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いまおかしんじ「カタオモイ」

シネマート新宿で、いまおかしんじ「カタオモイ」 脚本は宍戸英紀。

夫の浮気が原因で家出した43歳の人妻(丸純子)が公園で知り合ったイケメン青年(細田善彦)は5年も付き合った彼女と別れたばかり。拝借した彼の家の鍵を使って忍び込み、ラインで彼女のフリして疑似恋愛ごっこは楽しかったけど一夜の思い出を胸に帰宅。熟女だって恋したい!ステキな大人の寓話。

これは正真正銘、丸純子のアイドル映画だと思う。酒屋の女房で結婚したら男っ気なし。働き者の夫(川瀬陽太)とイケメン長男(平井亜門)に囲まれて退屈で平凡だけど幸せな日々は夫の浮気癖というスイッチが入ると家出は合計5回目。ホントの原因は浮気ではないんだよね、自分探しの旅。

知る人ぞ知るレジェンドピクチャーズ。私は最初の頃、大阪や山梨の成人映画館で映倫を通ったピンク映画と併映されていて、21世紀の初頭から既にビデオ撮り。Vシネマというよりはテレビの深夜お色気枠で放送するとちょうど良いようなライトエロ、どこに需要があるの?と思ってた。

レジェンドピクチャーズの作品には、いまおかしんじ以外にも田尻裕司とか片岡修二とか金田敬とか石川均とか名前を連ねていて、まさしくレジェンド揃いなんだけど、ビデオシネマのライトなラブストーリーで、同じ監督でもピンク映画撮った時ほどの切れ味は残念ながら感じないんだよね。

そんな中でも、レジェンドピクチャーズでも同質のクオリティを維持してる稀有な監督がいまおかしんじで、このレーベルではちょっとエロイイ話に的を絞って量産型体制を築き上げてる(笑)いまおか監督の作品でまさかの量産型wこの作風なら何本でも撮れるって感じの安定感。

たわいもない恋バナなんだけど、観終わった後にちょっとほっこり幸せな気分で家路に着ける、そんな映画だろうと思って観始めてやっぱりそういう映画で、期待以上という程では無いけど期待した通りの映画ではある、いまおかワールドの枠内で展開されて枠の外には出ない。

配役にはピンク映画っぽさは出てる。ヒロイン丸純子の浮気者の夫に川瀬陽太。そのイケメン息子に平井亜門。純子が出会うトキメキのカッコマン青年が細田善彦で、彼の元カノが東雲あずさで、純子のバイト先の定食屋の主人が片岡鶴太郎で、一人娘の美少女に中村守里と定番揃い。

先にエロ目線から言えば、丸純子は最後にクライマックスで村田と濃厚な濡れ場がありますが、東雲あずさは期待外れにも村田との回想FUCKがチョロッとある程度で、もし脱いだら狂喜乱舞した這うの中村守里は残念ながら脱がない。他には純子のシャワーヌードとかライトエロ。

だからね、本来は女性が観てもスゲエ観やすい仕様になってるし、物語もヒロイン目線でイケメン男子と淡い恋に落ちる中年女性とか、おっさんの観るもんと違うやんか(笑)でも客席の大半は男性だし、若い子は誰を目当てで観に来たんだろう?中村守里ちゃんあたりなのかな?

ザックリ言えば、夫の川瀬の浮気に腹立てた純子が、浮気し返すつもりが悪い男に騙されて公園で黄昏てた時に、スゲエイケメン男子が隣に座ってて俺も彼女にフラれたばかりなんすよ、からの淡い恋が始まっていく胸キュンラブストーリーなんだけど、ヒロインは43歳なんですよ、43歳!

ネタバレしちゃうけど、純子が恋に落ちるイケメン青年の村田は漫画家で「超能力少女エリン」という少女漫画を大ヒットさせた若くして天才と呼ばれた男。そんな彼が着エロアイドルのあずさと恋に落ちて筆を折り、その後に失恋し死のうとして完全自殺マニュアルを読んでた。

でも、村田の正体が天才漫画家であるという事実はひた隠し、頼りなげな好青年としか見せず、純子はそんな彼を母性愛溢れる優しさで包むのだが、包み方が一風変わってる。別れて出ていった村田の彼女のあずさになりすまし、ラインで恋愛の続きをはぐくむ奥ゆかしさだw

