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~つれづれクラシック日記①~ミクシィページより

☆<読書>高嶋ちさ子の名曲案内~心が豊かになるクラシック~ PHP出版
高嶋ちさこさんが好きか嫌いか?高嶋さんが、芸術的に優れているか否か?はたまた、親しみやすく・・・とする活動のよしあし。。。
そこはおいておいて、とりあえず読んでみましょう!!
1つの曲に対して4ページにまとまっているのが、すばらしいです。
簡潔でわかりやすい。高嶋さんの毒舌で、何度か吹きましたし。
食わずぎらいはもったいないですよ。
自分で演奏もしないような、批評家よりよっぽど、ためになりますもん。
さて、気になったところの話。
オルフさん。(今、私のブームでして・・・)本書より抜粋。


作曲者のオルフは、40歳を過ぎてから作曲活動をしたという変わった経歴の持ち主です。そのきっかけになったのが、ミュンヘンの王立中央図書館に眠っていた「カルミナ・ブルーナ」との出会いでした。これは中世の名もない流浪僧や吟遊詩人たちが、自由奔放に歌い綴った詩を集めたもので、作曲に際して、それらの詩を「春」「酒場(特に飲酒と酒場)」「恋愛」のカテゴリーに分け、さらに自作の歌詞まで加えたのがこの「カルミナ・ブラーナ」にあたるそうです。
でも、「酒や女」というより「中世の魔女狩り」のようなこわーいイメージなんですね。しかもバリバリの宗教音楽だと思っていたら、その対極にある世俗音楽だっていうんだから、私の感性を疑いたくなります。というか、曲と詞が合ってないよ!オルフさん、君とは感性があわん。
 この原稿のために、歌詞を読んでみたのですが「森の花の美しさ」「酔っ払いの坊さん」なども描かれ、なかでも第12曲「昔は湖に住まっていた」は、焼き鳥にされる鳥の心境を綴ったもの。ますます歌詞と音楽のギャップに驚きました。(略)
それにしても驚くのは、ドイツでもっとも売れたクラシックアルバムが、カラヤンでもパバロッティでもなく、このCD(ヨッフム指揮「カルミナ・ブルーナ」)だということ。こうなってくるとドイツ人とも友達になれないきがしてきた。とにかく人気曲であることは間違いないらしいです。

いやー、おもしろいですよね。オルフさん。カルミナ・ブルーナ・・・このところ、狂ったように聴いていますけれど、そういうことかあ。と思いました。

酒、女、魔女、踊り、祭り・・・・おおらかな魔女文化というのが、南ドイツにあると思うんですよ。日本にも、おおらかな性のお祭りが古来あったような。魔女狩りっていうのはキリスト教文化が、古来の文化を弾圧したようなものだから(私個人の認識です)「酒や女」=「魔女」という感覚は非常に適切だと思うのですよ。宗教曲をきちんとやるとなんか楽しくなってくるというのもあって、宗教曲っぽい世俗曲という感覚も面白い!!とても変な発言ですがお経のお坊さんの声って、めちゃセクシーじゃないですか???あれ?私の感覚がおかしい??「おどろおどろしい」を、うわー、なんだか笑える、と思う私は「カルミナ・ブラーナ」の虜!!!かなり、好き嫌いが分かれそうだし、日本人受けしないのかも・・・とも思いました。いや、私、バリバリ日本人ですけれども・・・・そんなこと思いました。

さて、この本、おもしろいですよ。こんな風に、ゆるーくゆるーく音楽を楽しんでいきたいな、と思いました。

20081128初版発行。

※それにしても副題誰がつけたんでしょう?センスないなあ。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 20:11

<読書>宇野功芳 人と批評  想田正著 青弓社
1930年、東京生まれ。1960年、国立音楽大学声楽科卒業。
宇野さんは、こういう方。音楽批評の重鎮なんですね。
で、インタビュー形式で、宇野さんの考えが紹介されています。
今までの、批評も紹介されています。
他の評論家絶賛したものを批判したり、誰もとりあげられなかったものを紹介することも多かったそうです。同じCDも、批評がかわってきたりもしたそうです。

評論そのものには、私の考えと異なるものもありました(ケンプさんはわたしの理想のピアノ弾きなのだよ)が、「自分の耳で」「できるだけ公正に批評しよう」という考えに大いに賛同できたし、ご自分が音楽をされていることもあって、彼の考え、とらえかたがはっきりしているのが、なんともすばらしいと思います。それに、受け手が変わっていく以上、評論もかわるのもありうることですから。
最近の傾向として、平均化されたランキングがもてはやされていますが、いろんな批評家のいろんな意見をききたいのであって、ランキングされた情報なんていらない・・・・のだがなあ。こういう、ちゃんとした批評家、今の時代にいないよなあ・・・・。
 
20101204初版発行。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 20:04

<読書>最高に贅沢なクラシック  許光俊著  講談社現代新書
僕が、約十年前、それまでつとめていたある国立大学を去って別の大学へ移った理由のひとつは、洗面所が汚かったことだ。僕はそんな洗面所を使うのがイヤで、学校へはなるべくいないようにした。どうしても仕方がないときには、車に乗って近所のファミリーレストランまで用を足しにいった。人はこれを極端だ、病的だというだろうか。だが、僕に言わせれば、その程度の感じやすさを持たない人間に芸術を語ってもらいたくない。少なくともクラシックやオペラについては。(本文より)

教授、なるほど~。聴くものにも資格があるのですねえ~だから次のような繊細な文章をお書きになるんですね!!!!

そもそもタクシーなど、ドア・ツー・ドアの快適さがあっても、しょせん公共手段にすぎない。僕は、人間やら消臭剤やらわけの分からない臭いのするタクシーに乗るたびに、どんな男と寝たかもわからない娼婦を連想して、はやく降りたくなる。(本文より)

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毒吐きました(笑)そもそも、車と娼婦の発想って、繊細な人間が発するものですかね?病的と芸術って似てるようで違う。昔、少年犯罪の犯人が書いた文を「天才だ」と、女性の作家が大絶賛した。あの程度、自尊心と劣等感で病んでる中学生なら、みんな書ける陳腐な文だ。今で言うところの「中二病」というやつ。
それを、好きか嫌いかは、人それぞれ。

このかたの文は、ヒステリーで、自分の意見と客観的事実を分けられなくて稚拙。ライナーノートは、詩的に書いても、感想文でも、客観的事実だけ述べてもいい。でも、発している本人が、自覚していない。

私は、ケーゲルの指揮のCDで、きに入ったものがあったのだけど、この方の文で感動が10分の1ほどになりましたわ。邪魔しないでね。二度とライナーノート書かなければいいのに。

作曲された土地で、その国の指揮者が、その国の楽団で演奏されるのが、正しい芸術と思っていらっしゃる。繊細な神経をお持ちだと、そのような聴き方しかしちゃいけないんだと。

日本人にも分かりやすい指揮をしてくれる日本人指揮者がいてもいい。日本の作曲家の曲がその土地風にアレンジされて、広まったら嬉しいじゃない?優れた訳者は、原文に匹敵する。時として超えることもあるかもよ。

聴く方だって、その人によって、いろいろと思うところがあるはずだ。何度か聴いて、違って聴こえてくるのもたのし。とにもかくにも、ライナーノート読んでなんでこの人嫌いかなー?、と思っていた謎が解けました。

この方は、大学教授ですと。どんな大学?と思ってしまうよ。話題性??
それとも、われわれの大学は特別な大学だという洗脳教育??
それとも、学生にわれわれはクラシック聴く資格があると洗脳して、車やCD、酒などの消費を活発にして、日本経済を活発にするための国策??

