今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略/田中研之輔
※以下は私が自分に響いた箇所のまとめ(備忘用アウトプット)であり、書籍の要約ではありません。表現も所々本書と異なっています。
自分のキャリア戦略を考える
私たちを取り巻くキャリア外観
昨今の時代背景
組織との関係性を保ちながらキャリア開発をする人が目立つようになってきた
組織の時代→個人の時代→関係性の時代へのCX(キャリアトランスフォーメーション)テレワークの普及→労働の孤立化を助長
ミドルキャリア形成期においては、孤立化をセルフマネジメントできるかが、組織内キャリア依存からの脱却の道筋 オンラインで新たな機会に挑戦するか業務処理に追われるか二極化分野としての遅れ
医療等の他分野と比較すると、キャリアの分野は遅れている。主観的、アナログ、行き当たりばったりのフィードバックがまだまかり通っている世界
キャリアに対して もつとよい基本的な視点、考え方
最大のリスクは「何もしないこと」
自ら主体的に働くことこそ働き方の本質であり、組織に対して遠慮する必要はない。我慢する、やらされる、は生産性を妨げるブレーキになる。
※計画的偶発性理論:「キャリアの8割は偶然の出来事によって決まる」
→スタンフォード大ジョン・クランボルツ教授が提唱。単線型のキャリアプランニングへのアンチテーゼ。「行動を起こしておくことが偶然の出来事の活用につながる」。(ただ、キャリア形成より社会的時間の方が早い中では、戦略的実践が必要だとこの著者は考えている)キャリアの悩みは9割解決できる
いかなる悩みであれ、それらは社会的につくられた事物にすぎない。働き方や生き方を改善するために意識すると良いのが「空間の視点」の「時間の視点」
①空間の視点→自分の置かれた場所以外と比較する視点 自らの特異性に気付く。キャリアとは最も身近なことであるだけに、近視眼的になりがちである
②時間の視点→残業時間等。組織での意思決定が必要か、個人で主体的に取り組んで改善できるのか、も併せて考える。自分の力で状況を変えることはできるという自信につながる
自身のキャリア戦略を立てる
ビジネスパーソンのキャリア戦略とは
「働くことや生きることを通じて、自身が成し遂げたいことに対して、主体的にキャリア形成をしていく際の、中長期での行動計画」であるキャリアを考える上で大切なのは「プロセス」(結果ではない)
仕事における心理的満足度が
高い人→キャリアのプロセスを大事に
低い人→結果に執着キャリア戦略を立てるために考える3点
①過去(の経験)を受け入れる
②現在を客観的に捉える
③未来を構想するキャリア形成に対する考え方2つ
①現状行動型キャリア形成:目の前のことに一生懸命取り組む
②未来創造型キャリア形成:将来のキャリアプランを描き、やるべきことに取り組む「プロティアン・キャリア」
上2つの良さを連携させるハイブリッドキャリア。
プロティアン・キャリアが大切にしていること:アイデンティティ(自分らしくあること)×アダプタビリティ(変化適合力)キャリア戦略策定の出発点→セルフビジョンの策定(これからどう生きていきたいのかの未来像)
方法①内的対話アプローチ
方法②キャリアデッサンアプローチ3C分析ならぬ3S分析(self setting society)
self 自分の強み弱み、評価
setting 今置かれている状況
society 社会トレンドと照らした自身の業務自己の強み=投資した期間×積み重ねた経験
→可視化のために「キャリアナレッジ分析シート」を用いる作業時間を減らして、思考時間を増やす意識
「稼ぎ抜く」ために必要な意識(Not「雇われ続ける」)
前提
優先なのは、「何を大切にして、どう生きていきたいのか」考えるようにすること。
どんな暮らしをしたいのか、何を大切にしたいのか、を明確にして、それにフィットさせる稼ぎを算出する。サニー・ハンセン教授の「4L理論」
仕事labor 学習learning 余暇leisure 愛情love
がバランスよく組み合わさることがライフキャリアの形成に必要。この4つで自身のコンディションチェックをしてみる。資本の蓄積
金銭的報酬を生み出す技術ではなく、人生を豊かにするための思想としての「稼ぎ抜く生き方」をする(雇われ続ける働き方からの転換)。いつでも経済資本へと転換できるビジネス資本を日頃から蓄積しておく。日々の業務をこなすではなく、キャリア資本をためる。
「働くとは、生きることなんだ。組織にぶらさがることはできない。仕事は自ら創り出していくものだ」
「稼ぎ抜く生き方」の練習を、雇われ続けながら積み重ねておく。今の勤務先企業との関係も永続的ではないということを私たちは忘れてはならない。
転職という物理的な環境変化以上に大切なのが、内面の改革をすること。仕事をセルフマネジメントする
キャリア形成期は、どんな仕事であっても全力で取り組むべき。キャリア資本や信頼の蓄積
オーバーワークによる生産性の低下に注意
ハイブリッドワークスタイル
キャリアエフォートマネジメントキャリア形成において大切な思考
過去ではなく未来(キャリア相談をする人の9割が過去思考)
①これからの未来を可視化させ、具現化するワークをする
②キャリアの移動ではなく、蓄積として捉える 全てを無我夢中にやるのではなく、選択と集中を戦略的に練り上げる→自身のブランディングが必要キャリアは何歳からでもブーストできる。人に頼るのではなく、自ら吸収し、武器を作っていく
コラム キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとして成功しているたった2つのタイプ
