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~つれづれクラシック日記③終~ミクシィページより

2015年6月まで書いていた日記。わたしは20過ぎまで断続的にピアノを習っていて(高校3年のときや、新社会人のときはお休みしました)こよなくピアノ好きなんですね。ピアノを弾くのが好きだし、曲を聴くことが好きだし、映画好きだし…。な、わたしですが、このところすべて全くできていません。それよりも優先順位の高いものが増えてきたのでしょう。たくさんの音源や楽譜を保有していますが、そのまま積まれている現状です。クラシック好きに復帰するのはいつになるやら、皆目見当がつきませんがとりあえず残しておきます。

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スクリャービン
2015年も半分過ぎて、気づいた。
スクリャービン没後100年にあたるらしい。
今年は、地味な年だった。

わたくし一人、ハイドンとスクリャービンイヤーだった。偶然にも、スクリャービンイヤーだった。

もともとピアノから作曲をしたらしい。だから、ピアノ曲やピアノ協奏曲が充実しているようだ。

ラフマニノフのきらきらピアニズムとは違うねちっこさがある。あ~でもない、こ~でもないの「わかりにくさ」がある。私は、この「ぐだぐだ~」が好きなんだよね。

多分、ラフマニノフのロマンチズムと、そう大差はない。おっちゃんが「あ~でもない・こ~でもない」と言ってるんだよね。

神秘主義とか言われちゃうけど、そんな感じでもない。イギリスとかフランスの神秘主義の方がよっぽどおしゃれだ。スクリャービンって「垢抜けないロマンチシズム」って感じがするのです。私は好きですね。なんか・・・・おしゃれじゃなくて落ち着く。。。。

スクリャービン
1872~1915
初期はショパンの影響をうけた作風。神秘学の傾倒を機に官能的かつ神秘的な音楽をかく。晩年は無調音楽に移行。
2015年06月21日 17:24

<TV>ベートーヴェン「弦楽四重奏第14番」嬰ハ短調、ベルチャ四重奏団
ベートーヴェンの弦楽・・・交響曲ばかり聴いてしまい、意外ときいていないのよね~と思って聴いてみました。
なんというか「ベートーヴェンおじさんの暑苦しさ全開!!」というような印象を持ちました。あの「ベートーヴェンおじさんの妙なロマンチズム」が苦手なんだよ。押し付けがましくて・・・(笑)そうは言っても、形式美とか哲学的なよさとかあるんでしょう。今は、あまり好きではありませんが、そのうち聴きたくなるかもね~。
さて、このベルチャ四重奏団。また、濃いぃ~音楽を奏でる感じ。はじめのうちは「お~すごいな~」と思っていたのですが、だんだんと「おなかいっぱいに・・・」
原因は、みんなが濃い音を出すからだと思うのです。中心となっている女性バイオリニストがすばらしい技術と、ハイフェッツ並の色気をもった音を出すのです。が、他の方々もかなり濃い音を出すんです・・・・。上手いし文句はありません。が、また聴きたいとは思わなかった。曲のせいなのか?奏者のせいなのか??
最近は、また「ロマンチック」ブームなのかな?一時、電子音のような冷たい音できっちり刻むのがはやったような気もするけど・・・・。私は、やっぱり品を失わない程度の「うた」が好き。ちょっと、これは濃厚すぎました。

さて、第9番の方は、いっそう技術が要求される曲なのかな?上手いけどしつこい・・・・いっそう苦手な感じでした。


ベルチャ四重奏団  ベートーヴェン弦楽四重奏第14番嬰ハ長調
             ベートーヴェン弦楽四重奏第9番ハ長調「ラズモフスキー第3番」
             2012・5コンツェルトハウス(ウイーン)
             映像監督 フレデリック・ドゥレク  
2015年01月10日 13:51

{雑文}2015年、クラシックの話。
NHK交響楽団にパーヴォ・ヤルヴィさんがやってきます!!
手始めに、この冬、コンサートがあるようですが「マーラー」だったかな?マーラー好きではない私は他の演目探しましたが、そちらはのこりが少なくなっていました。実際に行けそうもありませんが、メディア情報が増えることでしょう。楽しみです。