20120620初版

※ところで、現代新書大好きだったのですが(クリーム色のシリーズ)表紙がかわって、どうしてこんなワケ分からん本が出版されてるの??悲しいなあ・・・・。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 19:57

<読書>クラシック音楽は「ミステリー」である  吉松隆著 講談社アルファー新書
この方は作曲家のようです。読みやすいし、例もわかりやすくておもしろいし、本の構成も良いと思います。
特に、オペラ・・・最初に登場人物をざっくり説明することで、オペラの内容を良く知らない私も読めました。
が、どうも天才型作曲家への言葉がきつすぎて少しイヤでした。ご本人は天才型作曲家への嫉妬というカッコつきの記述もされていますが。それにフェミニズム的に許せない表現
(私は「悪妻」って男性社会の考え方からしばしば作られる、と思うのです)もありました。あと、主張を文にごちゃまぜにしてしまうところがあり、少々「いや、ここからはあなたの考えだから・・・・」とたしなめたくもなり・・・・クラシック好きの男性は鼻につかないかもねえ・・・・・
さて、もっとも納得いかなかった文を転記しておきます。

例えば、「ピアノがうまく弾ける」というのは「ボタンの早押し」や「もぐらたたきゲーム」と同じ反射神経の問題だし、どんな音もドレミで聴こえるという「絶対音感」にも、パブロフの犬以上の意味はない。それは、訓練と対応能力の問題であって、「音楽」の才能とは全く別の要素だ。また、子供の頃から「音楽」の早期教育を施し、ほかの時間を「無駄」と切り捨てて「音楽」だけを吸収させることもきわめて危険だ。


20091220初版発行

↑本人「つれづれ読書感想文」から転用。
2014年10月14日 19:49

<読書>ぼくたちクラシックつながり~ピアニストが読む音楽マンガ~青柳いづみこ  文春文庫
この方のエッセイ(クラシック関連ではない)を読んだことがあって、読みやすい文だなー、と思っていました。この本も、全くそのとおりでわかりやすく、とても正直にクラシックのことが語られます。うん。クラシックなんて、お金儲けにはならないですもんね。なんでも、日本は音大生が多い国柄らしい。(美大生もおおいと思うのだが、そこのところどうなんだろう?)なんというか、芸術に携わってますう・・・的な、そして、そこから生まれる美辞麗句がないのが、本当に信用できる。コンクールのこと、音大のこと、コンサートのプログラムのこと・・・など、かたられます。彼女なりの見解をはさむときはきちんと表記し、引用もとも明らかにしている、とてもきちんとした文章です。

最近、クラシックまんが(ゲーム)も増えてきて、まんがのこと「のだめカンタービレ」「ピアノの森」「神童」のストーリーも例にあげて語られます。まんがを知っていれば、もっと楽しめたかも(のだめ・・・主人公に共感できず、挫折・・・・)

フランスの若手ピアニスト、アレクサンドル・タローはこんなことを言っています。「ほとんどすべての国際コンクールのファイナリストには日本人がはいっている。でも、世界でもっとも知られた20人か30人かのピアニストの中に日本人が入っていないでしょう?(著者独白・内田光子を無視するな!)なぜかというと、コンクールはもうたいした効き目はないからですよ。今はあんまりたくさんありすぎる!演奏家としてせいこうするために国際コンクールは必要ないですよ。エレーヌ・グリモーをごらんなさい」(本文より)

著者独白がうれしかったですね。全く、同感です。

20080220初版。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 19:42

☆<読書>大作曲家たちの履歴書 三枝成彰著 中公文庫
作曲家は奇人変人です。
ショパンはひもだし、シューマンは変に男気があったため、才能ある妻や後輩(ブラームス)にたいして劣等感のかたまりです。ワーグナーは女性にだらしないだけでなく、お金にもだらしない。しまいには、王様までだまします。まともなのはユダヤ人であるメンデルスゾーンくらいなものです。

ベルリオーズは、女性と女性の母親、女性の夫を殺害し自身も自殺しようと画策。使用人の服やら阿片やらストリキニーネまで用意するのに、列車の遅れと空腹のため挫折。。。(笑)
ブラームスは、上半身と下半身が別人で現実の女性には手を出さない。そのてのお店には通いつめる。これを純愛とするか。。。。かなり疑問です。なんだか、気持ち悪くないですか?ベートーベンはもっと面倒くさい。観念でしか、ものを見ない。「きもい」おじさんです。

お金と暇をもてあましたご婦人方が、ひも男にちょっかいをだす。婦人は芸術家に「ファムファタール」あつかいをされる。だれだれ婦人の不倫相手が、作曲家、画家のだれだれで・・・・という話ばかりです。愛だの恋だのはなしのなか、けっこうすてきな作品が生まれたりします。アルマ・マーラー(マーラー婦人)なんてどうしようもない女だと思いますが、すてきな芸術が生まれたと思えばよかったのでしょう。

個人個人はどうしようもない人ばかりなので、音楽教育では、あまり若い人には教えないらしい。。。。もったいない。昔は「クララ・シューマン」とか「ショパン」とか学習漫画で読んだきがしますが、今はないのでしょうか?芸術ってそんなに崇高なものでもなく、実社会にあまり適合できないようなどうしようもない人が素敵な作品を作る。観念でしかものをみないベートーベンですが、気持ち悪いおもしろさ・・・があるわけで。。。。音楽を崇高なものにしちゃったのもベートーベンなんですよね。クラシック好きなんていうと、高尚な趣味と言われてしまう。。。。そんなとき、返答に「不倫」や「自殺」などのスキャンダルが大好きだから!!!といえばいいそうな。クラシック好きさんに聞いた話ですが。

女性関係図や家系図があって、とてもわかりやすかったです。またシューマンの話がでたら、ブラームスの話。リストの話がでたら、ワーグナーのはなし。関係深い作曲家をきちんと絡ませて説明するのもわかりやすい。作曲家、指揮者の著者のわかりやすい文章もほんとすばらしいです。クラシック好きなら必読の一冊!!

