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刑事コロンボ「GOTCHA」つかまえた!

フィールドを毎瞬、色とりどりにクリエイトする皆さま、こんにちは。

今回は刑事物の、ミステリードラマ映画の最高傑作「刑事コロンボ」より

いつものコロンボとは全く違う展開の回、「だまされたコロンボ」についての、レビュー、徒然です。

皆さんも知っての通り、世界中で人気を博した刑事推理ドラマの金字塔「刑事コロンボ」。


ピーター・フォーク主演のアメリカドラマ映画で、休止を挟んだものの、1968年から足かけ14年に及んだ全69話からなる、刑事推理、サスペンスドラマです。


わたしが子どもの頃、両親がサスペンスドラマや、刑事ドラマ好きだったため、いつもついているテレビは、サスペンスもので、
常に聴こえてくるテレビでは事件が発生していました(^◇^;)

その影響か、その後わたしも知らぬ間に懐かしいミステリーやサスペンスばかり、楽しみにするようになっていたのでした(^^;;


刑事コロンボは、ピーター・フォーク扮するロサンゼルス市警察殺人課の警察官コロンボが、ボロボロのトレンチコートをまとい、ポンコツの車に乗り、ボサボサの頭をかきながら、難事件を解決していくドラマです。


そして、なんといっても刑事コロンボの真骨頂は、

「まず最初の数分のうちに、犯人が殺人を起こし、そこを視聴者に見せておいて、
その犯人をコロンボが追い詰めていくのを見せる」

というところにあります。


狡猾に騙し、時には被害者を装い、
完全犯罪を目論む犯人を、

汚い格好をして、とぼけたフリをしたコロンボが、犯人に馬鹿にされながら、じりじりと追い詰めていく様は、
毎回「そう来たか!」と、唸らさせられる見事なものでした。

また、あまりにも華やかな世界、見事な豪邸、虚飾と欲望と、富と名声の中で、
追い詰めらた犯人が、冷酷さを振りかざしたり、ときにはその富や、名声のために、止むに止まれず犯行に手を染めるため、

非日常のものとして、事件を、あくまでもドラマの中の娯楽として、楽しませてくれるものでした。

わたしが、この辺りの昔のサスペンスが好きなのは、
今のサスペンスと違って、残忍すぎるシーンはなるべく撮らないで、あるところからは想像に任せる描き方をしていることと、
殺すことを楽しんではいないことと、

勧善懲悪のストーリー仕立てなので、水戸黄門を見ている時のような安心感があるからです。


(まあ、殺人ですから、安心というのもおかしな言い方ですが(^◇^;))


そして、いつも好きで観ている「名探偵ポワロ」よりも好きな理由は、

テーマソングをはじめとする、音楽が素敵なのです。

70年代のこのドラマのBGMは、この時代独特のポップスとオーケストラのサウンドが組み合わされた音楽で、
ウキウキするような、それでいてポップスオーケストラの上品なサウンドが、美しい景色や建物と雰囲気を引き立てています。
サントラだけでも聴きたいほどです。

そして、それもそのはずでした。

刑事コロンボのテーマソングは、なんとあの「ヘンリー・マンシーニ」!


この曲が流れると、「あー!コロンボだ!」と、ウキウキする音楽でした。


ヘンリー・マンシーニは、グレン・ミラー楽団にも編曲、ピアニストでも所属していたり、

アカデミー賞他、数々の賞を取り、

「ムーン・リバー」「酒とバラの日々」「シャレード」「ピンクパンサー」「ティファニーで朝食を」「トムとジェリー」他、

多くの名曲を生み出したあの偉大な音楽家がテーマソングを作っていたので、音楽で気持ちがあがるのは当然でした^ ^

と、前置きが長くなったのですが(^◇^;)

言わずと知れた刑事コロンボの徒然を書こうと思った理由は、今回初めて観た
「だまされたコロンボ」(邦題)
「Columbo Cries Wolf」(原題)
というお話が展開がこれまでとは全く違った切り口で、意外で、面白かったからです。

