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エヴァ観た。3月13日の日記

病気になり、ずっと「ビョイ、ビョイ」と言い続けるようになってしまった。自分では止められない。狂った人みたいに「ビョイビョイビョイビョイ」と言い続ける私に苛立った看護師に、階段から突き落とされそうになる。自分の叫び声で目が覚める。朝5時。嫌な夢を見た。夢占いでも、叫ぶ夢は「不幸が起こる前兆。人の嫌な面を嫌でも見る羽目になる」とのこと。今以上に不幸になってどうすんだ。寝直す。ぐっすり眠れた。10時半に起きる。

ゆっくり支度して、食事する。昨日のぶんの『おちょやん』を観る。兄弟喧嘩はいい感じに終わった。また千代に花が贈られてくる。ヨシヲではないことが判明したし、じつは一平が千代を励まそうとして贈ってたのかな?と思っていたけどそれも違う。まさかテルヲ?来週はまたこのくそ親父が登場するみたい。けど、テルヲも年を取ってかわいそうな感じになっているのかもしれない。千代は結婚したことも知らせようとしなかったのかな(知らせる術もないか)。

大雨のなか出かける。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観る(以下ネタバレあります)。

エヴァって設定とかもすごく複雑だし、出てくる用語も理解しづらいし、さらにテレビ版、旧劇場版、新劇場版といくつもあってそれぞれストーリーが微妙に違ってて(とはいえ私は旧劇場版は未見)、途中から出てきて重要なポジションとなるキャラクターもいたりして、結構「?」の連続なのだけど、いやあ面白かったです。理解はできてないのだけど、観ている間は独特の雰囲気に引き込まれ、力業で感動させられてしまうというか。唐組の芝居を観てるような感覚。とくに終盤の映像は圧巻。映像だけでなく音楽もなにもかも、もうほんと様々な人が関わっている総合芸術作品といった趣。延々と続くスタッフロールを見ていても、驚くほど多くの人が関わっていることがわかる。

前半の第三村での、大人になったトウジとケンスケと、子供のままのシンジの再会。トウジは委員長と結婚し、子供をもうけていた。14年ぶん年を重ねたトウジとケンスケが、彼らなりにしんどさを抱えながらもしっかり生き抜いてきたことにまず感動。シンジとともに第三村に連れてこられた綾波は、猫や赤ちゃんに初めて触れ、村の人たちとともに農作業をしたりお風呂に入ったりして、「おはようって、何?」「さよならって、何?」と、初めて経験する言葉や感情を知っていく。第三村ではアスカとケンスケがともに暮らしている。最初はわからなかったけど、その後アスカの回想シーンで、「ただ誰かに頭をなでてほしかっただけなのに」と泣く子供のアスカの頭をなでている人形のなかに入っていたのがケンスケで、ああ、ケンスケはアスカのパートナーとなったのか、とわかる。

ヴィレのシーンでは、エヴァに乗ったアスカとマリが暴れまくる。マリというのは途中から出てきたキャラクターなのだが、どうやらゲンドウやユイ、冬月と大学の同期らしい。にしても年齢が若いのはなぜ?わからない。エヴァの女性キャラクターは一様に身体のラインを強調したプラグスーツを着ている。なかでも「胸の大きい、いい女」であるマリは、女性性が強調されているのかと思いきや、それは見た目だけで、性格は男っぽい。アスカを「姫」と呼んだり抱きつくシーンは、かなり百合っぽく見える。マリってなんなの?と少し考察noteを読んでみたら、漫画版ではユイに対して同性愛的な感情を抱いているという。つまり、マリはバイ?愛していたユイの子供だから、シンジを助けた?だとしたら最後シンジと手を取り合ってホームを駆け上がるのも、恋愛的な要素は皆無だよね。

そしてゲンドウもまた「大人になりきれない」男だった。孤独をかかえ、人との関わりを拒否し、知識と音楽に自閉する。このゲンドウの独白シーンには思わず共感してしまった。そんななかユイに出会い、はじめて人生が楽しいと思えるようになる。ユイは彼にとって特別な女性だった。ユイにまた会いたいという彼の歪んだエゴがすべてを引き起こしているともいえる。

エヴァにおける女性は、母だったり、ユイのように自分を救ってくれる存在だったり、とにかく男性にとって都合のいい存在として描かれる。これでもかというほど身体のラインを強調するプラグスーツ。不必要なまでに露出される裸。そして綾波にしてもアスカにしても、クローンとして再生産され続ける。エヴァは、どこまでも男性主体の物語なのだ。だからこの作品について熱く語っている人も、男性だけだ。女性には共感しづらい物語なのだと思う。

帰ってお風呂に入り、しばらくエヴァの考察を読んでいた。本当にいろんな人が熱く語り、考察している。私自身はただのにわかファンで、あまりエヴァと自分、という文脈で語れることはないけれど、一応の完結編であるこの作品に立ち会えたのはよかった。

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