さて、今年は「シベリウス生誕150周年」「ニールセン生誕150周年」「ショスタコーヴィチ没後40年」
かなり地味な年ですね(笑)
それはファンにとってはお祭りのはずですが、100周年とか50周年ですらないという。
ドイツ、イタリアがクラシック音楽の中心となっている感じですが、フィンランド、ソ連というヨーロッパの周辺国にスポットがあたる感じですかね。シベリウス、ニールセンも北欧出身。北欧は遅れて「ロマン」がやってくるという感じで、こてこての「熱狂」や「ロマン」が結構あります。北欧の写真のような「透明感」を思う人もいるでしょう。実際、北欧のオケは少人数のものが多く響きも控えめ。控えめなのが「わびさび」好きな日本人好みともいえます。実際、ヤルヴィ一家も、北欧のオケとの録音ばかりでマイナーな作曲家ばかりです(マイナーな作曲家の普及につとめたとも言えるけど、もっと大きなオケで振ってみて欲しいという思いもある)

日本に来て何を振るのか?私は、ヤルヴィさんのお国ものに期待したいです。マーラーなんていいや(他の指揮者にさせましょ)こてこてのお国ものを、極東のニホンでやっておくれ!!

さて、いちよう今年の作曲家ということで、ご紹介です。

シベリウス(1865~1957)フィンランドの作曲家。交響曲7曲を作曲。交響詩もかき「フィンランディア」が有名。ベルグルンドのシベリウスが定評がある。私はこてこて弦の「バルビローリのシベリウス」が好き。スラトキンは無味無臭でつまらなかったな~(←あくまで個人的な感想です)北欧出身者はもちろんですが、イギリス指揮者、オケなどの評価は高いです。

ニールセン(1865~1931)デンマークの作曲家。交響曲6曲を作曲。ブラームスに似ているという。「北欧のロマン」といったところか?好きな人にとってはメジャーな作曲家なのかも?ブラームス好きな人はぜひ。

ショスタコーヴィチ(1906~1975)ソ連、ペテルブルク出生。父はポーランド系。母はペテルブルク音楽院を卒業したピアニスト。交響曲を15曲、作曲。ソビエト連邦時代を生きた人。政府の注文も受けながら、作曲を続けた。ソビエトの演奏家と擁護されたり擁護したりした。歴史的に面白い人。交響曲の歩みと政治が絡み合っているので現代の歴史に興味がある方はぜひ。ちなみに、クラシックマニアが好きな作曲家・・・というイメージがあります(初心者は、「ショスタコ好き」とか言われちゃうとドキドキするのです・・・)


今年は、北欧。だと思うのだけど、いかが??


2015年01月10日 13:04

{雑文・随時更新}指揮者の話。
指揮者によって、そんなに変わるのか?という疑問はありませんか?
これは、クラシック上級者になればなるほど、細かく説明してくださる方が多いような気がします。しかも、同じ指揮者でも年代やオケの説明まで読むと「なんのこっちゃ」ということが起こります。
私は、指揮者によってかなり違うと思うのですよ^^

好きな曲のイメージに合う指揮者に出会えず、聞き比べをしたとき、これは「指揮者によって違う」ということを思いました。
それから、よさがまったく分からなかった曲が、指揮者によって違って聞こえてきたり・・・

ので、私の体験を語ってみたいと思います。

<シベリウス>
マゼールを聴いていて、面白くもなんともない・・・と思っていたのですが、バルビローリを聴いて開眼いたしました!!バルビローリのこってり弦が大好き!!シベリウスの音楽がこんなにおもしろいとは!!
<エルガー・チェロ協奏曲>
映画「本当のジャクリーヌ・デュプレ」にはまりまして、単館上映も行き3度観ました。そんなわけで「デュプレ」CDをやたらと聴いていた時期がありました。夫君・バレンボイムはデュプレのことなんか気にも留めず、デュプレの歌いたいチェロをぷつぷつ切りやがります!!そんなわけで、バルビ指揮・デュプレを愛聴しているのです。が、先日、スラトキン指揮のものを聴きました。愕然としましたね。これって、こんなつまらん曲だったっけ?って。
<モーツアルト交響曲40番ト短調>
映画「アマデウス」好きなんですよね。TVで、よくクリスマス時期やっていたイメージがあります。TVは必ず観ますが、とうとうDVDを購入。この映画では全編、モーツアルトの音楽が流れているんですが、雪の馬車の場面で流れていた曲(?)です。で、さまざまな指揮者のものを聴くんですがなかなかしっくりこない・・・・
ワルター・・・優しくて泣きそうになるんですが、「歌いすぎ」。「ワルターのモーツアルト」としては大好きだが、私のこの曲のイメージと違う。
ヴァント・・・縦がきっちり。アクセントの感じも私好み。音も透明度が高く、本当に好き。しかし、もっと歌ってもよいかも・・・・
ヨッフム・・・基本に忠実。実直な演奏で好き。が、もの足りない。
ケルテス・・・歌わせ方が大好きな指揮者ですが、この曲を聴いた感じはこじんまりまとまっちゃったなあ・・・と。
なかなか理想の演奏に出会えなかったのですが、先日、運命の出会いが・・・
シューリヒト・・・さくさく進み、アクセントのきいた辛口演奏。しかーし、単に冷たい感じではないのです。なんとなく私の中の「雪の馬車」のイメージにぴったり重なったのです。モーツアルト交響曲は、名演として他のものを選ぶだろうけど、40番はこれ!!
<ベルリオーズ・幻想交響曲>
マゼールでピンとこず。ミュンシュで開眼いたしました!!首切りのとこがもうね、面白くて面白くて。キレがある感じ。冷たくないんだけど、パワーがある。その後、ケーゲル盤を聴きます。ケーゲルはおどろおどろしい!!好き嫌い分かれそうですが、アルコールの匂いのようなイメージの冷たさ。私はケーゲル好きですが、幻想交響曲もおどろおどろしくて楽しい。