もう、何十年も再放送で楽しんできたコロンボですが、この話は初めて観ました。


わたし的にはタイトルは

「GOTCHA」(つかまえた)」

とつけたいところです。

毎回必ず、最初に視聴者に殺人を見せ、コロンボが犯人を追い詰めるところを楽しむドラマなのに、全く違う展開です。


(まっさらで、観たい方はここまでで^ ^
ここからは、ネタバレです^ ^)

ざっくりあらすじを書くと…。


雑誌社に全額出資して設立した女性と、共同経営するカメラマンで、恋人の男性がいます。
その男性が、豪邸に女性モデルを沢山連れ込み、毎夜パーティーを開いて栄華を誇っていました。
愛想をつかした共同経営者の女性は、カメラマンの男に別れを切り出し、雑誌社を売るつもりである事を伝え、男に豪邸から出ていくよう伝えます。

ここで、雑誌社の売り上げを伸ばしてから、手放したいと思った経営者の女性は、カメラマンと一時的に手を組み、失踪騒ぎを起こし、誰かに殺されたかのように見せかけ、コロンボを出し抜いてマスコミを誘導し、実際は殺されていなかったとマスコミの前に現れる演出を打ち、雑誌の売り上げが伸びたところで、会社を売り抜けることに。

ところが、カメラマンは売り上げが伸びれば、共同経営者として返り咲けると思うも、
あっさりと女性共同経営者に拒否され、全てを失うことに。

それは、受け入れられないと、女性共同経営者に手をかけます。

このお話では、コロンボが殺人犯を追い詰めたと思っていたら、殺されたはずの被害者本人が生きていて、
それも、犯人役と被害者役の2人が組んで、低迷していた雑誌の販売部数を伸ばすために、コロンボを利用した、という展開がまず、あります。

お金を出してもらい、雑誌社の共同経営をしていた恋愛関係にもあるパートナーの女性から三下り半を突きつけられたカメラマンの男が、

保身のために結局は女性を殺す、というお話です。

なので、コロンボが最初に殺人犯を特定し、追い詰めるどころか、殺人自体行われておらず、

放送時間のほとんどが、茶番に付き合わされて、翻弄されるコロンボで、終わります。

ところが、最後のほんの数分というわずかな時間で、大どんでん返しが!


結局、最後ギリギリまで殺人は行われておらず、ドラマ終了間際に、カメラマンが保身のために、女共同経営者を殺し、
「また、失踪騒ぎで、困ったもんだ」と、コロンボを、かわそうとします。

ところが!!


当時はまだ、携帯電話もなく、ポケベルも一部のお金持ちしか持てない設定なのですが、

メッセージを電話で送れる機能がある高級腕時計を、女性経営者はいつも身につけていたことが、最初にチラッと出ます。

女性経営者は殺されても、完全犯罪で、
失踪扱い、
死体も見つからないはずだったのですが、

なんと!

コロンボが、最後の最後、カメラマンが知らぬ存ぜぬで逃げ切ろうとしたまさにその瞬間、

電話を貸してくれと、どこかへ電話した直後のこと。

殺された女性経営者の腕にあったポケベル機能付きの時計からアラーム音が鳴り響くのです!

でも、死体はありません。


そこで、その音のする方を辿ると、音は壁の中から。。。

そうです。

死体は壁の中に塗り込められていたのです。

壁を剥がすとそこには、半透明の衣装カバーの中に入れられた女性経営者の死体が。
そして、その腕には、鳴り続けるメッセージ機能のついた時計がありました。

そこを、ズームアップすると、先ほどコロンボが、電話をカメラマンに借りて電話をして、
殺された女性経営者にメッセージを送っていた文字が、、、!

それが、

「GOTCHA」

つかまえた、


という、メッセージだったのです!!!