モーツアルト、バッハを追加しての文庫化だそうです。

上 バッハ
  モーツアルト
  ベートーヴェン
  シューベルト
  ベルリオーズ
  メンデルスゾーン
  ショパン
  シューマン
  リスト
  ワーグナー
下 ヴェルディ
   ブラームス
  チャイコフスキー
  フォーレ
  プッチーニ
  マーラー
  ドビュッシー
  Rシュトラウス
  シェーンベルク
  ストラヴィンスキー

「大作曲家たちの履歴書」(1997.5)中央公論社。
大作曲家たちの履歴書(2009.12.25初版)中央文庫

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 19:35

<読書>カラヤンがクラシックを殺した  宮下誠著 光文社新書
カラヤンの演奏を少なからず、聴きました。
CDをあえて買おうと思わなくても、曲の紹介的なものに必ずでてきます。
好きだとも、嫌いだとも思いませんでした。どうでもよかったんですね、多分。
「アダージョ・カラヤン」なんていうのもありましたが、おそらく「つぎはぎ」なんでしょ?と否定的でした。
カラヤンを否定するのが、クラシックファンの主流だった時期もあったようです。見識者に同調し、良く知らず批判するのもイヤでした。が、この本を読み、なんで私がカラヤン好きにならなかったかが分かりました。

クラシックが「癒し」なんて言われました。「アダージョ・カラヤン」なんてその典型でしょう。そもそも、国民性や政治的なものが絡むもの・・・クラシックに毒がないわけありません。クラシックが「すばらしい芸術」「高尚なもの」「癒し」になんでなってしまったのか?

全体のオケがぼろぼろでも、ああああ、この低音好きーとか、この躁鬱のとこ好きー、とか思ったっていいではないですか?もしくは、毒を求めて、音楽を聴いたっていいではないですか?

カラヤンの音楽が(パッケージ、販売戦略が)「このようにきいてください」というように感じたんですね。

「泣ける映画」が大嫌いです。どんな映画で泣くかなんて、受け手次第。「タイタニック」「アルマゲドン」の泣き所が分からない私は「モンスターズ・インク」で、泣くぞ。

昔、本を読んでいる同級生の娘に「何読んでるの?」と、声をかけましたら「本の話題をしないで」と強く怒られました。その時、読書ということがハイソな文化と捉える考えがあることに驚愕しました。分かろうが分かるまいが、好きな本を好きなように読むことは、ゆるされないのかしら?と、思いました。

クラシックはこういうもの、という押し付けをしてしまったように思うのです。戦後のクラシック音楽の流れはやはりおかしかったのかも。日本のクラシックファンは、アイドルのおっかけのように、指揮者や演奏家に群がる人が多いという。なんてこったい。「売れる」CDを作ろうと思ったら、アイドルCDのように、イケメンや美女パッケージのCDばかりになるのかしら?おじさんが、おどろおどろしい指揮してるCDなんてなくなってしまうのかしら?

あーでもない、こーでもない・・・・と思うのが、音楽や読書、映画の醍醐味であって、無菌のきれいなパッケージのものなど、欲しくないのです。

無自覚に「癒し」を求めていく受け手にも十分責任があり、発し手の「こんなものでしょ?」感に気づかないのでしょうか?分かりやすさを求めて、自分で何かを掴もうとする意識を手放してしまったように思うのです。それは、音楽だけでなく、「講義」や「本」であっても。

というわけで、カラヤンのヘイトスピーチではなく、クラシック論にも通じる良書です。まあ、ケーゲル好き、クレンペラー好きは分かったけど、対比がいまいちだったかな?(ケーゲルが躁鬱だったのはおもしろかったけど)

<アダージョカラヤン>に関して
「癒し系」という言葉はいつごろ誕生したのだろう?この言葉自体が世界の、或いは人類の絶望的状況の深刻さを逆説する。このアルバムはカラヤン死後にリリースされ、世界的ヒットを飛ばしたオムニバス。これくらいつまらないアルバムもめずらしい。美しさのきわみだが、カラヤンの名誉のためには即刻回収処分するべきだ。

本文より
(音楽を、耳の快楽、感覚の喜びと考える向きに関して)しかし、ここで、ほんの少しの時間でも良いから踏みとどまって考えてもらいたいと思う。音楽はそのようなもの以上のものだとわたしは確信している。音楽は悟性の歓びであり得るし、認識の歓喜でもあり得るのだ。音楽を聴くことによって、人は、世界とは、人類とは、個人とは、芸術とは、文化とは、或いは幸せとは、不幸とは、絶望とは、苦しみとは何か、ということを考える契機を手にすることもできるのである。そのような聴き方があっても良い。そう私は考える。

著者は西洋美術史、芸術学の学者さんのようです。

20081120初版。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 19:25

<読書>クラシック音楽の歴史  中川右介  七つ森書館 
クラシックジャーナル編集長。読みやすい文章、偏りがない。必要以上に覗き見主義にならないところが、とてもよい。で、クラシックの形式や歴史、作曲家をはさみつつ、まったくしつこくなく全体を見渡している感じ。もちろん、興味があることは踏み込みが甘く、興味がないことは全くおもしろく感じられないのですが、クラシック通史としては、読みやすいです。興味があったらこの本、映画をどうぞ。のようなコメントも親切!!

さて、この本を読んでて気がつきました。私がクラシックでいうところの声楽になじめないわけ。

1、イタリアオペラ
ドネセッティ(1797~1848)、ベリーニ(1801~35)の二人の作品には主役のソプラノが気が狂ってしまう「狂乱の場」があり、高音の限界を出すことで、異常な精神状態、人間の心理の限界を表現することを発明した。これこそが、オペラでなければできないものだった。

2ミュージカル
歌唱法も、オペラとミュージカルでは異なる。ミュージカルの歌唱は、基本的にはポピュラー音楽と同じ発声法である。ミュージカルは映画にしてもあまり違和感がないが、オペラを映画にすると、その歌唱法がリアルな映像とかけ離れ、違和感が発生する。その逆の例が、ミュージカル「オペラ座の怪人」(アンドリュー・ロイド=ウェーバー、1986)この作品は、オペラ歌手を主人公にしたミュージカルという複雑な構造をもつものだが、映画化された際(2004)オペラ歌手という設定の歌手がポピュラーソングの発声法で歌っているのに仰天したものである。「あんなのオペラ歌手じゃない」という批判があった。

↑独特の、オペラ発声法が苦手なんですね。人工的というか、無理な発声が。。。だって私、ポピュラーソング発声法(子供向けの歌い方?)は大好きですもの。もちろん「あんなのオペラじゃない」オペラ座の怪人は、大好きな映画の一つです。

国民学派、おもしろいです。今、興味があるスメタナの「わが祖国」は6曲からなるのですが(「高い城」「モルダウ」「シャールカ」「ボヘミアの森と草原より」「ターボル」「ブラニーク」)はチェコの歴史や神話についての知識がないと、理解しづらい←そんなこといわれると、ますます手を出しづらくなってしまいますよね。。。。。うーむ。

