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革命だ・その5。日本も大統領制がいいと思うのだがどうだろう。今の日本は舵取りを少しでも間違えば、危機的状況に陥るほど危ない状況だと思うんだけど、国会で居眠りをしていて大丈夫なんだろうか。根本的に今の政治システムがもうダメなんじゃないだろうか。世襲議員の問題から考えてみる。

この記事は先の記事の続きです。

すでに貴族化している世襲議員。

 世襲議員を、国会議員である親族から引き継いだ場合に限定せずに、父母・義父母が、同じ地域で首長・県議を務めていた場合くらいまでに、世襲に含めて考えれば、2014年の衆院選において、
 自民党議員の41%(男性40%、女性48%)が血縁継承者とされています。

 選挙の勝率では、日本経済新聞(2021年10月19日)によると、
 1996年10月に小選挙区比例代表並立制が導入されてから、その時点までの8回の衆院選の小選挙区候補者、延べ8803人について、世襲候補の勝率は、比例復活当選を含めて80%に達し、一方で、非世襲候補は30%とのことです。

 小選挙区制が導入されて以降(1996年~)の内閣総理大臣12名のうち、世襲でないのは3名(菅義偉氏、野田佳彦氏、菅直人氏)で、自民党に限れば1名(菅氏)、他は全員世襲。
 そして、現在(2022年10月24日時点)の第二次岸田内閣における閣僚20名のうち、12名が世襲です。歴代総理や閣僚に占める世襲議員の割合は、全議員の中に占める世襲の割合より、格段に多いということになります。
 
 選挙に強い、人脈が豊富、資金力がある、といったことはもちろんですが、世襲議員は、若い時期(2~40代)に、地盤を引き継いで国会議員になります。親が永田町や地元で“力”を持っているうちに子どもに譲ることで、周りのいろいろな危険をけん制し、アドバイスをしながら、一人前に育つのを見守ることができます。

 政界で当選回数・先輩後輩の序列は「絶対」で、そして、閣僚になるには、当選回数が重要なので、そうすると、若いうちに議員になった世襲の人が、断然有利ということになります。
 60代で初めて議員になった場合は、閣僚の適齢期数になる前に引退になってしまいますが、20代、30代で議員になった場合は、世襲だと選挙も強いですから、期数を重ね、力を持ち、閣僚になる、というシステムです。

 世襲議員が悪いと言っているわけではありません。
 今ままでの日本に適したシステムだったんだと思います。
 
 しかし、今は、どうでしょうか。
 これだけ世襲が多くなれば、政治家が貴族化し、庶民である我々とは感覚が違う。 と感じたことはないでしょうか。

 

貴族化した政治家と庶民の感覚の違いの溝は大きい。


 経済的な感覚、仕事に対する感覚、子育て、生活など全般についての感覚が違ってしまえば、その感覚で政治問題についても庶民とは感覚が違ったものになります。
 お金に余裕のある貴族が庶民が必死に子育ての費用を捻出しているのを理解できないでしょうし、
 奨学金で何百万も借金して社会にでる不安は理解できないしょうし、
 電気代が1万円上がった時の驚きを理解できないでしょう。
 国会中に居眠りをする人に、20万の給料で必死に働いている人の心情を絶対に理解できない。
 仕事中に居眠りをしても許される環境で世襲している人と僕達とは確実に感覚が違います。
 居眠りしても許される環境の人に、介護施設で、認知症の高齢者を介護している職員の心情を理解できない。
 子育てのお金を稼ぐために、お昼は正社員で働き夜中にコンビニでバイトするお父さんの心情は理解できない。
  
「では、どうすればいいのか」

国家のために民衆が存在しているのではない。


 政治とは、国民の生命を守り、国民が今よりも幸福な生活をする為にある。
 それを実現してくれるのならば、本質的には、どんな政体でもかまわない。

 逆に言えば、国民の生活が今よりも貧しいものになるのであれば、どんなに素晴らしく洗練された政治体制であろうと、そんなものならばいらない。
 
 国家は、そこで生きる人々の意思で、僕達の意図で何度でも作り変えればいい。
 
 国家があり、民衆が存在するのではない。
 国家のために民衆が存在するのでもない。
 民衆が存在し、その民衆の生活を守るために政治は存在する。
 そして、政治が存在するところに国家がある。
 民衆の生活の為、命の安全の為ならば政治形態など何度でも作りかえればいい。
 
 今がその時なのだと思う。

 
 長くなるのでこの記事はここまでにします。
 今回も日本の大統領制にまでたどり着けなかった。
 次の記事で、ようやく日本の大統領制に踏み込めると思います。
 どうぞよろしくお願いします。

参考文献

 先日出版した自著で、日本大統領制について高校生が読書会で話し合うシーンを書いています。
 合わせて読んでいただけると嬉しいです。


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