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すべての人に「オランダへようこそ」という文章を知って欲しい

私が感銘を受けた文章である「オランダへようこそ」という文章について語る記事です。この文章はエミリー・パール・キングスレイによって書かれた文章です。彼女はあのセサミストリートチームにも関わる仕事をしている作家でした。

この文章は「先天性障害を持つ子供を育てる」ということとはなんなのかを示した文章になります。彼女自身の子供もDown症であり、その実体験を踏まえた文章と考えて欲しいです。とりあえず、日本ダウン症協会が発行しているこの文章の和訳のリンクを下記に貼ります。リンクが怖い場合は自分で調べると原文も和訳も見れると思うので探してみて欲しいです。

この文章は(私個人では)すべての親になる人間、親になりたいと思う人間、子供に携わる人間、すべての人々に呼んでほしいと思える文章です。

まず初めに、そもそも先天性異常である「Down症」について話しましょう。
Down症は非常に身近な先天性異常であり、600人に1人で発症する先天性異常と言われるものです。生まれつき、21番目の染色体が多い病気であり、特徴的な顔貌があり、きっと街中で見かけることもあるのではないでしょうか? 知的障害や様々な臓器の合併症を持ちやすいこの染色体異常です。近年では晩婚化や母親の高齢化が進んでおり、このDown症は高齢になればなる程に発症しやすい異常であるため、注目がされています。
また医療の発達により、不妊治療だけでなく出生前診断が可能になり、生まれてくる前にDown症であるとわかることが可能になりました。

これらを踏まえて私が思うことは、子供を望む親だけの問題じゃないということです。我が子がDown症ということは、その子育ては他の家庭と異なることが多いこと。この先天性異常を多様性として受け入れるのならば、親だけじゃない周辺の人々の理解が必要。親が亡くなった後も彼らの人生は続くのだから。
また出生前診断により先天性異常があるとわかった時点で妊娠を継続するかをどうかの決断をしなければならない。親に対して求められるものは多すぎる。と私は思ってしまいます。

ではこの「オランダへようこそ」について語ります。

この文章は障害児を育てることを旅行になぞらえています。イタリア旅行へ行こうと思い、いろんな観光地を探し思いをはせる。しかし、飛行機はなぜかオランダへ到着してしまう。オランダという自分が全く情報を持たない土地での生活。そして、そこでこそ得られるモノ。それを簡潔に丁寧に美しく描いています。

私はこの文章を読んで思ったことは、これは障害児だと確かにわかりやすいが、普通または一般と呼ばれる子供でも、または天才と呼ばれる子供にも該当することだと思いました。

誰にでも得意不得意があって、親の思う通りにならないこと、普通とは違うこと、それはどの家庭にもあり得ることなんじゃないでしょうか?

イタリアへ行けたとしても、憧れのベネツィアにはいけないかもしれない。もしかしたら到着したのはイタリアでもオランダでもなく、フランスかもしれない。

だからこそ、すべての親になる人に読んでほしい。そして全ての旅行を見届ける人、子供に関わる人々に読んで欲しい。

この文章は数年前にドラマ「コウノドリ」で紹介され、少し有名になりました。私もその口です。

この文章を読んで、私は子育てに限らず、自分や周りの予想外の展開になった時に、その展開でしか扱えないものに触れてみることの重要性を感じるようになりました。無理にイタリアに戻る必要なんてない。無理に行きたい観光地を目指す必要なんてない。周りを散歩してみよう、きっとそこにはそこで良い所があるのだから。

写真:オランダのチューリップ畑に思いを馳せて

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