この最後の展開を観ていたわたしは、思わず大きな声で

「おおーっ!!!」

と、言ってしまいました。

拍手もしました。

「そうかー、そうきたかー!」

1人祭りです(≧∇≦)

最後の最後のわずか数分のあっという間の大どんでん返しへ持って来て、

死人の無念を晴らす

「GOTCHA」つかまえた。。。

これは、もの凄くささりました。


意気揚々と、逃げ切ろうとしていた犯人の唖然とした諦めた表情も映りましたが、

最後、時計の文字盤に映った

「GOTCHA」のズームアップで終わる意外な展開。

これまでのパターンとは全く違う珍しい刑事コロンボでした。

わたしは、とても面白いと思いました。


途中そこまでの放送時間のほとんどは、

華やかな男性向けの女性モデルの美しい肉体を見せる雑誌社の話ですので、

華やかなパーティーと、美しいモデル達が入れ替わり立ち替わりで、コロンボ役のピーター・フォークさんにとっても、撮影陣にとっても、出演した女性モデルさん達にとっても、

お楽しみプロジェクトのような、華やかなお色気演出でした。

なので、いつもとは違うし、目の保養にもなったし、
モデルさんも、出演した女優さんもそれは美しく、楽しんでは観れたのですが、

犯人を追い詰める展開が見えてこないので、いつもと違うなあ、と、ながらで観ていました。

そこへ、最後の最後で殺人が起こり、
これを、今更どうするんだろうと思ったところへの、まさかのこの展開。

面白かったですねえ。。。


それにしても、いつもサスペンスドラマを観ていて思うのは、

人は追い詰め過ぎてもいけない、

その人のお金ではないのに、莫大なお金を自由にできると勘違いさせてしまった人を、急に切り離すことは危険、

でも、殺人は絶対にダメ、

ということです。。。(T . T)


(まあ、これはドラマなんですが(^◇^;))

だからこそ、最後の最後まで、殺された側の無念を晴らすというゴールに向かう刑事コロンボのサスペンスドラマが好きです。

なので、殺される人が、殺されるまでじりじりと恐怖に打ちのめされながら、更に殺されるところまでを細かく凄惨に描いていく最近のドラマは、全く観ません。

殺人ドラマにルールもへったくれもないかもしれませんが、美学もへったくれもないかもしれませんが、

その辺は昔のドラマが好きです。

また、熱くなりましたが、
これ、ドラマでしたね(^^;;

最後に余談ですが、
この刑事コロンボは、昔いつも「金曜ロードショー」で、金曜日の夜9時から、放送されていました。

ピエール・ポルトさんの「フライデーナイトファンタジー」という名曲がオープニングテーマでした。

https://youtu.be/SSOCa8w1UpE

他にもGメン75の一時期のテーマソングも書かれていた方です。

このメロディーを奏でるトランペット奏者は、ジブリアニメの「天空の城ラピュタ」のパズーの「ハトと少年」のトランペットを担当されていたそうです。

その、金曜ロードショーのテーマソングが流れて、
ヘンリー・マンシーニの軽快な刑事コロンボのテーマソングが流れる。。。

https://youtu.be/MUsqSF4vsRs

(この曲が、また、本当にいいんです!
未だにスキャットで歌うくらい好きです^ ^)

そして、刑事コロンボを家族で観るのが恒例でした。

小学生の頃は正直、音楽は好きでしたが、毎回親がつけるテレビから始まるサスペンスに、またか、という感じがありましたが、(^◇^;)

大人になって、
その親も亡くなってみると、(母だけですが^ ^)

この頃の、ただ何の不安もなく、安心の中で、
同じテレビを観られていた時間は、
とても懐かしく、

父も母も若かったんだなあ、とか、
文句を言いながらも、楽しかったり、幸せだった時間だったんだなあ、と、

しみじみ思ってしまいます。


刷り込みでしょうかね(^◇^;)

そんなバックボーンもあって、

刑事コロンボは、好きなんです^ ^


余談でしたが、

とても面白い、サスペンスドラマ、刑事推理ドラマ映画の金字塔の紹介でした。


大好きで未だに再放送を観ている中でも、観たことがなかった「GOTCHA」いや、
「騙されたコロンボ」の意外なバージョンの、面白かったレビュー、徒然、

お付き合いいただきまして、ありがとうございました^ ^


今日も、皆さまにとって、楽しい1日でありますように。



戸張碧月

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