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<あなたの病気が治らない理由10>そもそもなぜ家庭環境によってパーソナリティ障害が起こるのか?


まず、今まで解説してきた対象関係論が、人間の心の発達や対人関係を理解するための心理学理論です。人間は生まれたときから他者との関係(対象関係)を通じて、自己を形成し、心の安定を得ていくとされています。この過程で、親子関係が重要な役割を果たします。

親子関係が不安定だと、子どもは以下のような心の発達上の問題が生じる可能性があります。

  1. 安全基地の欠如
    子どもは、親を安全基地として、恐れや不安を和らげる存在として頼ります。しかし、親子関係が不安定な場合、子どもは安全基地を確保できず、自己を守ることが困難になります。このため、対人関係において過剰な不安や恐れを抱くことがあります。

  2. 自己の発達の遅れ
    親子関係が不安定だと、子どもは自分の感情や欲求を適切に表現・認識する方法を学ぶことが難しくなります。その結果、自己理解が不十分であり、自己認識が曖昧なまま大人になることがあります。


  3. 他者への適応力の低下 親子関係が不安定な環境では、子どもは他者との関係を築くための適応力を十分に身につけることができません。これにより、大人になってからも対人関係で問題が生じることがあります。

これらの現象の根底には、人間の精神の形成は、他人の行動を吸収して自己に取り入れるという構造があります。
つまり、上記に挙げたのはよくある原因ですが、なぜそれが悪影響になるかというと、悪い対象(=親とか)を自己に吸収してしまうため、人に対しての安心感もないし、承認もされないので生理的欲求も満たされていない、という状態のダブルパンチで成長していくことが大きな理由です。

ここの理解が超重要で、世の中の多くのメンタル本などで解決しないのはここの理解の浅さが原因です。次回では、さらにこれを掘り下げて詳しく解説していきます!

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