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剰余環の剰余環〈龍孫江の環論道具箱〉

 イデアルの対応定理によって,剰余環のイデアルともとの環のイデアルの一部に対応がつくことがわかりました.であれば,対応するイデアル同士の剰余環の間にも対応がつくのではないか……という期待が自然に惹起されます.

https://youtu.be/rJATRNq_jCs

定理(剰余環の剰余環)

$${I}$$を環$${A}$$のイデアル,$${\pi \colon A \to A/I}$$を剰余環への自然な全射とする.$${A}$$のイデアル$${J \supset I}$$に対し$${J/I = \pi(J)}$$と表すとき,

$$
\displaystyle\frac{A/I}{J/I} \simeq A/J.~~~~\square
$$

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689字

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