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素敵なものと好きなもの

どちらかを追求するのは難しいって言う話。

少女漫画、いやまあなんでもいいのかな? とりあえず、恋愛系の漫画などの物語に登場する主人公の親友の異性みたいなキャラクターいるみたいなことありませんか? このポジションはキャラクターって、すごく作者としては使い勝手が良くて、主人公が意中の異性の気持ちに困った時に相談相手に出来るし、簡単に三角関係を構築することが出来る。利便性が高いと思われるポジションのキャラクターですね。

このキャラクターの主な役目は2つあると思って、先ほど言ったような話ですが、1つ目が「アドバイザー」ですね。主人公を魅力的な女性または男性にする仕事をする。2つ目が「恋敵」。主人公の相手役からすれば、いつも主人公のそばにいるから、簡単かつ深い三角関係を構築できる。

今回はこの1つ目の役割、「アドバイザー」について考えて行きましょう。

多くの作中で、このようなキャラクターは主人公に対して理解を示して、適切なアドバイスをします。その流れの中で、自身の思いを再認識してヤキモチを焼いたり、主人公に告白したりするのが定番の展開なわけですが。自分の気持ちを再認識しているだけでなく、主人公が魅力的になっていくのをそばで見ることで、惚れているとも考えられます。

つまりは、アドバイスを繰り返すことで、主人公を恋愛的に素敵にしていくと同時に、主人公がその人物にとって個人的に好きになる機会が増えてしまう、ということです。

なんかこの展開って、結構ありがちだよな、現実世界でも。付き合いたい男性がいて、その相談に乗ってもらっているうちに惚れられている。振られたショックを慰めてもらううちに好かれている。

恋の相談の過程で魅力的になっていくところを見る。別れた愚痴を聞いているうちに立ち直っていく姿を見る。

なぜこんなことが起きるかは非常に単純で、アドバイザーが大衆的に魅力的である人間像と個人的に好きな人間像を完全に分け切れていないからですかね。

知っていればわかりやすい例としては、映画「My Fair Lady」です。言語学の教授は下町の粗野な町娘の言葉遣いを矯正することで、魅力的な女性に育てていく。ただ魅力的になっていく町娘、いやその淑女の姿に好いていく。そんな話ですが、これはまさにそれ。

素敵な淑女を作ろうとしていていたのに、出来たのは確かにそれだったのかもしれないけど同時に自分にとって好きな女性だったわけです。

今回の主題がここで、どうやったら「素敵な人」と「好きな人」を分けられるか、です。

まあ結論は前説で十分に出てるわけで、まあ分けることが出来ない。
素敵な人が大衆的に魅力的に人をさしていて、対して好きな人は自分が好きな人なわけだけど、自分はあくまで大衆の一部だから分け切れない。

どうやったら自分は好きにならないけど、色んな人に好かれる人間を作れるのでしょうか? 非常に難しいですね。

はい、今日の希哲学者でした。また不定期になんか意味の分からんことを書きます。

写真:はな

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