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被写体様と、自分が写真家としての写真の在り方について

今回、タイトルの内容に色々な自分なりの気持ちの含みを入れて、決めました。

また、今回のnoteは、コスプレイヤーの方やコスプレイヤーの方達を撮影する写真家の方を批判するような内容が含まれていますので、嫌な気持ちになりたくないようでしたら、今すぐこのページを閉じて下さい。


写真を撮る方達の中で、「コスプレイヤーの方の撮影を行なう」方がいるかと思います。
自分は、基本的にコスプレイヤーの方の写真は撮らないというスタンスで、今まで写真撮影の活動をしてきました。

自分がコスプレイヤーの方の写真撮影を行なわない理由はいくつかあります。

1、コスプレイヤーの方のキャラをそもそも知らない事が多い、またはキャラを知っていても、コスプレイヤー様と自分が求める写真としての作品の完成に対する温度差がある
アニメとかゲームのキャラクターだという認識はあります。自分もアニメとかゲームを好みますので、深い知識は持ってはいないものの、浅い知識程度ならあると思っています。ですが、コスプレイヤーの方達は皆さん、それぞれ演じているキャラへの愛とか世界観を自分で再現とかしたい為に、コスプレという活動をしていると、自分は思っています。
なので、コスプレイヤーの方達からすると、イベントとかに参加し、コスプレをして、その姿をイベントに参加したカメラマン達に撮ってもらいたいという思いがあり、それを楽しんでいるのだと思います。
ですが、自分のような人それぞれの死生観等を表に出していってもらいたい被写体さんと作るポートレートの撮影とか、風景の写真撮影とは、全く異なるカテゴリだと考えています。
それ故に、自分ではそのコスプレイヤーさん達が求めてくる「キャラクターの世界観を撮ってほしい」といったニーズには応えれないので、原則的にお断りしています。

2、今のコスプレイヤーは「加工ありきの写真」を求めてくるので、自分は重加工を施してまで、写真という作品作りをしたくない
自分が知っているコミケ(今から20年以上前の話)でのコスプレイヤー事情はどうだったかというと、コスプレイヤーの衣装はみんな1から手作りで作製した衣装を着て、イベントに参加していました。写真を撮る側の人達はというと、今のようにデジタルカメラ自体がまだ普及が十分ではなかった為、撮影した写真を加工するなどという環境はもちろんの事、撮る側の人達の撮影機材も十分ではありませんでした。
現在のコスプレイヤーの方達や写真を撮った方達がSNS等でアップしている写真を見るとどうでしょう?
自分は、「どの写真も何らかの加工ありきの写真」だらけに見えてしまうのです。何なら、コスプレイヤーの方の顔の輪郭を弄りすぎて、人としての顔立ちのバランスがおかしい写真とかを目にしていまいます。多少の写真の補正等のレタッチなら分かります。ですが、SNSで目にする写真は多くが「重加工」と呼ばれるレベルまで補正処理がされていて、その人の本来の顔自体も分からないレベルです。
コスプレイヤーの方からも写真を撮った方からも、「その人にしか出せない雰囲気」等いわゆる「個性が見えない」のです。
折角ならば、その人にしか出せない個性とかを感じるような表現はないのですか?と聞いてみたいのです。

大きく理由を書くと、上記になります。
ただ、過去にイベントという形でコスプレイベントにカメラを持って参加をした事が、1度あります。
そのイベントは、自分が住む地域では年に数回行なわれる大型イベントなので、参加する方達の数も凄いです。
イベント自体は、みんな共通の趣味を持って集まったイベントなので、会場の熱気は凄いです。その熱気こそが、作品やキャラなどへの愛なのかも知れません。
で、コスプレイベントにカメラをぶら下げて参加したものの、正直な感想としては「自分が求めているイベントではない」と感じてしまい、結局写真を一枚も撮る事はありませんでした。
なので、それ以降一緒にイベントに参加して写真を撮ってほしいという話を、周りのコスプレイヤーの友達からお誘いを受けたりしましたが、全て断っています。
仮に、無理をしてまでイベントに参加したとしても、周りの人達が求めるような写真を、自分には撮る熱量が無いのです。

先日、こんな話がありました。
自分が普段ポートレート作品をする際、被写体として撮影をさせてもらっている方から聞いた話です。
その方は、ポートレートの被写体としての活動する傍ら、コスプレを趣味としていて、それこそ自宅での宅コスや、イベントに参加してのコスプレをしたりするのが好きな方です。
その方は、自分とのポートレート撮影を行なった際、自分がRAW現像を終えたデータを受け取った後、更に自分で顔の加工を行なって、ご自身が納得がいくまでレタッチしその後にSNSに写真を上げています。
自分は、以前にその方へ正直な気持ちを伝えました。
「正直な気持ち、自分としては写真の雰囲気が壊れるような加工はして欲しくない」「ポートレートの良さは、被写体様一人ひとりの個性が出るのが醍醐味なので、出来れば必要以上の加工はして欲しくない」と、自分が写真を撮る上で大事にしている気持ちをそのまま伝えました。また、その自分の気持ちを分かってくれた上で、今後もポートレートの被写体をしてくれるなら是非お願いしたいですと。
その方は、最初自分の思いや考えを伝えた際、戸惑っていました。ですが、それを理解してくれたようで、現在は自分が必要最低限なレタッチを施した以上の加工処理をする事なく、SNS等にアップしてくれるようになりました。
話がかなりそれでしまいましたが、その方が別の写真家の方へコスプレに関する撮影を依頼した時の、話になります。撮影自体は問題なく終えたとの事でした。ですが、その方と写真を撮った方との間に、データの取り扱いに関する決まり事をしっかりとしていなかった為に、写真を撮った方がその方へデータを渡してすぐに、写真を撮った方の判断のみでコスプレの写真をSNSに投稿してしまったという話でした。
コスプレの写真を撮ってもらった方からすると、「自分の無加工の顔がネットに晒された」という羞恥心が先立ってしまい、写真を撮ってくれた方へキツく当たってしまったとの事でした。
話の顛末を聞いて思ったのが、写真を撮った方とコスプレをした方との間で、十分な取り決めが出来ていなかった事が原因なのではないかと、自分からは助言しておきました。

まぁ…SNSとかでよく見かけるような話でした。結果的には。
こういう話を、身近な方達から耳にしてしまうと、自分としては尚更コスプレイヤーの撮影を拒否したくなるのです。

コスプレイヤーをする人の気持ちも分かります。
写真を撮る方の気持ちも分かります。
じゃあ、どうしたらいいのか?という話なのです。
撮る側も撮られる側も楽しく終わりたい。その思いは一緒なのですから、事前に決め事をしっかりと決めておくべきです。

最後に
自分は、ポートレートや風景を好んで撮影しています。
また、写真を通して、その人一人ひとりの死生観や喜怒哀楽を、写真にて表現していきたいのです。また、自分は風景のスナップも良く撮りに行きますが、風景は四季を写真を通して自分の心に残していきたいから撮っています。
このスタンスは今後も変わりませんし、変える気もありません。
自分に撮って写真は仕事ではなく、生きている証を残していく表現手段の一つなだけだから。

最後まで読んでくださりました方々へ、ありがとうございました。

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