急性期に役に立つ温存療法のようなものです。ただ根本的な回復は時間経過では見込めないので、何かしらの因子が必要。そうじゃないと、悪化して心が折れる場合もある。もちろん、目を向けない放置によって自然治癒することもある(実際は何か小さな要因がいくつか起こって補完されていることが多い)。

例に戻るなら、恋人と別れて趣味に没頭していたら趣味の重要度が上がって、さらにはその趣味でより良い恋に発展しうる友人を見つけてしまった(放置による自然治癒の一例)。

多くの心の強い人間、つまり柱が丈夫な人々は心にヒビが入ってもより強固にするヒビの直し方や欠損部の埋め合わせを実行しているため、強い場合が多いです。元から強いというのもありますが、それ以上にこれらのことを無意識にやって、後天的に強い人が多いです。

以上が心の治療法です! と言いたいですが、まだ話していませんね。柱が折れた時のことについて、ここからは難しいです。ではでは。

3、折れた時の直し方

心が折れてしまい、支えていたものを失い「欠損した時」以上に正常な行動が見込めない状態。基本的には前者二つを放置したことによる悪化により起こりうる。いきなり折れる場合もあるが、それらのほとんどは極短期間の「ヒビ状態」や「欠損状態」を踏まえていることが多い。この状態になった人が精神病になったり、それに近い状態になる。

→治療法は人それぞれ。

心が折れたきっかけも人それぞれ。ただ共通して言えることは柱を作り直す必要がある。あと重要なのは折った原因はどういうものなのか?

折れた心の治療は難しいです。ただいくつかの例とともに直し方を書き記しましょう。

ケースA:柱の一部が残存していた例1

柱の下部は残っていて、上の部分が折れて崩れ落ちた状態。原因はいじめ。このときは、外的要因があり理由が明確である。そのため、環境を変えて、新しい学校に通い新しい友人関係を一から作り直す。柱の一部が残っていたため、社交性や友人を作るスキルが残っていたため、新しく柱を作り上げた。

ケースB:柱の一部が残存していた例2

柱の株は残っていて、上の部分が折れて崩れ落ちた状態。原因はいじめ。例1に酷似しているが、直し方が異なる。例1は残存部分を元に新しい柱を作ったが、折れた無くなった部分を補完するべき部分だと考え、折れた心をいじめをしてきた人間への復讐心で補完し、学校に通い続けて相手の不快な存在で居続けると同時に、彼らの行動を学校に公表させいじめっこの居場所を喪失させた。しかし、復讐が終わったあと、復讐心という補完物がなくなってしまい心が折れかけるが、自分はいじめに立ち向かった業績への自身により折れなかった。

ケースC:柱が完全消失した例

柱が完全になくなり、廃人化した状態。原因はストレス(職場での環境要因)。柱が完全消失する場合はほぼ確実に柱の一部が残った状態で無理矢理現状に立ち向かっている場合が継続して、その残った柱もすり減りなくなった場合が多く、この例もそれ。幼児に施すような社会性を身に着ける訓練の繰り返しでなんとか柱を作り直すが、完治無理。専門機関が必要。このような例が躁うつ病やパニック障害の一部があたると思っている。

ケースD:柱じゃなくなった例

心を柱に例えて置いて、こういうのもなんだが柱が折れて壊れて、もう柱ではないが柱の残骸とも言えない他のナニカになった状況。例を具体化するとかなりえぐいので書かない。統合失調症や解離性性同一性障害などがこの状態だと思っている。もちろん、専門機関が必須。

ケースE:何も要素を失ってないけど折れた例(超特殊例)

柱にヒビが入っても欠損もしてないのに折れた……正しく自分の意思で折る特殊例。前述の通り、柱が折れた状態になる前にほぼほぼヒビや欠損がある。ヒビは欠損が生じうる状態で、欠損はまさに欠損した状態。その状態で折れるから治療が大変なのだ。折れる前に、なんならヒビや欠損が入る前に、自分の意思で心を折る。そうすると、心の構成要素は減っていないのでまた組み立てるだけで良い。その時に同時に心を補強して強くする。本当に一部の天才のみができる心の補修手段である。試行はおススメしない。

以上な例がある。本当に折れた場合の治療法は多岐にわたって、どの方法も個人個人に特化した物なので合うかどうかは不明である。直すためには「直したい」という自己の意思は必須で、場合によって他人や環境、専門機関が必要になる。ただここまで追い込まれる人々はマイノリティーに分類できるし、ヒビや欠損を直していればこの状態にならない。だから、我々はヒビや欠損に気をつけるべきである。

最後に、これらの治療法はヒビや欠損、折れが発覚した場合に使うことができる。折れに関しては自他すぐにわかるが、ヒビや欠損は知らず知らずの時がある。だから、自分の心の検査をある程度の頻度でしっかりと調べて、場合によっては定期カウンセリングを受けたり、自分をよく知る友人や家族が自分に「疲れてるの?」ってかける声に耳をよく傾けたりして、自分じゃないからこそ気付ける心のヒビや欠損を早期に発見することが重要である。そうじゃないと、治療法も実践できないしね。

今回は真面目テーマで行きました。皆さんも心のメンテナンス・心の異常の早期発見・心の治療法をお忘れずに。

はい、今日の希哲学者でした。また不定期になんか意味の分からんことを書きます。

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