簡単ではありますが、こういう感じです。
2014年12月03日 22:28

{雑文}北欧がおもしろい!!ヤルヴィ一家の話2
エストニアのタリンという街。エストニアの首都だそうです。海に面していてIT産業が盛ん。「北欧のシリコンバレー」ともよばれる。スカイプもここで開発されたそうです。エストニアはエストニア語とロシア語を母国語とする人が半々だそうです。で、旧市街は世界遺産。これが、まあ町並みが美しい。淡いというより「薄い」感じ。空気すら薄いんじゃない?と思うほど。色彩はあまりなく、「白」がとにかく美しい!!(わたくしの好きなユトリロの絵を彷彿とさせます。ユトリロはパリ風景だけれども・・・)なんで、古い建物が残っているのかというのは「タリン」という街の歴史のなせる業のようです。

<タリンの歴史>
1219 デンマーク王バルデマー2世が十字軍を率いて侵攻。トームベア城を築く(タリン=デンマーク人の城、という意味)
1285 ハンザ同盟に加入
1346 デンマークはバルト海東海岸の植民地を銀貨13000マルクでドイツ軍に売却
1561 ドイツ騎士団解体
1583 エストニア(エストラント)はスウェーデンに割譲
1710 大北方戦争によりロシア帝国の支配下に
1918 エストニア独立。首都になる。
のちドイツ帝国の軍事占領を受ける
ソ連との戦争
1920 タルトの条約独立承認
1940 第二次世界大戦初期・ソ連の軍事占領
1941-1944 ナチスドイツの占領下
ナチスドイツ撤収後はソ連が再侵攻。ソ連領に。
1980後半 独立の気運が高まる。
1988 タリン近郊「歌の原」に約30万人集まる(当時エストニアは人口約150万人)ソ連に     よって禁止されていたエストニアの民謡を歌う
1989 タリン・リガ・ヴィリニュスのバルト三国の3都市を「人間の鎖」で結ぶ運動に100万     人が参加した。
1991 エストニア独立。(「歌による革命」といわれることがある) 


歴史をみると、さまざまな政治形態に取り込まれながら街のなかで人々が生活してきたことに何か心にせまるものがありました。大きな戦闘もなく支配されてきた土地なのかもしれません。だからこそ、旧市街の街並みは残ったのでしょう。

ヤルヴィ一家は渡米している。渡米してもなお、一家のルーツを考え、指揮してきた・父ネーメ。現代・近代を研究し指揮してきた父ネーメ。近現代音楽には、政治ときっても切り離せない面があり、限られた環境の中で声を発していった作曲家、指揮者、演奏家がいる。現代史をちょっと調べてみると、音楽史に出くわします。純粋に音楽を聴くのももちろん良いのですが、こういう背景も面白いな、と思いました。
2014年11月26日 20:55

