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読書レビュー『海がきこえる』『海がきこえる アイがあるから』新装版が出てた!『曼荼羅道』とにかくすごかった。

『海がきこえる』 『海がきこえる アイがあるから』

 この作品好きなんですよね。
 もう40年近くも前の作品なんですね。いやぁ知らぬ間に年取るものですねぇ。
 バブル時代の四国高知の高校生たちの友情と恋愛。
 そこに東京から転向してきた転校生。
 武藤里伽子。
 びっきりの美人で、勉強ができて、スタイル抜群。そりゃ男はときめきますよね。
 性格は自由気ままで勝ち気。
 そうなると、クラスの女子とは揉めるし、
 
 
 僕も近づきはできないけど、すっごく憧れたと思う。しかし、わがままで男を振り回す。はた迷惑な存在。でも男はその迷惑を迷惑と思えないんですよね。アホですよねぇ(笑)お金を貸してほしい。と言えば、頼んでもいない相手からも俺も貸すよって。でも、その気持わかります。男も昔を思い出しキュンキュンできる作品です。 

『海がきこえる』の続編はあまり読まれていないようですね。でも、こっちも面白いっていうか、こっちのほうが面白いかも。前作は高校編としたらこっちは大学編。バブル時代の大学生活も知れるし、それよりも武藤里伽子と先輩の津村知沙は最高ですね。この二人の喧嘩。その間に挟まれた拓。困っているけど、男のロマンでもりますよね。スタイル抜群で美人そしてミステリアスでワガママ。その二人の揉め事というか喧嘩に右往左往している。男なら憧れますよね。『あんたの彼女なんとかしなさいよ』と知沙に怒られる拓。引かない里伽子最高ですよ。

最近何十年ぶりかで再読し、相変わらずの面白さに感動した『海がきこえる』昨日近所の本屋さんで新装版で出ているのを見て、速攻購入しました。店員さんに続編の『海がきこえる アイがあるから』も新装版で出てませんかと聞いたら、出てるということでしたので、取り寄せしてきました。楽しみです。表紙は新装版のほうが好みですね。

曼荼羅道 とにかくすごかった。


すごかった。地獄です。曼荼羅道が示すものは地獄です。坂東さんが地獄を描きたかったのかはわからないけど、僕には地獄にしか思えませんでした。過去も未来もない。どこにもたどり着かない今を過ごしてる。過去何をしていたのかわからず、行き先はわかっているけどどこにあるのかわからない。ただただ曼荼羅道を歩いている。僕には地獄にしか見えなかった。怖いほどの描写力。水曜日の凱歌でもそうだったけど、戦後の混乱期は戦中と変わらない苦しみだったようですね。麻史が立枯病ならば、今の日本人のほとんどがそうでしょう。ぜひ読んでほしい。



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