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alcohol


懐いた白鳥の涙
窓の外からこぼれるシグナル
チカチカ うずくまる腕から香る皮膚
どうせ終わる今夜の悲しみを 枕だけがしっている

ねぇ
少し声の太い女になることを許して
私は私を生きてきたの
ビールしか飲まないお付き合いにも笑って
甘いリキュールは苦手なの

"しらないだろ"と言って私を知らないまま続けて
馬鹿なやつって笑ってあげる
少し声の太い女になることを許して
あなたみたいな人には甘いリキュールを好む人がいいんじゃない?
私は私を生きていこうか





夜のワンルーム
テレビも冷蔵庫も眠ってる
車のライトが部屋の中をいったりきたり
ゆらゆら 私の影が遠くなる 近くなる

ねぇ
"絶対"と"大丈夫"をくっつけて
自分に言い聞かせるの苦しくない?
少し昔の私に寄り添えたなら シーツに沈む意識の中から連れだしてあげたい
大丈夫よ、自分で選んだ道なのよ
信号も自分で作れるんだから

やっけな愚痴をあてに笑う話のcalorie 接種
乾杯するビールのおいしさで
私は私を生きてきたの
枕に埋もれた涙も、枯らした木のことも
忘れないよ どんなに幸せになったとしても





ねぇ
少し声の深い女になることを許して
馬鹿なのはお互い様だと笑って
あの日の制裁を今夜の置き勘定でお互い様にして綺麗に帰るから 私の背中を見て少しだけ後悔してね
どうせ私は一生 あなたには敵わないんだから
電気を消して話したことも夕陽の道の切なさも
私だから良かったんじゃない?
ぁぁ
私が私を生きていける日がくるなんて



うずくまる
よく知る肌の匂い
枕も乾く
大丈夫になれることが寂しい





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