一匁

痛みをとりもどした体
むくりと起きあがる午後
柔らかい陽射しのなかで
足りない跡に痛い気なこころ

おわりそうな蛍光灯の
淀む明るさに視界が波打って痛む眼
路地裏のタギング達が犇き
オーケストラ
歪んだアスファルトのリズムを足踏み辿る
バーニラバニラ高収入

我が物顔で異国を蹴散らすシャイニーハイ
食って食われるニーハイハイライガー
土足で上がられても傷む心もない 雨季
感傷を分け合う安い関係には もう
行き交う喝采潜り抜けて
晴れ渡る空と堕ちあえるまでは必ず


切っても何もでてこない空洞な体で
バーニラバニラ　バーニラバニラ　高収入
バーニラバニラ　バーニラバニラ　高収入


街の明るさに置いていかれて
551の匂いで満ちた線に飛びこみ辿りつく家路
夢を買うのにはたりない野望握りしめて
おわらないね 花一匁



澄ました顔でやり逃げシャイガール
馬鹿なふりはそこまでにして自分の命に審判を
感傷的なふりして何考えてんの
前だけみてよ、あなたが欲しい　花一匁
名指しで言い切るの　き〜まった
あのこがほしい、あのこじゃわからん
相談しましょう、そうしましょう

夜の酒場潜り抜けて
隣にいるやつから食って食われて
どの子でもよかったんかい、
相談なしかい、そうですかい
街の明るさはおいといて
うちにはひとりでかえります
綺麗に勘定　あしたに行進　
はりきっていきましょ　そうしましょう
あしたに向けて辿りつく家路の　花一匁
いつまでも悔しい　花一匁
買える夢から　花一匁
長持ちするタンスよりも　
過ぎてく今を握りしめて　花一匁
行き交う喝采潜り抜けて
晴れ渡る空と堕ちあえるまでは必ず

いつか出会うの　花一番