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人間は不完全だから出会う

出会いの本質って隙なのかもしれないって思った話。

今日、ちょっと素敵な出来事がありました。まあ私はあくまで観察者の立場だったので、あーもこーもないのですが。

カフェにて時間を潰している時の話なんですが、私は二人掛けのテーブル席がいくつか並んでいるブースに座っていて、私の隣にはスタイリッシュな男子大学生が、その更に横には2人組のおそらく女子高生がいました。私はなんとなくカフェ全体を見ながら、時間を潰していたのですが、その女子高生の2人がカフェから帰ることになったようで離席しました。まあこんな天候(梅雨の時期)ですから、長い傘を持っていたのですが2人ともテーブルに置いていくというミスをしてしまったんですね。そしたら、隣の男子大学生がそのことに気が付いて、迷わずにその置き忘れた傘を持って、2人を追いかけて行きました。2人に渡して少し話す姿まで見えたのですが、それを見てふと思ったことが今回のネタになります。

私が思ったのはそのスタイリッシュ男子大学生の正義感と行動力と決断力がすごい! っていう話ではなく、こういう時にきっと小説や映画のような出会い方をするんだろうなって思いました。同時に、「あら? もしかして」と思いました。

そもそもこの女性2人組と男子大学生が運命的な出会いをするきっかけになったのは、2人が傘を忘れたからである。

よくよく考えれば、運命的な出会いのシチュエーションには常に「隙」が存在する気がする。本屋で手の届かない本棚は背の低さっていう弱点があるし、同じ傘だけど雨の日に傘を忘れて貸してもらうとかもそうだし、ほとんどの場合で人間的な「隙」が存在する。

というか、何でもできる人間に教えてもらうより、困っている人に声をかける方が敷居が低い気がする。もっと大きな意味で考えれば、大学のサークルや高校の部活とかにしても、○○がしたいけど環境がないから入るわけで、その環境を持ち合わせていないというの一種の隙と呼んでいいかもしれない。学業も足りないから学ぶわけで、足りないということは「隙」と形容してもいいのではないか?

さっき、なんでもできる人間に教えてもらうっていうのを比較例として出したけど、これも自分に隙があるから声をかけやすくなるとも言えるし、結局出会いには「隙」が必要な気がしてきました。

そんなことを思い出していると、某漫画内で気になる店員さんのいるファミレスに敢えて携帯を忘れる話を思い出しました。届けに来た店員さんと一瞬だけど会話するきっかけを作れるわけで。

天然な人が交友関係が広いことが多いのも、こういうことなのではないでしょうか? 人間的な隙があるから、声をかけてもらいやすくなる。

完璧であろうとする人ほどに出会いが無くなるのは皮肉ですが、これが人間同士が関係を持つ根源的な部分な気がする。他人に自分の隙を埋めてもらい、自身もまた誰かの隙を埋める。

逆に言えば、致命的にならない隙を沢山作ることで、もっと交友関係を広げやすくなるのではないかと私は思いました。俗言う「チョロそう」って思われると、嫌なナンパ・マルチ商法・宗教勧誘などの負のイベントを引き起こしかねないが、そういうのを引き寄せる隙でなければ、隙を作るのは案外いいのかもしれない。

さて、ここから良い隙と悪い隙について考えていきたいと思っていたが、まあさっきの出来事を見かけてからこの記事を起こすまでの間、ずっと考えていたが、正直思いつかないのが本音だ。どうやったら隙に良し悪しをつけられるのかの方法論もないし、そもそもどの隙に良し悪しってあるのか?

今回の実例の「傘を忘れる」も、持ってきてくれなかったら、傘を普通になくしたという損失なわけで、その後通り雨に降られたら悲しみに暮れるだろう。じゃあ、傘を忘れないようにと、折りたたみ傘を使うようになればそれは「隙」が消えて出会いを引き寄せられなくなってしまう。

良い隙とはリスクマネジメントが出来ている隙で、その隙は人工的に意識して作るしかないのでは? 日々の習慣に良い隙を作るのは現実的に難しいのでは? というのが私の結論である。

人工的に意識して作る、と仰々しく言ったが簡単に言えば、わざとやればいいのだ。先ほどの漫画の話のように、わざと忘れる。それも携帯とかではなく盗まれても最悪大丈夫なモノ(傘・ハンカチとか)を、そしてちょっと歩いて誰も来なかったら戻って回収することをあらかじめ思案しておく。時間的にも戻っても何か損失が生じないような暇があるときにする。

これが、「良い隙」の一例と呼べそうだ……うん? 全然良くないなコレ。ただの計算型の天然ちゃんとかいう害悪じゃないですか? っていうか、こうやって害悪型の天然って生まれているのか?

まさかまさかのところで、変な結論に帰着しましたね。

結局、後半戦(隙の良し悪し)でいい結論は出ませんでしたが、前半戦で出来た「出会いの本質は隙」であることは間違いない結論の1つだと思います。

人は不完全だから、出会うのだろう。

はい、今日の希哲学者でした。また不定期になんか意味の分からんことを書きます。

写真:並木道

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