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保育園看護師の保健指導      「手洗い指導」<実践編>

前回の <準備編> に書いた
「短時間」(15分以内)で、
「視覚的インパクト」(大きいもの、見慣れていないもの)
「参加型」(静と動を意識する)を取り入れることが子どもの心を掴むコツ

についてどのようなことなのかを具体的に書き出してみます。


1,動機付け

そもそもなんで『手を洗う』のか?

泥や絵の具は手につけば見えますが、バイ菌は見えません。
子ども達にとって、「想像できないこと、見えないもの」のために
余計なひと手間かけるなんて面倒なんです・・。(v_v)

そんな時に頼りになるのが
[ブラックライト]★
専用の液体を手につけた後、いつも通り手洗いしてもらってから
暗くした箱の中でブラックライトをかざすと洗い残しが光って見えます。
初めて見る『バイ菌のようなモノ』はインパクト大!

ここまできたらもう一押し!
次に、『どんな時に手洗いしたらいい?』と訊ねます。
すると「外からお部屋にもどったら」「ごはん食べる前」などいろんな意見が 出てきます。
事前に答えのイラストを用意しておいて見せながら貼っていくと、
よりイメージしやすく、視覚情報優位の子にも伝わりやすくなります。
(担任には答えを教えておいて、意見が止まってしまった時に助け船出してもらえるように根回ししておくのも大事!)

意外と出てこないのが『ペットや動物に触ったあと』という回答です。
そもそもふれあう経験が無いのか?生活に溶け込みすぎてて家族だと思っているからなのか・・?

2,手洗いの歌

くどくど話をするよりも、いっしょに手を動かす、わかりやすい動き
、次の動作を簡単にイメージできる「手洗いの歌」がいろいろあります。

・花王『あわあわ手洗いのうた』
 
ホームページにイラストと共に公開されています。
(ベネッセなどとタイアップして園に大型ポスターが送付されたりしてます
 曲と一緒に使う、手洗い場に掲示するなど活用できます)

・Piccolo 2019 年5月号より「ただしくあらって、きれいなて」手洗いの歌
 
少し古いですが、花王の手洗いの歌よりゆっくりで丁寧な動きをしてる        
 と思いました。


このほかにもyoutubeや動画を探せばいろいろとあると思います。
自分が使いやすい、子どもたちが覚えやすい曲を見つけて取り入れてみましょう!

※手洗い練習を盛り上げる小道具として

・「おててポン!」 バイキンのイラストスタンプ
  正しく手洗いすると消えるのでわかりやすく達成感がある
  押してから30秒以内に手洗いスタートしないと消えにくい
  バイキンのイラストにショックを受けて泣く子もいるので注意!

・「 Pokemon PON」 ピカチュウなどの人気ポケモンのスタンプ
  かわいいけど手洗いで消えてしまうのがちょっと残念
  (上手に洗えると浮き出て褒めてくれるようなスタンプならいいのに)

他にもご当地キャラ(カープくん、ドアラ)やコナンなどのスタンプがあるようです。
くれぐれも『手洗い専用のスタンプ』を使用してくださいね!
 

3,絵本

大切なのは「持ち方、見せ方」

これは若い先生が教えてくれたのですが、
『絵本を読み聞かせするときに、イスに座って読むなら本を少し下に向けると、ゴザに座る子ども達から見えやすくなります』
『本はカバーをとって、大きく開いて、絵のジャマにならない部分を持つ』
『ページは急がず、確実に次のページの絵をみせるようにめくることです』

・・保育士さんってすごい(≧∇≦)b
絵本を読んであげるだけなのに、こんな細やかな配慮があったなんて!! とても感心したことを覚えています。

4,紙芝居

「紙芝居用舞台」はメリットがいっぱい!

ベテラン保育士さんに
読み方、速度、声の大きさや調子等の基本的なことの他に何か気をつけることはないでしょうか?」と、紙芝居のコツを聞いた事があります。
(ナースに保育のことは判らんので、保育のことは専門家に聞くのが一番早いし、確実だと思っていたので(;^_^A 始めの頃はとにかく聞きまくってました)
すると『紙芝居の舞台はある?』と聞かれ、
『紙芝居は舞台があるだけで特別感が出るし、扉を開くところから子ども達をグッと引きつけるのよ』と教えてくれました。


その他にも【舞台を使うメリット】としては
・手で持つだけだと場面交換時にバラバラに落とす危険性があるけど、
 舞台に入れるならその心配はない(枠の中に入れてあるから)
・安定してるから読みに集中できる(片手で楽に場面を入れ替えできる)
・舞台の陰から、子ども達の様子が判るので、あいの手や間を取りやすい
以上のような事があげられます。

<まとめ>

保育園看護師になってから、一番多く関わった保健指導は「手洗い」ですが、ここまでくるのにたくさんの保育士の先生からアドバイス、アイデアをいただいたり、子どもを引き付けるワザなど知らなかった保育の理論?や経験則を教えていただけた事が大きい財産になりました。本当に感謝です。

進級して少し環境や担任が変わり心も体も成長していく子ども達に合わせて指導案を考え、変えていく事は楽しみでもあり、毎回これでよかったのかな?と反省もつきません。

保健指導は子ども達が10年、20年先の大人になったときに、
(たとえ保育園の担任や保育園看護師の顔は忘れたとしても(^_^;)
「外から帰ったら手を洗う」「食べる前には手洗い」「寝る前に歯磨きする」
そういった良い生活習慣を身に付けて、健康に暮らしていてくれたらいいな
と思いながらいつも行っています。

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