チャイコフスキーはドイツをお手本としつつも、ロシア特有の情感をこめた作品を発表していった。そのため、ロシア人のなかでは、ドイツとロシアの折衷だとして批判されることもある。←ドイツ的で重くてドラマチック!!私は好きですね。やっぱり外国で人気があるそうです。

モーツアルト、シューベルト、スメタナが梅毒で死んだとされている。←モーツアルトは知っていたけど、あと二人は知らなかった。シューベルトまでは時代?とも思うけど、スメタナはびっくりですね。精神を病んで保護施設で亡くなったそうです。昔は梅毒の治療薬が、水銀でできていて、水銀中毒で精神に異常をきたしたり、死亡にいたることを聞いたことがありますから、関係があるかもしれませんね。

平野啓一郎著「葬送」(新潮文庫)は文庫で4巻の長編だが、ショパンとサンド、そして画家のドラクロワを主人公にした小説。2002年には祖国ポーランドで「ショパン 愛と悲しみの旋律」という劇映画も製作された←こんな感じで紹介していただけるのが、親切だなあ、と。ショパンは、いまさらとも思いますが、平野啓一郎さんに興味があるので読んでみようかな?(三島ファンだそうですし、新聞に寄稿していた家族関係に関するコメントもとても感動したので)

ワーグナーのユダヤ嫌いは、本人の借金の高利貸がユダヤ人だったとか、リストは弟子が400人とかレッスン料をとらなかったので、多くの人に感謝されたとか。。。。とくに、リストはイケメンでちゃらい男だと思っていたので(笑)面白かったです。

ちなみにこの著者、三島由紀夫の本も書いているようで、こちらも読んでみたいな、と思いました。

20130701初版。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 19:13

☆<読書>すぐわかる!4コマ西洋日本史3ロマン派後期~近現代 森本眞由美 yamano music media corporation
昔、習い事の先生が「学習漫画でざっくり読むと分かりやすい」とおっしゃっていまして私もそう思っています。

で、この本はそんな「学習漫画」的なよさがあります。クラシックというと、曲の説明だけになったり、自伝だけになったりするのですが、この本は文化、時代背景、他の音楽家の話も混ぜつつ、分かりやすく簡潔にすすみます。

ヨーロッパ現代史に興味があり、本当に興味深く読みました。

興味のあるところを抜粋。
チャイコフスキー:1840年生まれのチャイコフスキーは、クリミア戦争が始まった翌年の1854年、14歳で母を亡くします。法律学校の本科で学んでいた彼は、コレラによって40歳で亡くなった母の死以降、すこしづつ音楽に傾倒しはじめます(略)サンクトペテルブルク音楽院の恩師の弟で、ピアニストのニコライ・ルビンステインがモスクワに開設した音楽院の講師に招かれたチャイコフスキーは、音楽理論を教えながら、作曲にうちこんでいきます←好きなんですよ、チャイコフスキー。なんとなく湿っぽい感じ。おしゃれじゃない感じ。情緒に流されきってない感じ。公務員をやめ、音楽家になったというので、なんとなく納得しました。

<五人組>
「近代ロシア音楽の父」ミハエル・グリンカ。プーシキンの詩に基づく「ルスランとリュミドラ」
         ↓弟子
〇チャイコフスキーにも大きな影響を与えたパラキエフ(1837~1910)
  「管弦楽のための3つのロシアの主題による序曲」
あとの四人は正規の音楽教育を受けておらず、別の職業に就く。
〇ポロディン(1833~1887)化学者。オペラ「イーゴリー公」。その第二幕の「ダッタン人の踊りと合唱」は有名。
〇キュイ(1835~1918)ペテルブルク軍事アカデミー教授。
〇ムソルングスキー(1939~1881)公務員。ピアノ組曲「展覧会の絵」、管弦楽曲「禿山の一夜」、オペラ「ポリス・ゴドゥノフ」。母の死後、アルコール依存が始まりグループの中で、一番早く、42歳でなくなる。
〇リムスキー=コルサコフ(1844~1908)海軍士官。1871年にペテルブルク音楽院の教授となった。交響組曲<シェエラザード>でしられるように、色彩豊かな管弦楽法が特徴的。1889年のパリ万国博覧会ではロシア音楽の演奏会の指揮者を務め、自作のほか、ムソルグスキーやポロディンなどの作品を紹介。この演奏会にはドビュッシーやラヴェルも訪れており、後の印象派音楽につながっていった。

<ナチス下のドイツ>
リヒャエルト・シュトラウスはユダヤ人だったメンデルスゾーンの<真夏の夜の夢>を抹殺するために同じタイトルの曲を書けという命令を拒否するなどして帝国音楽院と衝突。1935年には総裁を辞任しているが、フルトヴェングラーはパウル・ヒンデミットの作品を擁護したりしながら、最後まで音楽家たちのためにドイツにのこり指揮を続けた。1945年の1月23日、彼はベルリンフィルを指揮。その後、ウイーンでウイーンフィルを指揮したあと、2月はじめにスイスへ亡命した。

<チェコ>
現在のチェコ共和国の首都プラハは14世紀に神聖ローマ帝国の首都になったこともあり、中世ではローマやコンスタンチノープルとならぶ大都市だった。しかし、16世紀前半からはハプスブルク家の支配下にはいり1618年にプラハ城で起こった事件は30年戦争に発展。1648年、スウェーデン軍に包囲されたプラハは各国の軍隊に蹂躙されるところとなった。チェコは政治的な重要性を失い、王宮はウイーンへと移る。また、チェコ語の使用も禁止され、文化的にも弾圧が続き、その後の2世紀はチェコ民族にとって「暗黒の時代」となった。しかし、フランス革命などの影響を受けて1848年には市民が蜂起した。「チェコ音楽の父」と呼ばれているべドルジフ・スメタナ(1824~1884)は、民族主義の高まりとともに成長し、このプラハ革命にも自ら国民義勇軍の一人として参加。

<国民楽派>
グリーグ(1843~1907)<ペール・ギュント>作曲。ノルウェーの作曲家。
シベリウス(1865~1957)交響詩<フィンランディア>作曲された1899年。ニコライ2世による自治権廃止に対して独立運動が巻き起こっていた。愛国心を鼓舞するものだとしてロシア政府によって演奏禁止処分になっている。
ドヴォルザーク(1841~1904)チェコ民族の物語や民謡を聴きながら育った。1848年の「諸国民の春」の革命を7歳になる前に体験。1875年のオーストリア政府の奨学金でアメリカへ。(奨学金の審査員にはブラームスがいた)イギリス、アメリカで活躍。

20120101初版発行。

↑本人「つれづれ読書感想文」より転用。
2014年10月14日 18:58

<雑文>オルフのあれこれ
ケーゲルboxに入っていた、オルフ「カルミナ・ブルーナ」
現代音楽は聴かないぜ!!とか、声楽入っているのは聴かないぜ!!とか、思っていたのは誰???というくらい、聞き続けました。
一日、三回。このところ3時間くらい常に聞いておりました。

