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AG#1 HIDAKA "Sound of Heaven"

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HIDAKA "Sound of Heaven" 2008

Specification

トップ:ジャーマンスプルース単板
サイドバック:ローズウッド単板
ネック:ワンピースマホガニー
スケール:645.2mm(25.4")
フィンガーボード:エボニー
ペグ:GOTOH
ブリッジ:エボニー
その他:3次元非対称テーパードボディ
2008年7月完成

About HIDAKA guitar

HIDAKA弦楽器の日高雅樹氏は、愛媛県のシーガル弦楽器工房で修行後、現在大分県竹田市を拠点にギターを製作されています。スタンダードモデル、オリジナルモデルともに非常に完成度の高いギターたちです。Acoustic Guitar Magazine でも紹介されました。大分が誇るギタービルダーです。

Story

日高氏との出会いは、大分のミュージシャン、大塚東洋さんの紹介でした。彼が大分に戻ってきてすぐのころだったと思います。オリジナルモデルを何本か弾かせてもらって、新しいのに乾いた音だなあと思ったのを覚えている。それからちょくちょくリペアをお願いするようになりました。

ある時、彼の工房で、Moon Singerというモデルを弾かせてもらったことがあって、「これD-45の音に似てるねえ」と聞いたら、「そういう音がするように作りました」と。「え?」…トップのブレイシングにどういうテンションをかけるかでマーティンは音分けをしているんです、と教えてくれました。なるほど~。彼もシーガルでの修業時代、兄弟子たちとマーティンの音分けをあれこれ研究して発見したそうです。で、ふと「じゃD-45の音がするギターって作れるの?」と聞いたら、「30年経った音を新品で作れと言われたら困るけど、新品当時はこうだったろうという音は作れます」という返事。いやそれでじゅうぶんです^^。新品の70年代D-45が欲しいんです^^即オーダー。

ねらいは70年代初期のパワフルな音のD-45。ゴージャスだけど無骨な太さ。これをねらって、当時のスペックでパーツを探してもらい製作開始。要望は「ジャーマンスプルース×インディアンローズウッド」「ノンスキャロップブレイシング」「低音」「カッタウェイ」「42仕様の貝」「家族の星座を入れたオリジナルのインレイプレート」。ドレッドノートにするかどうするか悩んでいたときに、これまた彼のJC-CWというボディデザインを知って、これをベースに作ってもらうことに決定。今でこそなで肩カッタウェイのデザインは割とありますけど、当時はなかったんですよ。カッコいいじゃん^^「低音をくっきり」という要望に彼が施してくれたのは3次元非対称ボディ。胴厚が非対称(低域が000、高域がドレッドノート)のテーパードボディなんです。こうして自分のモデルができました。

2008年は自分の人生のターニングポイントでもありました。父親が他界し、BAHOに出会い、杉山さんに出会い、そしてNHK熱血!オヤジバトルに出た年です。本当に嘘みたいにいろんなことが起こった年でした。それ以降一緒に歩いてきたギター。HIDAKAギターは音が育っていくんです。このギターも使い始めてかれこれ13年過ぎましたが、9年目に突然音が変わった。今後も成長が楽しみなギターです。ピックアップには坂崎氏がヴィンテージギターを弾くときに使っているセイモアダンカンのSA-6マグマイクを搭載しています。

2020年。

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