見出し画像

斬新なアイデアを思いつくには。アインシュタインはどのようにして相対性理論を思いついたいのか。

「光の速さで走る新幹線の中でボールを投げるとどうなるか」
巷の相対性理論の本はそんな問いかけから始まることが多い。光の速さで走る新幹線を想像することから難しいのだけど、そのような天才的な視点から新しい理論を編み出す思考回路はどのようになっているのだろう?

ニュートンもそうだ。リンゴが木から落ちるのを見て万有引力を思いついたらしい。天才の想像力(想像力)というものには恐れ入る。

だが、どうやらニュートンの万有引力の話は作り話らしい。ニュートンは長い研究の結果から万有引力に気付き、リンゴを見て突然万有引力を思いついたわけではないのが真相のようだ。

結論をいってしまえばアインシュタインの相対性理論は当時多くの科学者を悩ませたマクスウェル方程式とローレンツ変換の当然の帰結として生まれている。電磁気学における理論と実験の矛盾を解決する解法として相対性理論は生まれた。そこにあるのはあっと驚くようなひらめきではなく、地道な仮説と検証の繰り返しである。

ノーベル賞を受賞した白川教授も、何かのテレビ番組で(出典忘れました)「やはり想像力が大事なんですね」という芸能人のコメントに「知識がないところに想像力は生まれませんけどね」とサラッと返していたが、基盤となる知識や経験なくして新しいことを思いつくことなど皆無であろう。

ジブリの音楽の作曲で有名な久石譲さんも、自分の音楽は、自分の芸名の由来でもあるクインシー・ジョーンズのコードの徹底的な分析からきていると自著の中で述べている。

いいアイディアやひらめきがある日突然降臨することがある。しかし、それは、これまでの長い人生の中で培ってきたものがひょいと芽を出したに過ぎない。地道な努力失くしていきなりアイディアは降臨してこない。

営業も1件のとんとん拍子の受注は、膨大な失注と様々な試行錯誤の上になりたっている。バックグラウンドの苦労を見ずに他人の1件の受注をみてそこだけ真似しようとするのはおろかなことだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?