{雑文}北欧がおもしろい!!ヤルヴィ一家の話、1
偶然、耳にした「パーヴォ・ヤルヴィのベートーヴェン。パリ管」これが、まあ~弦が美しくて優しくて、素敵だったのですね。またこの動画の指揮者・ヤルヴィさんの、おっ様ぶり!!ダンデイなこと・・・・頭の薄い大作りなかんじのお顔なんですが、顔うんぬんより指揮ぶりが奏者に優しい。きちんと奏者の息にあわせて指揮をするんです。奏者のタイミングというのもあるでしょう。あせらせることなく「4、3、2、1、はいっ」という感じの指揮。優しいんです。また、嬉しそうに指揮するんですよ。これ奏者だったら惚れますね(笑)人間、顔うんぬんではございません。
案の定、奏者も惚れたようでヴァイオリニストと結婚、離婚。フルート奏者と再婚しているようです。デュトワ(この方もアルゲリッチ(P)、ヴァイオリニストと結婚、離婚しているそうですが)のある種「チョイ悪」オヤジとはちがって、いたって紳士的。おおお、素敵だわ~。

<パリ管首席指揮者>
ミュンシュ(1967~1968)
カラヤン(1969~1971)
ショルテイ(1971~1975)
バレンボイム(1975~1989)
ビシュコフ(1989~1998)
エッシェンバッハ(2000~2008)
パルヴォ・ヤルヴィ(2010~)


して、ヤルヴィで音源を探しますと「ネーメ・ヤルヴィ」「パーヴォ・ヤルヴィ」「クリスティアン・ヤルヴィ」とでてきます。
これはネーメ(1937・6・7~)父。エストニアの指揮者。アメリカに渡米。ニューヨークに移る。金管をきかせた爆演することも。北欧の近現代音楽家、マイナーな音楽家のものを幅広く演奏。
パーヴォ(1862・12・30)息子。エストニア、首都タリンで生まれた。弦楽器フィンランド指揮者・パーヴォ・ベルグランドより名づけられた。しっとり、木管をまろやかに指揮。シベリウス、グリークなど北欧の音楽家中心だが、ドビュッシーなども。2010~パリ管首席指揮者。NHK交響楽団(2015・9~)にやってくるそうです!!!!!!
クリスティアン(1972・6・1)末息子。オルフの「カルミナ」、ハチャトゥリアンを振っています。

父の幅広いレパートリーが目立ち、どうしても父のものが目立ちますね。クライバー父子とは違い、活躍した時代がそんなに変わらないのでCD購入時、要注意です。

父のレパートリーがなかなか面白いです。
プロコフィエフ(1891~1953)「ソ連」の音楽家
ラフマニノフ(1873~1943)の歌劇。ロシア音楽のトラディッショナル
リムスキー=コルサコフ(1844~1908)ロシア
タネーエフ(1856~1931)ロシア。ピアニストでもあった。
メトネル(1880~1951)ロシア。ピアニストでもあった。
カバレフスキー(1904~1987)ロシア・サンクトペテルブルク出生。
グラズノフ(1865~1936)ロシア・サンクトペテルブルク出生。
シュニトケ(1934~1998)ソヴィエトで生まれる。ドイツ系の両親。
シュミット・フランツ(1874~1939)ドイツ父、スロヴァキア母。ハンガリー出身。
ペッテション(1911~1980)スウェーデン
プゾーニ(1866~1924)イタリア。クラリネット奏者の子。
ヒューバード・バリー(1841~1903)英
ステンハンメル(1871~1927)スウェーデン。ピアニストでもあった。ヤルヴィも指揮。
シャルヴェスカ・フランツ・クサヴェル(1850~1924)ポーランド系ドイツピアニスト。
ハルヴォルセン・ヨハン(1864~1935)ノルウェー
スヴェンセン(1840~1911)ノルウェー
コルンコルド(1897~1957)モラヴィア(現チェコ)生まれ
ドヴァリュートス(1904~1972)リトアニア。リトアニア民謡調。
チャドウィック(1854~1931)米
ベルト・アルヴェ(1935~)ロシア。プロコフィエフ・ショスタコーヴィチの影響下


初めて聞いた名前も多く、マイナーな作曲家好きさんにはネーメ・ヤルヴィさんの録音は宝箱なのだと思う。ロシアものは分かるけど、この無国籍ぶり・・・・出身地が気になってきました。父の録音がある「エイノ・タンベルク」に「謎をとく鍵がある」と思うのです。