バラエテイー番組でよくきくやつ。最近では「ほこたて」という番組で使われていましたかね?
宗教曲。なんですけど。これが、まあ面白い。眉間にしわ寄せて、歌っているのが、冗談のようです。言ってみれば、お葬式でめちゃ笑ってしまう感覚・・・と申しましょうか。笑っちゃ駄目、という状況下で、なんか楽しくなっちゃう感覚・・・これは、必死で音楽をやっているからこそ、笑えてくるというやつです。音楽が、とぎれ、しばしの沈黙・・・しばらくしてチーン・・・とトライアングル的な音がしたりします。
妙に面白くて、わくわくして聞いていました。

しらべてみると、このオルフ。リトミック教育の源流らしいです。原始的なリズムやダンスを大事にしていたそうで、小学校の楽器だけでできてる曲も作曲したとか。そもそも、音楽って楽しくてなんぼ、ですもんね。ほんと素敵!!「カルミナ・ブルーナ」をきいていると、単純な打楽器の、ずんずんずんずん・・・・という音にわくわくしてきました。

この原始的な楽しみの感覚は、わりと文化や宗教的なものに「ないもの」とされてきたように思う。「野蛮」みたいにね。でも、もっとこういう感覚を認めてあげてもいいと思うけどなあ。

オアフさん、ミュンヘンの方のようで南ドイツなまりの録音が残っているとか・・・・かなりききたい!!ちょっと、濁音が多くて温かい、なつかしーい方言ですよ!!さすがは、魔女の発祥の土地柄!!南ドイツ、おそるべし。

さて、本日ジムで踊っていたら、この「カルミナ・ブルーナ」のアレンジ版が流れてきて、にたにたしながら踊りました。。。

ヘビメタ好きーさんとかにも、理解されそうな音楽です。
2014年10月10日 17:39

<CD>幻想曲op17.幻想小曲集op.12アルゲリッチ
アルゲリッチが嫌いです。
細かく言うと、どんどんひどい言葉を使いそうです。
簡単にいうと「ほら、私、すごいでしょ」というピアノに聞こえるからです。

ピアノを長く弾いてきたものとしては、もっとピアノに真摯に取り組んで欲しいなあ・・・と思うのですが、芸術の世界は違う力が働いているのかもしれませんね。CDの売り上げが下がったといっても、日本は大きな市場らしいです。日本びいきらしいですからね(本当のところはしりません)日本のファンも多そうですね。

ライブの時には観客が咳をするときりっと、にらみつけるらしいです。で、やる気なくなって、なげやりなピアノをするそうな。

巫女です。どっかからインスピレーションを得てピアノを弾きます。が、私にはヒステリックな演奏に聞こえます。それをどっかのおっさんが「女性にしかできないピアノだ」的にちやほやするから、勘違いしているような・・・・なんか、男性社会に中で、おっさんにかわいがられる女性の構図が・・・・(笑)

ともかく、アルゲリッチはクラシック界の大スターなわけで、私は、そういうピアノが理解できずに、クラシック音楽(CDを聞くこと)から離れていた経緯があります。

さて、シューマン。アルゲリッチ・・・・なぜ持っていたかというと、シューマンの小論文を書いていたからですね。はい。で、聴いて本当にイヤだった。押入れの奥に封印していたのですが、かたずけをしていますと、でてきたのです。

そんなわけで、今日、聴いてみました。。。。。。幻想小曲集、第2曲「飛翔」・・・・やっぱり嫌いでした。もっと強い言い方をしてしまうと「あいかわらず、吐くほど嫌いでした」

第1音、第2音のぞんざいに放り投げたような音・・・三音目がアクセント、リズムの要となっております。
リズムもはじめからあってないようなもの。ぞんざいなピアノタッチ・・・・30秒ももたないうちにストップ。あー、だめだ。
そんなわけで、明日、売りにいきます。こういうのもあるよねー、と資料的にとっておく気にもなれません・・・・・さようなり。

幻想曲op17.幻想小曲集op12 アルゲリッチ  EMI 7 63576 2  


スピード:速い
スピードのゆれ:大きい
その他:ごめんなさい・・・・・苦手です。
シューマン度:たぶん5段階中4
お気に入り度:・・・・・・

2014年10月02日 16:33

☆<CD>ベートーヴェン・交響曲第五番「運命」・他。ケーゲル&ドレスデン・フィル
ケーゲルが、この夜ほど感情をあからさまに表出した演奏を行った例を私はほかに知らない。それまで、この指揮者は、いかなるときでも厳しい抑制と統制を外れることはなかったのである。だが、この夜、明らかに指揮者の内部には抑制も統制もかなぐり捨てなければならない何かがあったのだ(許 光俊。 ライナーノートより)

この文に限らず、なんだか評価が高すぎて、狂気じみている評論をみます。東ドイツ崩壊後、ピストル自殺というスキャンダラスな最期。なんだか神格化する文章が多すぎ、気持ち悪いなあ、と思っていました。

ケーゲルが自殺する一年前に日本で演奏したもののCD化だそうです。

曲は「運命」。TVで青島さんが「さがるぞお」と歌詞をつけていました(笑)音程が下がるフレーズがしつこくしつこく繰り返されます。運命が扉をたたくそうです。

どんなにすごい「運命」なのかしら?と思い聴きました。
意外に、ドラマチックじゃなくて(もっと重々しく、ドラマチックに指揮する人がいそうです)びっくりしました。でも、なんだかひっかかる!!音がさがる、基本のフレーズが、ひっかかる。スムーズに音がおりてこないんですね。なめらかに演奏できないのって、オケの技術かしら?とも思いましたが、どうもそうではない。考えてみると、運命がどんどんと扉を叩いているのに、なめらかに音がおりてくるはずはない。一音一音、ひっかかったような表現が正しいのかもしれない。ベートーヴェンには妙にロマンチックなフレーズがあって、綺麗になめらかに演奏しているのを聴きますが(技術が高いであろう、ウイーンフィルやロンドンフィルがここぞとばかりなめらかに演奏しそう。。。。)ひっかかる演奏が、私のなかにすーっと入ってきました。いままで、なんとなく納得できなかったのって、あまりに演奏がスムーズだったからだ。。。。と。
章がすすむにつれ、なんとなく気持ち悪い演奏になっていきます。もちろん、最大限の賛辞です。おどろおどろしい感じではなく、普通なんだけど、なんとなくひっかかる演奏です。第三章は、本当にすばらしい!ゆっくりの演奏は嫌いなんですが、ゆっくりだけど、無駄がないというか。。。余白がすばらしいというか。。。実直に音楽に向かっている感じが胸にせまりました。

