野生の動物は「敵だ。ガオー」でいいけど、人間ってそれでいいの?

2017/2/26 過去投稿

一瞬・一見で得られる情報ってすごく大事だけど、用途は難しいよねって言う話。

今回は日本語なら「第一印象」とか「先入観」、「直観」って言われるものに踏み込んだ話をしていこうかな。

専門用語(行動経済学など)ではヒューリスティックやバイアスって呼ばれるものだね。まあ、この辺について理解がある人は上のワードの説明を次に書くわけだけど、それは筆者の解釈を混ぜているから、そんなもんだなって聞いて欲しいかな

まず

「ヒューリスティック」っていうのはまさに第一印象や先入観のこと。

対して

「バイアス」っていうのはヒューリスティックによって生じる思想的偏り。

気になる人は「リンダ問題」って調べてみると分かりやすい。出典の書き方がわからないので、似たような話を下記に記しておくから気になる人は読んでみて。

※リンダ問題の方が絶対分かりやすいので、そっちを調べた方がいい

下記の文章を読んで問に答えなさい。


博美(ヒロミ)という男性がいます。
彼は独身ではあるが恋人が複数人いて、頭を使うのは苦手ですが直感的な感性が優れた人です。大学は美大を卒業していて、ダダイズムやシュルレアリスムの油絵についての美学に深く関心を持っていました

問、そんなヒロミの職業は次のどちらの方が可能性が高いでしょうか?

①芸術家
②油絵の芸術家

これで②を選んでしまうのが、代表性「ヒューリスティック」っていうもので、可能性だけで考えれば、勝手に「油絵の」という形容詞を足した方が確率的に下がるのに、それを考えず②と直感的に判断する思考プロセス、それを指す。まあそういう発想になる思想的偏りをバイアスと呼ぶわけだ。

肝心なのは……じゃあ、どうすればいいのか?

あんまり批判したくないのですが、よく言う「第一印象を捨てろ!」とかいう糞みたいな言葉は気に食わないので、そんなことは言わずにちょっと違う方向で切ってみます。

ハッキリ言って、「ヒューリスティック」や「バイアス」は大事です。なぜなら、人間は有限な存在だから。常に考えることができる時間も考えることに使える要素も有限であり、そこには常に例外が存在する。

であるならば、よりその考えるプロセスを減らす第一印象や先入観(ヒューリスティックやバイアス)が「大事」になるわけだ。

ヒューリスティックやバイアスの最大の問題点はそれによって自己や環境に「損失」や「問題」が生じることであって、そう考えることは不可抗力であり「捨てる事」は出来ない上に、もしもヒューリスティックやバイアスが良い方向に進むものであれば、逆に考える時間が「損失」になる。

ではもう一度、問い直そう。我々はどうすればいいのか?

まずは①ヒューリスティックやバイアスが悪い方向に進まないように鍛える。次に②ヒューリスティックやバイアスに裏付けを取る。この二点が我々がするべきことなのでは?

では一つずつ理詰め〼

①から話すと、ヒューリスティックやバイアスって言うのは平たく言えば、経験から来る予測や予想に近い。早い話が、経験則。だから、沢山の例外を知る、体験するを繰り返せば、ヒューリスティックやバイアスは良い方向に鍛えられる。ただ例外とはほとんどが少数派なので、それがすべてはないと覚える事。(例外ばかりやると、それが普通に感じてしまうことが多いため)

はっきり言って、①をできることが出来る環境は少ない。①が出来ることの代表例は「法律」で、ほとんどの判例ではこういう司法判断が下されるけど、例外の判例としてはああいう司法判断がなされる。こうやって出来るが、実際に現実で問われる問題は多くが初見のものが多い。このときに重要なのが②である。

②のヒューリスティックやバイアスの裏付けであるが、それを習慣的にすればよいヒューリスティックやバイアスによって発生する問題の多くは解決する。裏付けにより間違えだとわかれば、その判断から脱出できるし、合ってれば実行に移れる。

②の考え方は先人たちが多くやった、「仮説と結論」と構造が同じである。何にも考えず化学実験を沢山やるわけにはいかない。なぜなら人間は有限だから。だから、仮説を立てて実証して結論を出す。ここではヒューリスティックやバイアスを仮説と考えるのだ。

もちろん、初見であり裏付けを取る暇のない案件は存在するが、意外にそういうものは少ない。だから、これらの行動には意義があると考えるべきだ。

前に話した「生理的に受け付けない」がうんたらの話もこれにあてて考えたものだ。生理的に受け付けないという印象は第一印象であり、そこには裏付けがない。だから、その人間の実際の表情を見て、そこに裏付けを作る。そんな話である。

結論、私が言いたいのは第一印象や先入観は良いものである、ただそれにただ従うだけでは危ない、ってことだな。

はい、今日の希哲学者でした。また不定期になんか意味の分からんことを書きます。

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