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採用面接を受ける前に考えてほしい、3つのこと。

いつもお世話になっているCasterさんから2019年採用Advent Calendarにお誘いいただき、うっかり・・・いえ、喜んでお受けさせていただいて以来、錚々たる皆さまと並んで私が伝えられることはなんだろうと、どんなテーマで書こうか悩みに悩みました。

結果として、「自身の転職失敗・成功経験+キャリアコンサルタントとしての経験+採用担当としての経験」を踏まえ、応募者の方が採用面接に臨む前に参考にしていただけるようなnoteなら書けるかなと思い、書きはじめてみます。年末年始に転職活動を意識される方も多いでしょうし、「そろそろかな」という方や、まさに今活動を始められている方にもお目通しいただけると嬉しいです。

あくまでも私の個人的な考えになりますのと、HR領域の方には当たり前なことが多くなるかと思いますが、ご承知おきください。
(そして相当長文になってしまいました・・・)

■はじめに

採用面接マニュアルは世の中にたくさん出回っていますので、一般的なものを知りたい方は例えば下記をご覧ください。一応、前職のサイトを(笑)

もちろんこうした面接テクニックも知っておいて悪くないと思います。ただ私としては、目の前の面接をクリアするための面接対策・攻略法というよりも、自身がイキイキと働ける転職先を見つけるためのヒント・考え方をお伝えしたいなと思っています。そういうことって、なかなか周りから教えてもらう機会がないんだなと、HR業界以外の友人たちと話しているとひしひしと感じることもあり、参考にしていただけると嬉しいです。

■転職失敗経験から学んだこと

本題に入る前に、少し私の話をさせてください。先日の自己紹介にも書かせていただきましたが、私はこれまで4回転職を経験しています。

その中で、転職に成功したことも失敗したことも、どちらもあります。HR領域での経験があるにもかかわらず転職に失敗をしてしまった要因を振り返ってみると、下記の3つが大きかったのではないかと考えています。

①転職に際してWill(自分のありたい姿)を重視していなかったこと
②今の当たり前で、失うと辛いものの存在が見えていなかったこと
③働く上で欠かせないポイントの優先順位が整理できていなかったこと

でも、後悔はしていません。少し遠回りをしてしまった感は否めませんが、この失敗経験は、キャリアコンサルタントとして候補者の方とお話しをする際にとても役立ちました。「〇〇さんには、私みたいな失敗して欲しくないんです!」と伝えることで気づきを提供し、より良い選択をしていただくお手伝いが、少しはできたんじゃないかと思っています。また、自分自身が壁にぶつかったときに「今のありがたみ」を感じることもできました。

では、そろそろ・・・
Willって何なのよというところから、本題の【採用面接を受ける前に考えてほしい、3つのこと】に入らせていただきます。

■その1:Will(自分のありたい姿)は何か

「Will・Can・Must」というワードを聞いたことがある方も多いかと思います。リクルートが以前から社員一人ひとりの成長を支援するために取り組んでいることで知られる、キャリアプラン策定にあたってのフレームワークです。(何年か前から、パーソルキャリアでも導入されています。)ご存知ない方は、プロコミットさんのサイトで分かりやすく解説があったのでご覧ください。

転職を考えるにあたっては、とにかくまずこの「Will=自分のありたい姿」をとことん深堀り、自分と向き合うことがとても大切だと私は思っています。ただ残念ながら、エージェント時代に出会った転職希望の方々も、一部ですが現職で採用担当としてお会いする方々も、深堀りがちょっと甘い方が多いように感じています。どうしても、「現職でのネガティブな点を払拭したいから、払拭できそうなところに行きたい」という発想に寄ってしまう傾向にあるようです。

でも、ネガティブの払拭だけで転職するのはとても危険です。

正直、エージェントとしては「転職したいです!営業に疲れたから事務職に行きたいです」と言われ、「じゃあ、あなたの受けられる事務職はこれですね」と案件を紹介する方がとても簡単です。それでその方の転職が決まれば、成績として評価されます。

でも、それでいいんでしたっけ?と私、思うんです。
(じゃないとエージェントとしての存在価値ないですよね。)

一旦、今の会社を辞めたい理由は置いておいて、ゼロベースでWill(ありたい姿)を考えてみてください。もちろん現職の不満の裏返しであることも多いですが、ネガティブな発想ではなく、ポジティブに自分がイキイキと働くことを楽しんでいる姿を想像してみましょう。

どんなことが叶っていれば、イキイキと自分らしくいられると思いますか?

ちなみに、私が過去に転職をする際に考えていたWillは下記です。今もベースは変わりません。

・誰かの役に立つ実感を持ちながら、イキイキとできる人を増やしたい
・チームでひとつの目標を追いかけ、チームプレーで成し遂げたい
・ビジョンに共感できる会社で働きたい

もちろん最初からこれだけだと足りなくて、

「誰の役に立ちたいんだっけ?」
「どんな人とのチームがいいんだっけ?」
「どんなビジョンがいいんだっけ?」

そして、「それはどうしてだっけ?」

と、どんどん深掘りをしていって、最終的にシンプルに整理しなおすと上記になるイメージです。

必ずしも社会人になってからの経験で考える必要はないです。
学生時代でも構いません。どんな時に、あなたはイキイキと心から笑って何かに一生懸命取り組んでいましたか?