冒頭、フラフラ公園を歩いてる純子はマッチングアプリで出会った男に10万円をむしられ、呆然と佇んでいる時、5年付き合った彼女にフラれ呆然と佇む村田と出会った。二人は一回り以上年の違う同士。まさか恋に発展するなんて思ってもいなかった。最初の出会いは偶然に。

純子は、こんなに老けたんか!片岡鶴ちゃんの経営する定食屋でバイトを始める。ウィークリーマンションも借りて、5回目の家出だしもうすっかり慣れたのかな(笑)夫や息子から解放されて自由を満喫する姿って、実は世の既婚女性が等しく思う理想郷なのかも知れない。

公園で泥酔した村田と再会した純子は彼を家に送り届けた際、前後不覚の彼にキスされときめいてしまう。ポケットに入っていた鍵をそのまま拝借してしまった純子、忍び込んでみると別れた彼女あずさが忘れた荷物を取りに来た所、ここで純子はちょっとした悪戯を思いつく。

純子は村田にあずさのニセのラインアドレスをメモで渡し準備完了(笑)村田の部屋に忍び込んではせっせと栄養の取れたバランスの良い食事を提供し、村田は「あずさってこんなに料理上手かったかな?」純子は村田のニセ恋人をラインを通して演じる遊びに夢中になった。

純子はあずさが芸能人だったと村田から聞いて、検索してみたら何と着エロアイドルでびっくり!片岡鶴ちゃんと守里と一緒にTiktokで踊りを踊ったりして顔バレw息子の平井が店まで乗り込んで来て「母さんがいないせいで俺が酒屋の手伝いして大学に行けないじゃねーか」またかよ愚痴w

村田は純子がバイトする定食屋に食べに来て守里が「あの伝説の漫画家の人!」と騒いで初めて純子は村田の職業が漫画家だと知った。そんな村田、別れたあずさに未練たらたらで思い出すのはエロい眼鏡っ子だったあずさのムチムチのボディを堪能してFUCKしたあの日(*´Д`)

でもね、ある日村田は気づいてしまう。ゴミ箱に大量のねぎを買ったレシート。そんなのあずさが買う訳ないじゃん!ラインで恋人同士のやり取りしていた純子、不意に「もうあずさのフリするのは辞めてよ」と来て「バレてたんか!」それでも公園で会いたいと打って来る村田。

ここで炸裂、純子の息子、平井の純情!離婚届に自筆でw川瀬の方を記入して「今度こそ離婚するかどうかはっきりしろ!」迫る純子は「ははーん」気が付いていたのだ、平井の自作自演だってこと。平井は川瀬にも同様に離婚届を用意して迫る。でもね、夫婦の絆は易々とは切れません。

公園でジョギングする純子が知り合いになる大学教授の佐藤宏は飛び道具。家出して大学に入って海洋学勉強したいとか無謀な夢を語る純子に、助教授生活20年の苦労を語った今は仏文学教授の佐藤。彼は純子に色々なことを教えてくれる。まるで仙人のような存在なのだ。

村田との「純子としての」初デートに、目一杯オシャレして出かける純子の女心が止まらない。お互いにケジメを着けなければならないと語る村田はあずさを忘れて漫画家に戻り、純子は家に戻って酒屋の仕事を夫と息子と一緒に営む日々に戻る、その時は今、やって来たのだ。

村田と純子は二人の思い出の記念に最初で最後の一発。二人して服を脱いで、ベロチューしながらおっぱい揉んで、「脱がせてもいいかな?」パンティを脱がして念願の挿入を果たした村田、コトが済むと二人は新たな世界へと旅立つ。そして村田には、純子との出会いによって新作の構想が湧き出した。

帰宅した純子を万感の思いで出迎える川瀬と平井。「好きだって言わせんなよ」とか熟年夫婦同士のキモい会話にげんなりした平井。でも純子に「好きだよ!」熱烈な一言に、もう純子とろけそーん♡。そして漫画家に復帰した村田の描く「超能力少女エリン」の続きを純子は読み耽った。

片岡鶴ちゃんも浮気が原因で奥さんに逃げられ、バイトに入った純子との関係良好な守里は「まるでお母さんみたい」慕っていた。でもバイトを辞めて家に戻る純子。最後の記念に3人で踊ったTiktok動画。ホンモノの家族じゃなかったけど、それ以上のものがそこにはあった。

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