なぜ超一流の人は打たれ強いのか/久世浩司

転職して業務の内容やスタイルが一気に変わったことで、今まで以上に自分のストレス耐性のなさを感じでいたところ、
たまたま著者のセミナーを受ける機会があり、著書も読んでみようと思いはじめに手に取った本。

なぜ一流の人は打たれ強いのか

レジリエンスとは

  • レジリエンス(失敗やストレスを克服し、変化に対応できる精神力)が高い人がもつ3つの特徴は「回復力」「緩衝力」「適応力」

  • レジリエンスはポジティブシンキングとは違う。ネガティブでもよい。大切なのは、ネガティブ感情に無意識に支配されて悪循環に陥らないこと。
    重視する3つの姿勢
    ①現実を直視する
    ②物事をしなやかに柔軟にとらえる
    ③合理的な思考を持つ

良い失敗と悪い失敗

  • 組織における失敗は3つに分類できる
    ①予防できる失敗
    ②避けられない失敗
    ③知的な失敗

  • 予防できる失敗→環境や能力の不足によるもの。最小化するための仕組みづくりができる

  • 避けられない失敗→責任を感じすぎなくてよい。自分がより注意深くしていれば、より高い能力があれば防げたかを考えるとわかりやすい。不必要に罪悪感を感じないこともレジリエンスの姿勢

  • 知的な失敗→価値のある失敗。主に実験的な領域で。失敗について本気で学ぼうとする姿勢そのものが大事

  • 失敗とうまく付き合うために、3つに分類しよう。予防できる失敗で反省し、他は罪悪感を持ちすぎない

立ち直り力を身につける方法

レジリエンスを高める3つのステップ

  • ①底打ち→②立ち直り→③教訓化

  • ①底打ちについて
    感情のラベリングと気晴らしによって、ネガティブな感情の悪循環から抜け出す
    自分の飼っている思い込み犬のタイプを知って、役に立たない思い込みを手なづける

  • ②立ち直りについて
    自己効力感を身につける(実体験を繰り返す、ロールモデルに見習う、他者からの励まし、ムードを変える、の4つ)
    弱みの克服より、強みを活用する(5つの質問)
    サポーターをもつ(叱咤激励してくれた人、過去大変だった時に親身になってくれた人)
    感謝のポジティブ感情を高める(日記、その日のよいこと3つ、手紙)

  • ③教訓化について
    逆境グラフをかいて、どのように困難を乗り越えてきたか振り返る

自分の強みを見つけて活かそう

5つの強み

楽観力、熱意、利他性、自信、勇気

  • 楽観力
    なぜそのような出来事が起こったのか
    どれだけの長さで影響するのか
    どれだけの範囲で影響するのか
    の3つを、どう自分に説明するか
    これを外的、一時的、限定解釈できる力が楽観力
    それわからない、と言える人は強い
    どん底の経験を振り返ると、自分の楽観力を発見できる

  • 熱意
    仕事の価値観3つ
    外発的な動機→ジョブタイプ(お金と生活)、キャリアタイプ(昇進と地位)、内発的な動機(コーリングタイプ)
    キャリアの節目では、自分の熱意の声に素直にしたがってアクションを起こそう

  • 利他
    強みを自利利他の形で活かすことを考える
    ギバー(惜しみなく与える)、テイカー(自分の利益優先)、マッチャー(損得バランスを考える)の中で、成功を長期的に実現しやすいのはギバー。弱い繋がりの人脈も活かせる可能性あり

  • 自信
    経験が伴わない仮の自信ではなく、根拠のある自信(自己効力感)をもてば、困難に直面しても目標を達成できると思える
    自己効力感を高めるには「実体験」「お手本」「励まし」「ムード」

  • 勇気
    勇気がある=困難でも正しいことを選択する行動意思がある+恐れの感情を認知でき、コントロールできる
    勇気指数=行動意思÷恐れ
    行動意思を最大限高めることにフォーカスして勇気を高めよう
    希望が高い人が持っている「ウィルパワー(意志の力)」が、勇気ある一歩を踏み出すのに必要
    漠然とした理想ではなく、実用的な希望をもっていれば、困難を乗り越えられる

折れない心をつくる7つの習慣

  • 根本的な問題は、ストレスそのものではなく、ストレスが起因となって生まれてしまうネガティブ感情にある

  • レジリエンス的思考をもつ人は、変わらないものでなく、自分で変えられるものにフォーカスする。コントロールできるのは、ストレスそのものではなく、ネガティブ感情

頻度:ストレスを感じるたびに

  1. 気持ちをクールダウンさせる
    過剰な罪悪感、自責の念が活力を消耗させる。繰り返されるとバーンアウト(燃え尽き)状態に
    マインドフルネス呼吸法(4秒吸って、6秒で吐く)

  2. 感情のラベリング
    ネガティブ感情を放っておく→反芻される、芋づる式に他のネガティブ感情を呼ぶ
    見えない感情を見える化する
    問題を対処可能なレベルにまでセグメント可する(問題解決の基本)

頻度:毎日

  1. ストレスはその日のうちに気晴らしする
    4つの方法→運動系、音楽系、呼吸系、筆記系

頻度:年に数回〜1回

レジリエンスマッスル(元の状態まで立ち直るために必要な筋肉)を鍛える

  1. お手本を出す
    自己効力感を養う代理体験
    観察、話す、ランチに誘う

  2. ストレングス・ユースする
    自分の強みを把握して、仕事に活かす
    自尊心を形成する効果がある(抑うつ状態の改善)
    自尊心が低いとチャレンジに消極的になる、他者評価に依存する

  3. サポーターに感謝する
    助けてくれた人をリストアップする
    身近な人だけでなく、書籍や偉人でもよい

  4. ときおり半生を振り返る
    自分らしさをつかむ
    逆境グラフもおすすめ どのように立ち直ったか振り返る


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