あまり思い浮かばない方は、1冊ノートを作って少しずつ書き出してみるといいかもしれません。この時代に、あえてのリアルノート(笑)私だけかもしれませんが、実際に自分の手で文字を書いた方が自分と向き合える気がしています。お気に入りのかわいい(オシャレな?)ノートを用意して、落ち着けるカフェで自分と向き合ってみる週末があったりすると、理想的です。

■その2:今当たり前に叶っていて、失いたくないものは何か

次に、「今の当たり前」と向き合ってみてください。これがうっかり見落とされがちだと、個人的には思っています。転職を考えているときは、「現職でやりたいのに叶わないこと」や「現職でのネガティブなこと」を払拭したいという気持ちが前面に出てしまうからです。

でもうっかり失うと(それまで当たり前に感じているからこそ)インパクトが大きいものでもあります。面接で聞かれることはなかなかない項目かと思いますが、現職で「実は満たされている点」にも目を向けてみてください。何か、失いたくないものがあるのではないでしょうか?

例えば、
・経営陣との距離感
・仕事に対する各メンバーのスタンス(前向きな人が多い、等)
・一緒に働く人たちのバックグラウンド
・有給がとりやすく、フレキシブルに働ける環境
・社名を伝えただけで相手が会ってくれるような知名度・会社の安定
・カルチャーやビジョン
・福利厚生や会社独自の制度
・評価制度
・裁量や仕事の進めやすさ

気になるポイントは本当に人それぞれなので一概には言えないのですが、特に初めての転職の際は、今の環境が当たり前と思わずに客観的に見てみることをオススメしています。

■その3:優先順位をつける

Will(ありたい姿)と、失いたくない当たり前が明確になりました。そこでようやくですが、転職によって何を叶えにいくかを整理して優先順位をつけていきましょう。

前提として、100点満点の職場はそうありません。
やりたい仕事ができて、尊敬できるボードメンバーや刺激的な人が揃い、社内の雰囲気は抜群、都心の駅直結オシャレな最新オフィスで、ワークライフバランスが整っていて、責任あるポジションを任され、さらに高年収・・・
なんてあればいいですが(笑)

もし、今の職場への満足度が60点だったとして、ネガティブな点・欠けている点を無くしたり補ったりしつつ、(もしかしたら一部マイナスとなる部分もありつつ)、トータルで70点や80点を実現できたら万々歳。転職として大成功かと思います。

そのためにも、働く上で気になる要素をすべて書き出し、自分にとっての優先度を「〇・△・×」等でもいいので可視化してみましょう。その上で、受ける企業を検討する際に、重要度が高いものが欠けていないかをチェックしていくという流れです。

過去に私が失敗した際は、すべての要素を同じ重みで考えてしまっていました。例えば、私にとって叶えば嬉しいけどそうじゃなくてもやっていける、優先度の低い「丸の内勤務」、「オフィスが新しくてきれい」、「知名度がある」、「希望年収以上」等々と、優先度が高く叶わないと辛くなってしまう、Will(ありたい姿)に関する項目がいっしょくたになっているリストで10点満点評価をして比べてしまったのです。

その結果、その会社ではひとつもWillが叶いませんでした。

その苦しさを知ってるからこそ、その会社から転職する際、「会社規模・年収を下げ、働く時間を増やし(!)、それまで避けてきた営業として数字を追う」ことにポジティブになれたと思っています。

■さいごに

私にとって、転職に失敗をしたことにより、年収や働く環境よりもっと大事なもの、Will(ありたい姿)に気づけたのは本当に大きいです。(もちろん、家族がいるからWillより年収や働く環境の優先度が高いという方も、いらっしゃると思います。)

でも、入る前に気づけるのがもちろんベストです。一度入社してしまったら、やはりそう簡単には辞められませんから。。転職に際して、何を優先して何を実現しにいくのか、しっかりと見極めてからのアクションをオススメします。

そしてそれは、人事の立場でも同じだと思っています。せっかく入社いただいても、入社後に自身のWillの実現ができないと感じられてしまうとお互い辛いです。そのためにも、本当にその方のWillが実現できる会社なのかをしっかりと確認して、ご入社いただきたいと思っています。

■本当にさいごに

ここまで、長文にお付き合いいただきありがとうございます。

読んでくださった方は、きっと今まさにキャリアについて”もやっと”されていたり、転職を意識しはじめている方ではないでしょうか。そんな皆さんが自らのWill(ありたい姿)と向き合い、イキイキと働ける職場を見つける一助に、少しでもなれていたら本当に嬉しいです。

明日の採用Advent Calendarは、READYFORの採用チームマネージャー、かわもと|もふもふ系採用担当さんの登場です。お楽しみに!

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