未来予想図

秋は深まり2022年も終わりが近づいて来ました。
2019年から始まったコロナ騒動も3年になり私達の生活に大きな変化を齎せて来ました。

歴史を振り返ると1945年終戦から高度成長、家電や自動車に代表される輸出産業、ゲームやアニメといった娯楽コンテンツ産業は世界を席巻し、私が小・中学生であった80年代後半にはジャパンアズNO1というタイトルの本が本屋に広く並べられていた記憶があり日本経済の絶頂の空気感が私の肌感覚としても残っています。
90年台のトレンディードラマの世界は淡い憧れで、まだバブルの色が強く残る中、上京してから25年が経ちました。
バブル崩壊から失われた20年と呼ばれ、日本はデフレから脱せず経済停滞の中におり、そこから脱することが出来ないという空気感があリます。
私が子供の頃世界No2だったGDPは2010年代始まりに中国に抜かれ第三位に、その後2040年代には人口増加が圧倒的なインド、インドネシアといった国にも抜かれてしまうだろうという予測もあります。

しかし、これは不幸な未来予想なのだろうか?
逆に私は極めて楽観的に考えています。

確かに高度成長の様な大きな経済成長を牽引するだろう新しい基幹産業は見当たらず、年齢ボリュームも高齢者の割合が大きく、国家全体としては老齢の域に達していくのだろうと思います。
嘗て世界を席巻し、今尚日本経済で大きな役割を担うTOYOTAやHONDA、SONYといった世界的な大企業は戦前の軍需技術が下支えし、戦後焼け野原の中勃興したベンチャー企業であり、今の人口ピラミッドが構成された成熟した世の中では同様の企業は生まれにくい土壌であるし、
世界の大きなコンテンツは莫大な資金や圧倒的な人材を抱えるアメリカで産まれ続けるのだろうと思います。

しかし、大きなコンテンツを支える小さな優れたコンテンツ、また漫画などに代表される文化的に魅力的なコンテンツはこれからも日本で多く産まれることを予想しています。
それらが産まれる背景は競争第一主義でない、ある種の心のゆとりの中から、また、とことん深堀し形にしていく細やかさは私達の多くに備わったものでもあります。

世界の中の日本はどうでしょうか。
アメリカは世界から移民を受け入れ世界の超大国として君臨しつつ、この数十年の中近東などで行った価値観の押し付けの失敗による反省を活かし、欧州各国や同盟国、自由と平和という基本的な価値観を共有する国々と連携しながら、秩序と安定を維持するという未来を予想しています。
先日凶弾に倒れた安倍元総理の国家観「世界の中で輝くニッポン」は言い得て妙であり、それは孤立や覇権主義ではなく、世界の中で一定の役割を果たしていく役を担う、それが日本人が平和で心穏やかに、力を合わせて生きていくという未来予想ではなかったかと解釈し私も同意する所です。
いい意味で勤勉で統率が取れ、穏やかな国民性は世界の中で多くの友人に恵まれることと思います。

この20年は確かに可処分所得は増えておらず、嘗ての右肩上がりの約束された未来は描きずらいとは思います。(経営者目線では、給与は上がっていても、その分社会保険負担が増えている)

しかし所得が少ない中で、ITが果たした役割が大きいと思いますが、より便利で快適な生活を送れるようになったと思います。私が子供の頃よりも大型の犯罪も減った様に思います。つまり世の中は少しずつ変化しながら進化していると思います。

これはお金に縛られ過ぎない生き方の浸透、つまり成熟によるものではないかと考えています。
足るを知るの生き方。得られるものの中で十分に楽しむ生き方。
足らざるを知るの生き方。自分の相応以上を求めない生き方。
そんな生き方がこの数十年の停滞、そしてコロナ禍で更に加速された様に
感じます。

未来予想図の上で私達はどの様な未来を作っていくのか。足るを知り足らざるを知るを知った成熟した方達をどの様に楽しませるのか。

今後も特に大都市である東京は、世界で最も便利で安全、文化的にも魅力的なコンパクトシティーとして日本を牽引する役割を果たすでしょう。
食の世界でもミシュランの星は世界一、味のレベルも高い魅力的な飲食店が残る事でしょう。
チェーン店では絶対的な速さと便利さ、外さない一定以上の品質が求められるでしょう。
また、さまざまな情報に溢れ、限られえた予算の中で皆、外す経験はしたくないとの心理が働き、店選びは益々保守的になって行く事でしょう。

美味しいのは当然、絶対的に美味しくその店にしかない価値がある、
基本のオペレーションが徹底され細やかな気配りが出来る、
その様なお店は選ばれ生き残って行く事でしょう。

これもコロナ禍で更に加速したと思いますが、東京一極集中から地方への分散の流れ、生き方の多様化、地方の魅力見直しが進んでいます。
その中で「食」が果たす役割は大きいと思います。

そこでも私たちが貢献する未来は近いと思っています。

やるべきことはシンプル。
自分達の表現力、品質を磨く。
サービスパフォーマンスを上げる。
チーム力を上げる。
仲間を作る、根付く。

1月に新店舗「THALEE LING」に挑戦します。
これは我が社の表現の幅を広げる挑戦、
街の魅力的な店への異ジャンルとしての挑戦、
若いリーダーが新しいものを立ち上げる挑戦
であり、私達の未来を切り開く挑戦です。

足るを知り、足らざるを知った上で、自分達が出来る挑戦をし、変化する世の中の波を楽しむ。
それが未来予想をした上でRootが歩く道のりです。

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