【将来予想】TOEICの衰退、TOEFL全盛の時代へ
こんにちは。ろんです。
今回は、TOEICとTOEFLについて今後の未来予想を書いていきます。
以前の記事、TOEIC難化について思うことでは、コロナ禍を境にTOEICの平均点が初めて600点を超え、高得点が乱発する「ザルの試験」にならないよう、テスト作成者(ETS)側でTOEICを難化させている可能性があることについて言及しました。
AIで変わる英語の価値では、Chat GPTに代表される生成AIの伸長により、自動翻訳の精度が飛躍的に向上した結果、変わっていく英語力の価値について書きました。
TOEICの点数は意味ないかでは、TOEICのスコア≠英語の能力ではあるものの、日本におけるTOEICスコアの有用性は抜群で、できるだけ早く800点や900点を取得し、その後に本質的な英語能力の向上に取り組むべきだと主張しました。
これらの記事を書き終えたあと、あることが思い浮かびました。
それは、今後10年、早ければ5年以内にTOEICが衰退していき、TOEFL全盛の時代が来るのではないか、ということです。
その兆候は既に始まっているようです。私が今大学生で当時の就活(総合商社に内定した就活虎の巻(前編))を再現するとしたら、TOEFL100点を目指します。
そもそもビジネス英語とアカデミックな英語とはなんでしょうか。
仮にビジネス日本語とアカデミックな日本語があるとすれば、ビジネス日本語とは、入社間もない頃、先輩が使っていてカッコよく感じた横文字を指すのでしょうか。そうであれば半年も経たずに、使いこなせるものです。
TOEICがここまで人気を博したのは、その実用性からではなく、手軽さからでしょう。ペーパーとCDプレーヤーを用意し、2時間のテストを実施するだけ。会場を選ばず、低コストで大人数捌ける、ドル箱のようなテストです。
TOEICは総合的な英語力を測定できるよう、L&Rに他にS&W試験を実施していますが、価格も10,450円(税込)と高くいまいち浸透していません。
決定打となったのは、TOEFLの易化です。
2023年7月の改定により、試験時間が3時間→2時間に短縮されました。さらに遡って2019年7月にも改定が行われており、試験時間は3.5時間→3時間に短縮されています。年を追うごとに試験時間が短くなり、「受けやすいテスト」になっています。私は100点を超えるまでに9ヵ月かかりましたが、現行の形式であればより短期間で達成できると思います。
それでもなおTOEFLが浸透せず、TOEIC全盛の時代が続いている唯一の理由は受験料です。TOEFLは、US$245(約38,000円)、TOEIC L/Rは7,810円(税込)、TOEIC S/Wとの合算でもまだTOEFLが高い。
受験料については、競合となるIELTSの27,500円(税込)との兼ね合いもありますので、今後TOEFLが値下がりするかどうかはなんとも言えませんが、1人1台タブレット端末が支給され始めている公立中学校や、AI英会話の著しいサービス向上を鑑みると、試験実施のコスト自体は低減していると思われます(TOEFLの採点はAIとマニュアルの併用)。
公式の受験料が据え置かれた場合でも、TOEFL公式模試が4,980円(税込)で売られている等、比較的安価に試験の準備を行うことができます。
この潮流から、例えばTOEIC L/RとS/Wが集約され、TOEFLと同じ形式の4技能を測定する試験に変更になった時、TOEFL→上級者向けのテスト、TOEIC→初級~中級者向けテストとして棲み分けが一気に進む可能性があります。
向こう10年、早ければ5年以内にTOEFLが英語力を証明する資格試験として主流になる可能性は十分あると思うのです。
ここまで書いてきましたが、この将来予想が当たらないでほしい気持ちもあります。それはTOEICは平等で、TOEFLは不平等だからです。
TOEIC L/Rは従来の受験勉強の要領で頑張れば、学習時間に比例してスコアが伸びるテストです。これは育った環境に関わらず、誰でも頑張れば一定の成果を上げることができます。一方、TOEFLは特殊な教育を受けてきたか、本番の試験を何度も受けられるかどうかで、スコアが大きく変わります。
私は、学生時代のTOEICのスコアに助けられて、ここまでの海外経験ができたと思っていますし、私のような生い立ちの方のためにもTOEIC全盛の時代がこれからも続いてほしいと思っています。
現状、日本においてTOEICのコスパが最強なことは変わりません。あと数年はそれが継続すると思います。それでも余力がある方は、TOEFLの挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、今回はTOEICとTOEFLについて今後の未来予想を書きました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ろん