アンコールは「管弦楽組曲第三番、ニ長調~アリア」有名なバッハのアリアです。もったいつけて演奏する感じが苦手で、ゆっくり目の演奏は苦手なのですが、これはあり!!逆にこの速度でないと表現できないのかも知れません。ちゃんと必要があってゆっくりと演奏している感じ。実直に音楽に向き合う感じ。あんなにきれいなクラシック曲をきいたことがありません。クリアなのにロマンチックに流されず、実直に音を紡いでいく感じ。

自殺したケーゲルを神格化するわけでもなく、クラシックに狂信的になるわけでもありませんが、やはりこの演奏はすばらしく、素敵な音楽だと思います。やはり、自分の耳で聴かないと。。。。あちらこちらで、妙なオススメ文をみるCDだと思いますが、これは本当に良い演奏だと思いました。

ヘルベルト・ケーゲル指揮
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
19891018 サントリーホール      ALT056

<運命>
スピード、遅い。
速度の揺れ、あり。
その他、スムーズな感じがない。
ベートーベンCDとしてオススメ度。5段階中4
お気に入り度。5段階中5

<カノン>
スピード、とても遅い。
速度のゆれ、若干あり。
その他、滑らかでないのに恐ろしく美しい。
バッハとしてのオススメ度。5段階中1
お気に入り度。5段階中5

2014年09月04日 21:17

◎<CD>モーツアルト、ピアノ協奏曲17、20、23、21番、バーンスタイン、クーべリック
いよいよ、CDへ。
ここはやはりモーツアルト?と思いひっぱりだしてきました。ので、絶版かも?
「ライブクラシック100」という、二枚組のものです。37巻目。ライブ録音。

1、モーツアルト、ピアノ協奏曲17番、ト長調、k453
バーンスタイン(指揮、ピアノ)ロンドン交響楽団。ザルツブルク1975年。

やっぱり、指揮とピアノ一緒にしちゃいけないよなあ。。。。と思いました。指揮もピアノものびのびな感じです。音の伸ばしすぎ。
ところどころ面白いところはあるのですが、やっぱり音の不必要に伸ばした感じの指揮、速度の不安定さ、全体のちぐはぐ感が半端ありません。
ピアノに関しては、表面をすべった感じの音。ジャズだと、この弾き方はありなのでしょうか?
おしゃれで、わかりやすく。。。。のように、バーンスタインのサービス精神が感じられますが、モーツアルトというのは。。。。。

2、モーツアルト、ピアノ協奏曲20番、ニ短調、k466
クーべリック指揮、マレー・ぺライヤピアノ、バイエルン放送交響楽団。
ミュンヘン1981年。

短調だから重々しくしたいのか、かなりゆっくりめ。そのわりに、平坦でつまらない感じです。なんてつまらない指揮だろうと。これは、指揮者でなく、技術的に問題があるのか???かなり、疑いました。。。。オケ部分がかなりひどい!!それに反して、ピアノはクリアな音で、適度に歌ってる感じもあり素敵でした。。。。。

3、モーツアルト、ピアノ協奏曲23番イ長調k488
クーべリック指揮、クリフォード・カーゾン(ピアノ)バイエルン放送交響楽団。
ミュンヘン1980年。

あいかわらず、つまらない指揮でしたが(?)2ほど、ひどくはなくまあまあ。ピアノは素敵でした。多少すべってた感じはありますが、音を切って弾く感じはモーツアルトを弾く際の好みです。第二章の間延びした感じがいらいらしました。

4、モーツアルト、ピアノ協奏曲21番ハ長調k467
クーべリック指揮、クリフォード・カーゾン(ピアノ)バイエルン放送交響楽団。
ミュンヘン1976年。

同じ指揮者で同じピアニスト、同じ楽団でモーツアルトを演奏しているのが、おもしろいなあ、と思いました。
1976年。古いほうが明らかに出来がいい!!!指揮はスピードが安定していて、間延びしていない。ピアノもあまり音がすべった感じもない。
この指揮なら私も、好きなのになあ。2で、なんだこの指揮者(←有名な方なのですよ。ファンの方、申し訳ないです)と思ってしまったので、5年前は、こんな指揮だったのか?とかなり驚きました。

<1、17番>
速度、やや遅い。
揺れ、かなり大きい。
その他、バーンスタインのサービス精神。
モーツアルト度、5段階中1
お気に入り度、5段階中1・5

<2、20番>
速度、とても遅い。
ゆれ、大きい。
その他、もったり+つまらない。
モーツアルト度、5段階中2
お気に入り度、5段階中1

<3、23番>
速度、遅い。
ゆれ、やや大きい。
その他、つまらない。
モーツアルト度、5段階中3
お気に入り度、5段階中2

<4、21番>
速度、やや遅い。
ゆれ、やや大きい。
その他、平凡。
モーツアルト度、5段階中3
お気に入り度、5段階中2
2014年09月04日 20:08

◎<読書>指揮者列伝~世界の指揮者100人  玉木正之+平林直哉  河合出書房新社  ふくろうの本{クラシック、本}
クラシックといえども、ピアノが趣味でピアニストくらいしか分かりません。交響曲やオペラも題名が分かってないものが多数。
そんな私が手にしたのは、指揮者の出身とクラシック曲のレパートリー、そして指揮者たちが戦争をどう生きたかを知りたかったからです。
東欧圏に興味があります。
なんとなくソビエト、東ドイツの国々が外貨を稼ぐために活動していたイメージがあります。芸術が商売っぽかったような。。。。
もちろん、私の中の偏見です。
一時ソビエトのピアニストが、無味乾燥に録音ばかりしていたようなイメージがあるのです。もちろん、偏見です。CDがやたら販売された時期があり、可もなく不可もないピアニストの録音が増えたように感じます。なんとなくクラシックの衰退を感じるのは、録音が偏重されすぎたためだと思われます。しかし、チケット代は高く、小市民がライブで聴けるような環境ではないのが現状。実は生演奏をもっと広めないことには、衰退する一方と思う。最近のクラシック番組も、初心者向けのメジャーな曲ばかり演奏され、昔からのクラシックファンがはな
れていくでしょう。間口を広く、でも浅すぎてつまらない番組になってますよ!!(←某番組批判)閑話休題。興味のあったとこを抜粋。

カラヤン(1908.04.05~1989.07.16。オーストリア)演奏自体に特筆すべき特徴があるわけではない彼の指揮は、あるいは近い将来「過去の人」として、消え去る運命にあるかも。。。。。←ひどい!!!でも私もそう思ってしまいます。。。。。

ブルーノ・ワルター(1876.9.15~1962.2.17。ドイツ)ベルリンに生まれたワルターだが、ユダヤ人だった彼は第二次世界大戦中に地獄をみている。ナチスに追放され、その直後には娘が夫の手によって射殺され、さらにそれらの心労が重なった妻にも先立たれたのである。だが、アメリカに渡ったワルターはその地で以前にもまして活発に活動をおこなった。←こういうことに興味がありました。現代史そのものですね。指揮者にうとい私ですが、レパートリーもベートーベン、シューベルト、ブラームス、マーラーなどで、好みなので調べてみようと思いました。

