ウイニングイレブンのオーバーヘッドを人は凄いと思うのか?そして増田明美さんはeスポーツの解説をできるのか?

eスポーツは果たしてスポーツなのか?ということを、これまでは「するスポーツ」として、つまり「身体を動かしてないのにスポーツなのか」と考えることが多かったけど、SAJ2019で講演を聞いて、あたらめて「観るスポーツ」の方で考えてみた。

ときにアジアカップが盛り上がる中で、テレビでサッカーの試合を観戦していたが、例えばこれが「ウイニングイレブン」のプレイ動画だったとして何が違うのか?やっているのはサッカーだし、結果がわからない緊迫感も同じ。戦術性まで含めても、同じようにサッカーを楽しむことはできるだろう。

しかしトップレベルの選手だと、超ミラクルプレーが出ることがある。例えば決勝でのカタールの1点目のオーバーヘッドなんて、そうそう見られないような派手なテクニックだった。同じ人間がものすごく難しい動きをしているという感動は、なかなかeスポーツでは得られないかもしれない。

じゃあ高校野球みたいなトップレベルのプレーじゃなくても引き込まれる要素はなにか。もう一つリアルのスポーツを観るのに特有なのが「人間ドラマ」。選手がそこにいたるまでのストーリー、なかなか目が出なかった苦労人だったり、少ないチャンスを掴んだ奇跡だったり、怪我や環境による挫折を乗り越えてきていたり、もしくは親やチームから受け継ぐ伝統や因縁だったり。未来まで見すえた成長ストーリーもここに入るかもしれない。増田明美さんの解説が活きるのもこういった面ですよね。

もちろんeスポーツにもプレーしている人間がいるので、そこにスポットライトを当てることはできるけど、同じレベルまでドラマティックになるにはまだ難しいんじゃないかなと思う。

スポーツに「人間ドラマ」みたいなのを絡めたがる傾向って、日本だから強いのかなと思ってたけど、同僚と話してるなかで「アメリカでもアメリカン・ドリームみたいなストーリーは人気ありますよね」と言われてなるほどと思った。あと、民族などに絡めたストーリーは日本ではあまり見られないけど海外では多いものもあるかもしれない。

もちろんeスポーツの方が可能性を感じる部分もある。例えば観戦を盛り上げる演出については自由度が高いと思う。そういったことを考えるためにも、早いうちにeスポーツの大会を実際に見てみたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?