法学の教授が学生だったわたしたち(もう遥か昔)に教えてくれていたこと。

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学生時代、尊敬する法学の教授が将来ヒトの親となるであろうわたし達にいろんな話をしてくれたのを思い出しました。

ある日、ある男の子が庭先で焼きたてのパンを食べようとした時、隣に住む男の子にパンをとられてしまいました。
パンをとられた男の子は泣きながらお父さんにそのことを話しました。

お父さんは言いました。
「隣の子はもしかしたらとてもお腹が空いていたのかもしれないね。」

お父さんはお隣の両親が忙しく働いていて、夜遅くまでその子はお腹を空かせてひとりぼっちでお留守番をしているのを知っていました。

「パンを取り返しに行くか、それともバターとジャムを持って行くか、よーく考えてどちらか決めてごらん。」

男の子は少し考えてバターとジャムを持って隣の家に行きました。

起きている出来事を一方向から見るのではなく、いろんな角度から見ることが大事だよ。と、まるでこどもに諭すような柔らかい口調で授業をする先生でした。

「いいかい?良く聞いておくんだよ。生きて行く上でとても大事なお話をするからね。」いつもこんな感じで講義をスタートしていました。

ある日を境に自習や休講が多くなりました。先生は末期の癌を患いながら、わたし達の講義をしていたことを知りました。
間も無くして、教授は天国へ旅立ちました。

今でも時々思い出します。
わたし達に『生きる道』や親になったときのヒントみたいなものをたくさんたくさん教えてくれました。
そういう意味で先生はずっとずっとわたしの中に生きています。

今日もがんばろうと思います!

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