音楽とCDと宇多田ヒカル
好きな作家については以前書いたから、今回は好きなミュージシャンと音楽について書こうと思う。もちろん好きなミュージシャンは色々なジャンルに何人もいるけれど、私と同世代でデビューしたときからずっと好きなのは宇多田ヒカルだ。
つい先日も新しいアルバムのリリースに合わせてスタジオライブが配信された。もちろんチケットを購入して、配信される30分前にはパソコンをつないで準備をして待ち構えていた。そして始まったライブは期待以上だった。歌やバンドもすごく上手くてよかったけれど、何よりも音質が素晴らしかった。こういう配信を聴くときはパソコンの音声をアンプに入力してちゃんとしたスピーカーから音を出している。だから余計に音質の違いがよくわかるのだけれど、このライブは軽く感動するくらい音がよかった。私は普段はSpotifyで音楽を聞いているのだけれど、まるで別物と言っていいくらい雲泥の差だった。この配信は約5万人のファンが視聴していたらしい。その人数にこのクオリティーで配信できるということ自体がテクノロジーの進化を物語っているようで感動的だと思った。
何気なく「ライブ配信」とか「Spotify」と書いたけれど、こういうストリーミングを利用して音楽を聴くスタイルは、私が学生の頃は考えられなかった。インターネットやテクノロジーの発展が音楽に大きな影響を与えているのは間違いない。昔は音楽はカセットテープやCDで聴くものだった。本当に好きなものはCDを買ったし、節約したいときはレンタルショップでCDを借りてきて家でせっせとダビングした。今の若い人はきっと縁がない世界だろう。ダビングって何?と思う人もいるかもしれない。
オンラインでデジタルデータを購入したりストリーミングサービスを利用したりするのが一般的になってめっきりCDの出番は減ってしまった。私もCDプレーヤーは持っているけれど、最近はほとんど使わない。というより年明け早々、久しぶりに何か聴こうとしたら読み取り部のセンサーがどうも壊れてしまったらしくて使えなかった。まあそれは置いておいて、では全くCDを買わないかというと、実はそうでもない。本当に好きなミュージシャンのCDは今でも購入している。宇多田ヒカルのCDも英語のものも含めてほぼ全部持っている。ほとんど使わないし、音楽を聴くという目的のためには必要ないのに何で買うのか、一番の理由は好きなミュージシャンをサポートしたいから、だと思う。好きなものにお金をつぎこむのは悪いことではないと思う。むしろお金は循環させるべきものだと思っているので、こういう形で使うべきだ。あとは本当に好きな音楽はCDという形のあるもので手元に置いておきたい、という気持ちがあるのだと思う。これはもしかしたら少し古臭い考えなのかもしれない。
時代が変わって必要がなくなっても、ファンは変わらずCDやレコードを買い続けるのだ。今回の宇多田ヒカルの新しいアルバムも初回限定盤に先日のライブ配信のDVDがつくと聞いて私は迷わず注文した。配信中のチャットを見ていても私と同じ考えの人がけっこういるようだった。時代とともに行動パターンが変化しても、変わらない部分もあるというのは面白い。でもさらに時代が進めばこれもまた変化していくのだろう。
話を宇多田ヒカルに戻す。アルバムのリリースに合わせて出た英語でのインタビュー記事を読んだ。その中で彼女はこんなことを言っていた。
これを読んで、私が宇多田ヒカルに惹かれる理由がわかった気がした。彼女の歌から私が感じ取る感情や思いの原点がここにあって、そこに激しく共感するからどうしようもなく惹かれてしまうのかもしれない。
ちなみに、今回のアルバムの中で私が一番好きな曲はたぶん「Find Love」の英語バージョンだ。歌詞がすごい。じっと聴き入ってしまうくらい歌詞が好きだ。
The lyrics of this song "Find Love" blew me away. Everything she says just resonated with me. I love the songs she writes in English.
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