賢者の書/喜多川泰

慌ただしい日々の中で、立ち止まらせて忘れていたことを与えてくれるような本です。
子どもにはもちろん、個人的に大人にこそ読んでほしいと思いました。中高生のクラスの学級文庫に置きたい本だなとも。

※ 心に残った言葉・考え方を書き留めていきますが、以下本書のネタバレになりますのでご注意ください

以下のまとめは備忘録として機械的な抜粋、要約ですが、本書を実際に読んでいただくことで、より納得でき、心に響くものがあると思うので、基本的にはそちらをお勧めします。

本書は、日々から逃げ出した成人男性アレックスが、「9人目の賢者少年」を探すサイードという少年と出会い、アレックスは彼が持つ「賢者の書」を読ませてもらう、という物語として展開していきます。

賢者としての自分の人生をつくる

行動

  • 人生におけるすべての出来事がパズルのピースとなって、今に連れてきてくれる。

  • 行動の結果として我々が手にいれるのは、成功や失敗ではない。1枚の絵を完成させるために必要な、1つのピースであるに過ぎない。
    だから、行動を起こす時に何かを期待したり失敗を恐れたりすることには何の意味もない。

  • ピースを集めるために行動すること、そして行動の結果得たピースをよく見て、どう使うか考えることが大事。

  • 手に入れたものが期待と違ったり、辛いものだったりしても、それは人生における失敗ではない。そのピースを手にいれるためのかけがえのない経験であり、そのピースは完成した絵を見れば必要不可欠であったとわかるであろう。

  • 人はどこにいても、何をしていても、人生の旅の途中にいるのだ。

可能性

  • 自分には、不可能と思えるようなビジョンを実現する無限の可能性がある。そう信じるのではなく、「気づく」ことが大切。

  • それに気づき行動を起こす時、大いなる力が手助けしてくれる。出会いや発見などを含めた、必要なピースをくれる。そうやって人間は不可能を可能にしてきた生き物である。

賢者としてどうあるべきか

自尊心と他尊心

  • 人は、自分をかけがえのない存在だと認めたくても、多くの失敗のために自信をなくし、自分を価値のない人間かのように思いはじめてしまう。しかし、人生に失敗などないのだということを理解し、言い聞かせていれば、自分のかけがえなさが失われることはない。

  • 真の成功をおさめるには、自尊心と同じ高さにまで、他尊心も高めている必要がある。世の中のすべての人間(一部の人間では決してない)は、自分の知らない者まで含めて、無限の可能性をもつかけがえない存在であることを忘れてはならない。

目標

  • 「何になるか」ではなく「どんな人間になりたいか」。成功は職業についてくるものではなく、人についてくるものだ。

  • どうなりたいかを追求するから、何をすべきかが自ずと見えてくる。

  • ビジョンというのは与えられるものでなく、自分で作るものである。

  • 生きるというのは、自らの伝記を書くということ。

  • 大切なのは昨日までの人生と、明日からの人生に心を囚われることなく、今日の1ページに集中して生きること。それがただ1つのできることである。

  • 今日書くことができるのは今日の1ページだけだが、その1ページでその後の成功を約束させることはできる。
    読んでいる人間が、「この人なら将来大きな成功を手にするのは当然だ」と確信できるような今を過ごすことを意識するとよい。
    人は、どんな成功を手に入れるかということを求めることには必死になるが、自分がどういう人間だと思われているかについては、ほとんど注意を払っていない。

投資

  • 自らの人生の時間という貴重な財産を投資をすることを欠かすべからず。

  • 世の成功者のほとんどは、無一文からスタートして巨万の富を築きあげている。時間の投資をし、壮大なビジョンを完成させるためのピースを全て受け取ったからこそ成功を手にできた。この投資は、お金があるないに関わらず、誰でも今から始められることだ。

幸福

  • 「自分を幸せにしてくれること」ではなく、「人を幸せにできること」を探して生きる。

  • 前者を探す人にとっては、この世は思うようにいかない場。後者を探す人にとっては、喜びに満ちた楽しい場、居心地がよくなる。後者でいようとするのは簡単ではないが、世の成功者は皆後者である。

言葉

  • 人生における成功とは、「他人があなたを成功したと認めること」ではない。大切なのは「自分が成功したと認めること」。

  • 日々使っている言葉が人生を作っている。起こることは全て、発したり心の中で描いたりする言葉に起因する当然の結果に過ぎない。

  • 自分の言葉を一番聞いているのは、自分自身。自分が最も影響を受ける。自分の言葉通りの人生になる。
    自分が成功する、幸せを手にいれる人生の途中にいるということを認める言葉を自らに聞かせ続けることが大きな成功には必要。

感謝

  • 今日を幸せに生きることができるのは、あらゆる人のおかげ。出会うすべての人や事に対して、心から感謝し、伝えることが大切だ。1日を感謝で埋める。日々が新しい感動の連続になる。自分の人生だけでなく、周りの人の人生をも幸せにする方法である。

与える

  • 与えられたければ、与える側の人生にならなければならない。手に入れることばかり考えない。感動の多い人生にしたければ、人に感動を与える生き方をすることこそ、本当に感動的な生き方と言える。

賢者とは

誕生

  • 昨日までの人生がどうであったかに関わらず、今日から新しい人生をはじめられる。むしろ毎日がそうでなくてはならない。

  • 集めてきたピースから目を背けず、素直に自分を分析し、変わろうとする勇気を持てば、誰でも今日という日を、すべての成功を手に入れることができる最高の賢者としての人生の1日目にすることができる。

最後の気づき

最高の賢者とは、誰よりも多くの人からいろいろなことを学べる素直な心を持つ人なのだ。教えた側が賢者なのではない。学んだ側が賢者だったのだ。

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