初級SESエンジニア向け 継続するのか、やめるのか
多くの人たちが「IT業界に転職して手に職をつければ高給取りになれる」そんな甘い夢を抱いてIT業界に飛び込んでくる。だが、世の中そんなに甘くはない。多くのエンジニアが業界に飛び込んで来て数カ月のうちに「自分はこの業界に向いていない」「自分は会社に騙されているのではないか」「思っていたのと違う」そんな思いにさいなまれるようになる。そんな時に「今の環境でもう少し頑張る」のか「やめて別の会社に転職する」のか、大きな決断を迫られることになる。
今回はどんな時は「もう少し頑張るべき」でどんな時は「転職を決断すべき」なのかを書いていきたい。
前提 - 継続無くして成功はない
まず、大前提として継続無くして成功はないことは知っておくべきだ。転職を繰り返しているうちにいつの間にか成功している、ということは基本無いと思ったほうが良い。問題はあくまで「今の環境で頑張る」のか「別の環境で頑張る」のか、である。どこかでは継続して頑張る必要があるのが前提である。
自分は業界に向いているか
以前に以下の記事で書かせてもらったのが、残念ながら全く業界に向かない人はいる。体感的には未経験で業界に入った人の10%ぐらいはここに当てはまる。
一つの目安として、業界に飛び込んで半年ぐらい経った後で、どのぐらい職場の言葉が理解できるようになっているか、を見返してみると良い。その時に、相変わらず「職場で周りが使っている言葉が分からない」、「Excelの使い方もよく分からない」、「なぜか自分だけが理解力が悪く良く怒られている気がする」、という状態であれば、IT業界に来たこと自体が間違いだった可能性が高い。その場合は業界自体から足を洗うことを考えるのもありだろう。
体を壊してはどうにもならない
残念ながらIT業界にはまだまだブラック企業が存在する。ストレスの多い職場が多いのも事実だ。「通勤しようとすると吐き気がする」「ストレスで夜も全く眠れない」という状態になったら、潔く休職するか転職をしよう。心身に不調をきたしている状態では、キャリア形成などを考えている場合ではない。
仕事自体は嫌ではないが、苦手な人がいて仕事が苦痛
このような状態にある人は結構多いのではないだろうか。個人的にはこの状態は、まだ転職を考えるには早い状態だと思う。この状態の場合おススメの一つは「〇〇さんが苦手なんです」ということを上司や担当営業や信頼できる人に打ち明けることだ。打ち明けるのには勇気がいるかもしれないが、どうせうまくいかなければ辞める気持ちであるのであれば、一度打ち明けてみたほうが良い。案外と「俺もあの人苦手なんだよ」となる可能性も高い。その場合、その人と仕事をしなくてよくなったり、うまく配置換えをしてもらったり、と周りの協力を得られて環境が好転する可能性がある。そこまでいかなくても「苦手な〇〇さんとの上手な付き合い方」を教えてもらえるかもしれない。あなたが苦手と思っている人は、他の人からも苦手に思われている可能性は高い。辞めるのは、打ち明けてもどうしようもなかった、となってからでも遅くはない。
仕事は楽だが、成長している感がない
SESでたまにあるのが、単調すぎて「こんなことをやっていていいのだろうか」という気分になる仕事である。毎日のデータ入力の仕事などである。個人的にはこの状態では辞めるべきではない。今の仕事が物足りないことを、上司や担当営業につげて、単調な仕事を粛々とこなすべきだ。時間はかかるかもしれないが、粛々と仕事を続けているあなたを見ていれば、必ず次につながる仕事を見つけてくれるだろう。大事なのは今の仕事が物足りないと思っていることをアピールし、また、より難しい仕事を自分がこなせることをアピールすることだ。
ただし、会社によっては何年頑張っても自分が望むような仕事につけない場合もある。いくら周りにアピールしても手ごたえがないと感じたら、その時こそ転職を考えるべきだろう。
職務経歴書を書いてみよう
実際に転職しないにしても、定期的に職務経歴書を書いてみるのはおススメだ。自分に何が欠けているのか、果たして自分は今よりも高い給料をもらえる可能性があるのか、自分で職務経歴書を書くことで見えてくると思う。
職務経歴書を書くことで、自分の市場価値を上げるために「今の会社でまだ出来ることがある」のか「今の会社にいることは停滞」なのかハッキリと見えてくると思う。
最初の2年で自分が注力する領域を決めよう
なかなかIT業界に飛び込んですぐの段階では、具体的な自分のキャリアというものはイメージしずらいと思う。だが、2年もいれば、IT業界の中にはどのような分野があり、どういうキャリアパスを歩んでいる人がいるのか、おぼろげながら見えてくるはずだ。できれば、最初に転職するときは、自分のキャリアパスがある程度見えてきて、そのためにどういう経験を積めば良いのか、というのが分かってきてからの方が良い。そこが定まらないと、転職を繰り返しても給料も上がらず、キャリアも積みあがらないジョブホッパーになる可能性が高い。最初の2年の過ごし方が極めて大事だと言えるだろう。