アシュケナージ(1937.7.6~。ロシア)どこまでも柔らかな音色で穏やかに。。。もっともそれだけに、いまひとつ煮え切らないという不満がないわけではない(モーツアルト協奏曲9、27をピアノを弾きながら指揮した録音に関して)←なんで弾きながら指揮するのかなあ?実はピアニストが指揮者に転向することは無謀だと思っています。もともと、アシュケナージのピアノはカクカクしていて、あまり好きではありませんでした(除、ベートーベンソナタ。情熱的でテンポも安定しいていて好きだった。ベートーベンソナタをしっとり弾かれるよりよっぽど好き)悪くないのです。ただ無機質(もしくは作られた温和性)な感じがありました。で、いまひとつ煮え切らない。。。。指揮者としての演奏は注意して聴いていませんでしたが、そうかも。。。。ちょっと聴きたくなってきました。

カレル・アンチェル(1908.4.11~1973.7.3。チェコ)チェコに生まれたアンチェルは、ナチスによって父母と妻子を虐殺されるという大きな痛手を負った上、さらに、晩年には海外と渡航中に母国でのプラハの春事件を知ってカナダに亡命、その地で没した。(略)1950年にチェコフィルの指揮者となり、当時低迷していた同楽団を立て直したといわれる。そのオーケストラとのお国ものであるスメタナの「わが祖国」、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」より、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」などは温かくて瑞々しい雰囲気がいっぱいだ。当時のチェコ・フィルのひなびた響きもなんともいえない。←曲名を読んでいて、ものすごく聴きたくなってきました。自国の曲への想いは人には推し量れないものでしょう。もともと、好きな作曲家のものですし、ぜひ聴いてみたいです。

佐渡裕(1961.5.13~)レナード・バーンスタインの最後の愛弟子←TVで観ていて、身長高いなあと思っていたのですが、185cmあるとのこと。日本人にしてはものすごく高いですよね。TVでちょいちょいはさむジョークがわりと好き。関西の方なんですね。そして、フランス名門オーケストラであるラムルー管弦楽団を「復活」させたとのこと。。。。いや、知らないって恐ろしい。私は「指揮者のおじさん」としか認識していなかった!!すごい方なんですね!!

ジュゼッペ・シノーポリ(1946・11.2~2001・4.20。イタリア)精神科医でもあり、現代音楽の作曲家(歌劇ルー・サロメ)でもあり、考古学の博士号まで手にした(略)ブルックナーの交響曲にしろ、ワーグナーやR・シュトラウスの管弦楽曲やオペラにしろ、精神医学的分析に基づく解釈といわれ、当人もそのことを多弁に解説したところから、賛否両論、さまざまな論争を巻き起こした。←インテリなイタリア人。もうかなりそれだけで興味をそそられます。が、自分の指揮を解説する時点でだめなように思います。芸人がネタの解説しているようなもの。なんだかわからなくても、人の心にひっかかる(良い意味とはかぎらない)演奏をするのが、芸術家では?まあ、「分かってる」と「できる」は違いますから。長島監督は「ボールがポーンときたら、ポーンと打つんだよ」と教えたという伝説をきいたことがあります。説明できなくても、感覚でできる人というのは存在します。そのシノーポリ、どんな指揮なんでしょう?

ヴァレリー・アファナシエフ(1947.9.8~。ロシア)フルトヴェングラーやメンゲルベルクなどの古い指揮者を尊敬し「直感や霊感を犠牲にする傾向にある」「現代のオーケストラは低温殺菌されている」と最近の演奏を非難している←ピアニストですが、例外的に指揮者向きだと思っています。彼のピアノは「もあん」とした妖気がただよっていました。もったりとしていて重々しく哲学的。私は好きですが、本当に好みが分かれるかも。そんな彼が指揮をしているんですね。しかもブラームスとか!!!本当に、ブラームス向きの方だと思うのでぜひ探して聴いてみたいです。

シャルル・エドワール・デュトワ(1936・10.7~スイス)最高の人気を誇るピアニスト、アルゲリッチと結婚し(その後離婚)、一時期は天才ヴァイオリニスト、チョン・キョンファとも親密だったデュトワ。猛女たちと縁のあった彼にとって・・・←アルゲリッチのくだりだけでも十分インパクトが(笑)彼女、巫女ですから・・・・(笑)アルゲリッチは好きではなく、ヘイトスピーチになりそうなので、この程度にしておきます(機会があれば、書きます)

ダニエル・バレンボイム(1942.11.15~。アルゼンチン)ピアニストとしてデビューの後、指揮者に転向(略)賞賛する人がこれほど少ないにもかかわらず、オペラにコンサートに、これほど活躍する人も珍しい。それは彼がユダヤ人だから(生まれはブエノスアイレス、現在の国籍はイスラエル)という人もいて、確かに世界のクラシック音楽におけるユダヤ人シンジケートの力は強いようだが、バレンボイム自身は「ナチスの音楽(ワーグナー)をイスラエルで指揮した」ことで、イスラエル人から「ファシスト」と非難されたりした。←著者、玉木さん、辛口です。でも、ああ思ってたの、私だけじゃないんだ・・・・と妙にほっとしました。ピアニストとして、スピードがあるのだけど、曲芸のようで全然良さがわからなかったです。若い頃の外見もいまいちでしたし。。。つまらないピアノ?そして、伴奏でも邪魔をするという感じ。指揮者としてのつまらなさもしかり。デュプレ・ファンの私としては、もっといいピアノ奏者と、もっといい指揮者と録音を残しておいてほしかったのです。いや、私生活にはうらみつらみいうつもりはありません。音楽家としてみた場合、貴重な音楽家生命をもっと違うところで使って欲しかったのです。映画「本当のジャクリーヌ・デュプレ」何度みたことか。。。。すばらしいチェロの音色です。映画はバレンボイムに公認されていないそうな。まあ、私生活のことはわかりません。ただ、CDできく限り、デュプレの音色を邪魔しているのは明らかです。

ヘルベルト・ケーゲル(1920.7.29~1990.11.20)旧東ドイツ崩壊後、ピストル自殺。ケーゲルは細部を徹底的に磨き上げ、冷たく整然とした響きを追及した指揮者だった。そのためその要求は過酷で、練習のときに険悪な雰囲気になることも珍しくなかったという。←生きた歴史ですね。ベルリンの壁が崩壊したのって、やはり大きな出来事だったのだと思います。実際に関わっていた人にとって。住んでいた人にとって。。。。。人はなにかしらの文化に、集団に属していて、その集団での「あたりまえ」を知らず知らずに持っている。彼の美意識、考えが大きく揺らいだのかもしれません。旧東ドイツの人の心理状態は多かれ少なかれ、そんな気持ちがあったのかも。と、想像します。あくまでも、想像。とても興味がわきました。

そんなこんなで、結構おもしろく読めました。2007.5.30初版発行。

↑本人「つれづれ読書日記」サイトより、転用。
2014年08月28日 20:52

◎<雑文>ピアノを弾く{ピアノ}
ピアノを弾いている方は、日々どんな曲を弾いているのだろう?