エイノ・タンベルク(1930~)ソ連時代のエストニアの作曲家。民族色が豊か。
トゥービン(1905~1982)エストニア生まれ。

そう。エストニア!!!!ヤルヴィ一家はエストニアの首都・タリンで出生しているのです。
単なる「北欧」では言い表せない物語があるようです。

というわけでタリンの街物語につながっていきます。
2014年11月26日 17:31

◎協奏曲の魅力
協奏曲とは・・・
オーケストラと独奏楽器で演奏する曲のこと。たいてい3楽章形式。作品が多いのは、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲。コンチェルトともいう。協奏曲は演奏会の華だった。はじめはオケは伴奏という位置づけだったが、時代と共に「協奏」というスタンスになっていった。

ピアノ協奏曲・・・
モーツアルトは27曲作っている。20番台の8曲が特に名曲とされ、なかでも20番ハ短調は初めて短調で書かれた美しい曲。ベートーヴェンは5曲しか書かなかったがいずれも名曲。第5番「皇帝」は豪華絢爛。
ロマン派は名曲の宝庫。ショパンは2曲書いている。ピアノの詩人ならではの哀愁を感じる曲。ピアノ独奏が多い。シューマンはただ1曲「イ短調」を残している。リストはトライアングルの愛らしさが際立つ「第1番」。ピアノの華麗さが堪能できる。ブラームスはオケ部を手厚く書いた。「第2番」が魅力的。チャイコフスキーのピアノ協奏曲は大変人気の曲。ノルウェーのグリークの「イ短調」と人気を二分する。洗練されたピアニズム。ラフマニノフの「第二番」は「愛のピアノ協奏曲」はロシアン・ロマンスのエッセンスが堪能でき、洗練された美しさのある曲。
20世紀になってからはバルトーク「第2番」とプロコフィエフの「第3番」が傑作。フランスのエスプリとジャズの要素を融合したラヴェルの「ト長調」も面白い。

その他協奏曲・・・
最も古いヴァイオリン協奏曲といえるヴィヴァルデイ「四季」。そのヴィヴァルデイを敬愛したバッハの3曲では「第1番」が傑作。モーツアルトは、あらゆる楽器のための名作を残した「協奏曲の元祖」だが、ヴァイオリン協奏曲は「トルコ風」の副題で有名な最後の「第5番」が名作。4大ヴァイオリン協奏曲とされているのは、①ベートーヴェンがただ1曲書いた「ニ長調」。ロマン派の華やかさはないが、重厚な趣。②メンデルスゾーン「ホ短調」ロマン派の飛翔が美しい③オケが重厚、交響曲のようなブラームスの「ニ長調」④チャイコフスキー「ニ長調」哀愁を帯びた情熱的な調べ。
  かつてはオーケストラの低音域を支えるチェロだったが、18世紀以降は協奏曲が作られた。ボッケリーニにはじまり、ハイドン、シューマン、サン=サーンス、エルガー、ショスターコヴィチまで名作は多い。ドヴォルザーク「ロ短調」が極め付きといえる。
  ヴィオラはバルトークの遺作となったバルトーク「ヴィオラ協奏曲」。ベルリオーズは交響曲と題された「イタリアのハロルド」。コントラバスは自身も名手だった指揮者のクーセヴィツキーのコントラバス協奏曲というのがある(かなりマニア向け)
  ハープ協奏曲がかかれるのは近代以降。が、もっとも有名なのはバロック時代のヘンデル「変ロ長調」(原曲はオルガン協奏曲)ギター協奏曲は20世紀のロドリーゴの「アランフェスの協奏曲」が不滅の名作。
  管弦楽を独奏とする協奏曲はモーツアルトの作品で網羅できてしまうほど。フルート協奏曲は2曲とも明るく爽やか。その「第2番」を編集した「オーボエ協奏曲」クラリネットは最高傑作とされる「イ長調」。ザルツブルク時代に書いた「ファゴット協奏曲」晩年に同郷のホルンの名手に捧げた4曲のホルン協奏曲。「フルートとハープのための協奏曲」は傑作。
  ヴィヴァルデイ、フルート協奏曲作品10の第3番(「ごしきひわ」)フランス近代のイベールのフルート協奏曲。Aマルチェルロのオーボエ協奏曲「ニ短調」は「ベニスの愛」の愛称で親しまれている。R・シュトラウスのオーボエ協奏曲「ニ長調」。ウエーバーのクラリネット協奏曲「第1番」。ハイドンのトランペット協奏曲「変ホ長調」。R・シュトラウスのホルン協奏曲「第2番」はモーツアルトを思わせると評される。

*「極上のオーケストラ鑑賞ガイド」草思社  参照。
2014年11月22日 22:42