①企業内キャリアコンサルタントとして安定している上で、そこでの専門的経験をもとに、副業している
②〇〇のキャリアコンサルタントというブランドを確立している資格と何かを掛け合わせることで初めて価値になる
より良いキャリアは、日々の行動から
日々の行動から自分らしく生きるをつくりあげるトレーニング
※日々できそうなワークが色々と載っていましたが、私が試してみたいと思ったものを【ワーク】として特にピックアップしました
トレーニング1 瞑想→メモ書き
個人のパーパスを確認していく作業
この先の未来にどうなっていたいのか(セルフパーパス=存在意義)をイメージする(時間軸は時々で設定)
仕事が重なり何から手をつけていいかわからないときなども
【ワーク】どうなっていたいか→そのためにいま何をすべきか、瞑想し、思いついたことをなるべく具体的な表現でメモ書きする
(※「どうなっていたいか」は、日曜夜にビジョンワークをしてみてもよい)
・瞑想の内容:ありたい姿をイメージ
・メモの内容:そのためには今何をすべきか(思考は過去でなく、未来に集中させる)
これを繰り返して、重複感をみる。思考が整理され、周りの情報に惑わされなくなる。天職かどうかはわからなくても、天職でない、は明確にわかるようになる。
自己認識(自分はどうありたいのか、周りからはどう見られているのかのズレを認識、セルフアウェアネス)も大切トレーニング2 1日のイメトレ
流れや、重要な場面での発言などトレーニング3 思い通りにいかないことで、レジリエンスを鍛える
思い通りにいかないときにやってはいけないのは、その状況に対して何ら行動せず、ただ待つということトレーニング4 ネガティブ癖を直し、ポジティブを習慣化する
メンタル的に落ち込んでしまう状態は、誰にでも起こりうることを理解するトレーニング5 自己肯定感を育てる
キャリアナレッジで大切なのは、できないことを責めるのではなく、できていることを認めること。自分の評価軸を確立する
【ワーク】1日の終わりに5分、できていること(ビジネス、ライフ、チャレンジ)を書き出すワークをする。脳のメモリーはうまくいかない出来事が鮮明に記憶されるものトレーニング6 セルフメンテナンス
ビジネスのストレスを週末に持ち込まない
【ワーク】金曜日の夜に、一人になって気持ちを落ち着け、1週間でうまく行ったこと、いかなかったことを3つずつ書き出す+5段階でセルフチェック(仕事、人間関係、食事、身体の状態、運動、睡眠 など項目を決めて)トレーニング7 自分のビジネス資本の書き出し
「現状の自分のビジネス資本」と「どうなりたいか」のギャップを埋めるよう逆算的に行動すべし
SNSでの発信も有効的。「今取り組んでいること」や「これから目指すべきところ」を発信する。そのビジネス資本を持っていない人が学びたくて寄ってくる。新しい仕事につながる。同質のネットワークしかない場合は注意トレーニング8 書く力を高める
日記ではなく、誰かに読んでもらう文章を意識してアウトプットしてみる
まず書いてみて、まとまったら公開、その後直してもよい(PDCAを回す)
よりよく生きるためのキャリアの処方箋
処方箋1 やりたくないことをやめる
【ワーク】やりたくないことリストを作っておく
ストレスの排除→生産性の向上処方箋2 没入時間を作る
「ゾーン」や「フロー」の状態は退屈や不安を感じない+晴れやかな気持ちに
スキルとチャレンジ(課題)のバランスが適度なことでフローを生み出せる。絵を描く、トレーニング、なんでもよい。
人を活かし、自分を活かす
自分らしいキャリアを築くために組織を活かす
組織内キャリアから「自律型キャリア」へ
組織に預けるのではなく、自ら主体的に形成していく。
組織に帰属すること自体は悪いことではないが、働く目的を見失うビジネスパーソンが多い。
「キャリア自律」とは、ビジネスパーソンである個々人が、自分自身の働き方やこれからの生き方について向き合い、自ら主体的に行動していくこと。
キャリアとは、人生そのもの。組織に預けるものでもなければ(キャリアの所有者は個人)、他と比べるための考え方でもない。職業経験だけでなく、ライフイベントなども含んだ時間的な経過、個々人の歴史性含む広義の意味で捉える必要がある。(プロティアン・キャリアの考え方)人はいつからでもキャリア形成が可能である
個人が自ら主体的に生涯学習を続けていくことが、より望ましいキャリア創出の策の1つ。主体的に働くことで、心理的幸福感が高まる
「仕事が楽しい」人>自ら主体的にその仕事に向き合い、その仕事にやりがいを感じ、その成果に納得している。
自分で考えてやりたいこと、やるべきことに向き合っていることが大事(周りは気にならなくなる)。人生を職場に奪われるような働き方は得策ではなく、キャリア形成に職場での経験を活かしてくという働き方を手にいれるべき。仕事のアウトプットを無形資産化しておくとよい。組織もよりよいものにしていく事ができる(個人との関係性含む)
・組織人として働くことと、キャリアオーナーシップを持つことは矛盾・対立しない。
・従来のキャリア研修の反省点は、組織のことを考えず個人のキャリアのみにフォーカスし過ぎたことで、研修の中だけの形式的なものになってしまったこと。プロティアン・キャリア論では「組織と個人の関係性」をよくしていくことに重きをおく(独りよがりなものではない)。
・おすすめの取り組みは「キャリア・ダイアローグ」。日々課題と感じている業務上のことをとにかくたくさん出していく→取り組むべき課題を5つ程度選出する(経営層が参加することも重要)
・キャリア・フレキシビリティの考え方(柔軟な働き方、キャリアを作っていく)が、企業の垣根を越えて必要
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