黒柳徹子さんだったかな?バイエルで、同じ曲を弾くのが嫌になった。。。と言っていました。

私は、同じ曲をしつこくしつこく弾くのが好きでした。パート練習的なの大好きでした。

割と、いろいろ弾けるようになったある日のこと「こういうの好き?」と聞いてきた。サティ。
私は好きではなかったですね。あの、おしゃれ感が(笑)でも、意外と簡単だよ?という静止を聞かず、シューマンへ。。。。。

何年もしてから聞くと、先生もシューマン好きとか。。。。

シューマンさん。おそろしくきれいな響き。不協和音、付点の多さ。。。。なんだか中毒性があるんですよね。きれいなのにどろどろしているというか。。。。。

人間的にも、音楽評論をしてしまうあたり、ドイツ語の表題をつけるあたり。が興味深い。したら、多分にもれず、精神的に病んでました。ほんと、ロマンチズムと、極端な生真面目さの二重の感じがある人だったんでしょうねえ。あの独特の躁鬱感が大好きです(ピアノ曲ソロ以外あまり好きではありませんが)ので、私はしばしばピアノを弾いていてトランス状態(←なんか危険な表現ですがノンアルコールです)になると、「飛翔」とか弾きます。それも、嬉々として(笑)

いつもは、ベートーベンをがつがつ弾くのが好きです。ペダルを音を強くするためだけに使い、音を伸ばさない!!(ペダルで、安易にロマンティックに歌わせる弾き方が苦手です)ハイドンも、私の好み。重いのに、楽しい!!。。。。。これらは何度、弾いても弾き飽きないので大好きです。高音部、低音部の音程を確認して組み立てて弾くとさらなる発見が!!ベートーベンソナタほんと好きなんだけど「月光」第一章だけは、ごめんなさい。。。。ベートーベンおじさんのロマンチズムというか妙なナルシシズムでうええええっとなってしまうのです。ちなみに「エリーゼのために」は問題外です(お好きな方、申し訳ありません)

モーツアルトは理屈なしに弾いていて楽しい!!!どのようにも弾ける(どんな弾き方をしてのすばらしい楽曲)のだけど、私はころころと、真珠を転がすように、こんこんと木靴の音が聞こえるように、弦楽器のタクトがこんっとあたってしまうように、弾くのが理想です。(実際にはできないんだけどね)古楽器のCDも聴いたけど、なじまなかったなあ。ペダルはあまり使わない。

で、対外的には、ショパンを弾きます。ワルツ、ポロネーズ、ノクターンあたりを二曲くらいスタンバイしておけば、怪しまれません。。。。(笑)でも、個人的に好きで弾くのは「雨だれ」「舟歌」ですね。

そんなわけで、ピアニズムや、おしゃれな楽曲にはなじみがありません。バッハは難解すぎて逃げ出してしまいました。私が大好きなピアニスト、ケンプさんも、バッハ録音たくさん残していますが、そしてスコアも研究されていますが、弾こうという気にはなれませんでした。

さて、ピアノってなんて、邪魔な音をするのか?ピアノ協奏曲を聴いていると、なんてオーケストラとなじまない楽器なのだろう?と思ってしまうのです。トランペットの音もなんとなくなじまない。協奏曲は、技術のひけらかしみたいに感じてしまう。音質的にはチェロくらいしか好きではないです。

それでも、ピアニストを選べば素敵なピアノ協奏曲もありそう。

オーケストラを聴こうと思ったとき、ピアノ曲にはいまさら興味がなく、オペラ、現代音楽はあまり好みではありません。←これは、今の気分。

ピアノ曲でいい作曲家が交響でもいいとは限らないしね。ゆっくり勉強していきます。

2014年08月27日 16:02

◎<雑文>やはりあなたもでしたか。。。。{スメタナ}
クラシックをほとんど知らないわたしが、まず目をつけたのは「スメタナ」小学校の卒業式で「わが祖国」が流れていて、子供心にささったからです。
おしゃれじゃない感じ、泥臭い感じ、ロマンチックではなくドラマチックな感じ。卒業式なんてなにも思わなかったけど、繰り返される音楽で、ぶわあああっと涙が出てきました。

そんなこんなで視聴をしてみた次第。それまで、ピアノ曲くらいしか知らなかったものですから、少しでも聴きなじみのある曲を。。。。と思いまして。

で、いくつか聴いてみたんだけど、相変わらず、好きな曲でした。その、スメタナの解説の中に「精神を病み。。。。」というフレーズが、、、、、

あれ?あなたもでしたか?

私は、ユトリロ(画家)、シューマン(作曲家)を偏愛しているのですが、後で「精神を病んで」いたことを知りました。
こうも重なると、私のレーダーはさらに正確さをましていきます。名づけて「病みレーダー」。
とすると、これからクラシックにはまっていくと、そういう「病み日記」になるのでしょうか?

低音聴かせたおどろおどろしい曲、ありそうですね。楽しみです。
2014年08月27日 15:01

◎はじめまして{ごあいさつ}
長年、ピアノを趣味としてきました。(今は弾いていませんが、また近いうちに復活予定!!)
決して、プロでも専門教育を受けているわけではありません。
で、クラシックを再び聴こうと思ったのは、つい最近のこと。

歴史の本を読み漁っていたところ、クラシックコーナーに行き着きました。
実はクラシックの歴史と、政治、近代史はかかわりが深くて。。。。
戦争によって指揮者がどのように生きてきたか、国独自のオケの特色や同じ国でも地域色があるのがおもしろいです。そして、指揮者、オケごとに得意曲があるというのが、おもしろいなあ、と。

さて、ではどこから手をつけていいのか?まったくわからない。ので、通販のクラシック全集を買ってみようと考えました。すると結構いい値段!!3万から4万。あれ?これなら、自分で調べて好みそうなCDをいくつか買った方がいいのではないだろうか?。。。。そう思い直し気に入りそうなものを購入予定です。
そして少ないながら、手持ちのCDをチェックすることにしました。

うーん。廉価のものはいまいち。(聴いたことないオケで、音も硬い感じ)いくら、安いものを。。。。と思ってもはじめからワンコインものは、聴けない。。。。。

ライブもの。これは、いろいろなオケと、指揮者のものがあるから、おもしろい!!観客がかなりうるさくて、苦手な人が多いかも(でも、私は聴く)

後はピアノものが多いです。当然、好きなピアニスト多いですが、二度と聴きたくないものも発掘されました。。。。

個人的に好きだと思われる、スメタナ、ドヴォルザークを買うことにしました。結果はいかに?
2014年08月27日 14:34