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焼肉店が大苦戦している‼ 円安で食材の高騰がハンパじゃない



みんな大好き、焼肉‼ 2024年の夏は梅雨の最中でも災害的な暑さが続く。こういう時こそ焼肉をガッツリ食べて、パワーアップしたい。

お客さんサイドがそう意気込む一方で、焼肉店の経営体力は深刻な状況にある。

焼肉店の倒産ペースが加速しているのだ。

2024年に発生した焼肉店(負債1000万円以上、法的整理)は、6月までに計20件発生した。前年の同期間に比べ約2.5倍。年間を通してでは、これまで最多だった2019年の26件を大きく上回る勢いで、過去最多を更新する可能性が高い。

人件費・光熱費も重石

焼肉店は「換気をしっかりしている」といった理由で、コロナ禍のもとニーズが高まった。出店が相次いだが、競争もしだいに激しくなった。

加えて、円安などによる食肉価格の高騰が経営の大きく圧迫する要因になっている。さらに人件費や光熱費の負担がのしかかる。安い時給ではアルバイトが集まらない。夏場はエアコン代が上がるが、テーブルで火を使う焼肉店が冷房をケチるわけにはいかない。

値上げは厳しく

帝国データバンクによると「焼肉店を中心に展開する外食企業のうち、2023年度の業績が赤字となった企業の割合は34.8%を占めた」そうだ。

値上げでこの事態から脱却するのは相当難しい。暮らしに必要な食品、日用品の値上げが相次ぎ、お客さん側の懐事情は厳しい。値上げすると、他店にお客さんが流れかねない。

とある居酒屋のおやじさんが以下のようなことを言っていた。

「焼肉屋は肉を切って出せば、お客が自分で焼いてくれて手間がかからなくていいな。加えて、肉をお替りしながらビールやハイボールもじゃんじゃん注文してくれる」

「だけど、肉を提供するお店でも、とんかつ屋はだいぶ違う。とんかつは店が揚げて出すし、飲みながらとんかつを何枚も食べてくれるお客はいないからね」

収益構造としてはよさそうな焼肉店だが、それでも増えすぎると、如何ともし難い。

なんと歯科医院の倒産も過去最多ペース

焼肉店と同じく倒産件数が増えているのが街の歯医者さんだ。歯科医院の数は、なんとコンビニエンスストアよりも多いのだ。倒産の要因も焼肉店と似ている。

厚生労働省によると、歯科診療所は2019年時点で全国に6万8500カ所あり、コンビニエンスストアの5万5641店(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会調べ、2024年5月)を上回る。

2024年1~6月の倒産は15件(前年同期比150.0%増)で、前年の2.5倍に達した。過去20年間で最多だった2018年同期(17件)に次ぐ水準で、このまま推移すると年間の過去最多だった2018年の25件を上回る可能性がある。

医薬品や治療材料の高騰、人件費の上昇などが採算をじわじわと悪化させている。知らぬまに虫歯が増えているような感じだ。

歯科医院も焼肉店も打開策の1つは、集客力を高め、競争に打ち勝つこと。それには他所にはない商品の魅力がカギになるのだが…


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